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英語がぐんぐん聞き取れるようになる!リスニングのコツと練習方法

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海外旅行で、外国人の英語が聞き取れなくて困ったことはありませんか?

せっかく相手が親しげに話しかけてくれているのに、何を言っているのか全く分からず、苦笑いを浮かべて適当に相槌を打つことしかできなくて、悔しい思いをしたことはありませんか?

いくらリスニングの練習をしても、英語がいっこうに聞き取れるようにならないことに悩み、「私は耳が悪いのではないだろうか?病院に行った方がいいのでは?」と悩む人からメールが私の元にたくさん届きます。

ですが、普通に日常生活で日本語の聞き取りが問題ないのであれば、あなたが英語を聞き取れないのは、あなたの耳に問題があるからではありません。正しいリスニングの勉強法を知らないからです。


リスニングは、正しいやり方で訓練さえすれば、誰でも伸ばせるスキル。大人になってから訓練を始めても、遅すぎるということは決してありません。

このページでは、英語が聞き取れるようになるための勉強法を徹底的に解説します。このページを読み終わる頃には、リスニング力を上げるために何を使ってどのように勉強すれば良いか、道筋が見えるようになっていますよ。



英語が聞き取れるようになるための練習方法


ここでは、英語を聞き取れるようになるための練習法を大きく2つに分けてお伝えします。



練習法1:一語一句隅々まで聞き取る(精聴)


まず、「何となくぼんやり英語を聞く」のではなく、一語一句しっかり聞き取ることを目指して英語を聞く練習をしましょう。特に、初心者やブランクの長い人は、これにしっかり取り組んでください。

いろんな教材をとっかえひっかえではなく、同じ教材を覚えるほど、飽きるほど聞くのがお勧めです。すると、音の変化が知識ではなく感覚として分かるようになってきます。

実は私自身、英語のやり直しを始めた頃(当時TOEIC500点程度)は、テレビのNHKニュースを副音声にして聞いてみたり、当時テレビで深夜に放送していた「ビバリーヒルズ高校白書」という海外ドラマを副音声にして聞いてみたりしていました。

もちろん、当時の私には全く歯が立ちませんでしたし、一切レベルアップもしませんでした。単語も発音も分からないことだらけなので全然楽しくないし、今思えば、「私ってやっぱ英語苦手だ・・・」と挫折感ばかりがつのるだけの最悪なやり方でした・・・

参考:
間違いリスニング学習の例(英語ニュース、海外ドラマ、洋楽)

そして、同じものを何度も繰り返し聴いて、一語一句聞き取る「精聴」が重要なんだと知って、そこからガラッと英語のやり方を変えました。

英語ニュースやドラマが自分にとってレベルが高すぎると分かったので、そういう勉強はすっぱり辞めて、簡単な英語に切り替えました。私の場合は、もう最初っからやり直そうと思って、中学1年生レベルの英語を一語一句聞き取ることから始めました。

そうやって自分のレベルに合わせて一語一句英語を聞くトレーニングを継続した結果、2年ほどであっという間にTOEICのリスニングセクション程度なら簡単と思えるくらいにまでリスニング力が上がりました。

では、具体的にどんな教材を使ってどのように勉強したらいいのか、お伝えしますね。



「一語一句英語を聞き取る」リスニング(精聴)のやり方


まず、自分のレベルに対してやさしめの素材で、スクリプト(英語音声を文字にしたもの)があるものを選びます。私自身は、NHKラジオの基礎英語1(中学1年レベル)から始めました。

私がNHKニュースやドラマの副音声でやっていたような、テレビの聞き直せないリアルタイムの英語を使うのはダメな勉強法の典型なので、くれぐれもマネしないでくださいね。

使う教材は、手持ちの「もうこれはちょっと簡単で自分のレベルに合ってないかな〜」くらいの教材CDなどが精聴にはちょうどいいです。簡単な英会話のダイアログ集などもお勧めです。

適当なものがなければ、基礎英語ぜったい音読シリーズなどがお勧めです。


「一語一句聞き取る」という精聴において、英語の意味や単語が分かるのは、あくまでもスタートラインです。そこで満足して終わってはいけません。

何度も聞いて、単語ひとつひとつの発音と文章のイントネーション(強弱)に注意を配ってください。もちろん、話の内容もしっかり意識しながら聞き取ってください。

とは言え、「一語一句聞き取る」というガイドラインだけでは、気づいたら英語をぼーっと聞き流してしまうことも多々ありますよね。ちゃんと全部聞き取れているのだろうか?と実感がイマイチ得られない場合もあります。

なので、「一語一句が聞き取れているかどうか」が否応なしに分かる、しかもリスニング力アップに効果抜群の勉強法をご紹介します。


シャドーイング

シャドーイングとは、聞こえた英語の音を文字通り「影」のように後をついて発音していく練習法です。詳しくは、下のページに書いていますので参考にしてください。

TOEICリスニングセクションが2年で満点に!シャドーイングのやり方



シャドーイングをやると、聞こえた音をその通りに真似して声に出していく必要があるので、聞き取れていない箇所があれば詰まってしまいます。なので、一語一句ちゃんと聞き取れているかどうかがすぐに分かります。

声を出してシャドーイングをすると、英会話力アップや発音上達にも効果があるので、できれば声を出して行うシャドーイングがお勧めです。

でも、電車での通勤時間を活用したいなど、声を出すことが難しい場合は、サイレントシャドーイングでもOKです。サイレントシャドーイングとは、声には出さないけど頭の中や口の中だけで声を出しているようなつもりで聞こえた英語をそのまま繰り返す練習法です。


ディクテーション

ディクテーションとは、聞こえた英語音声を書き取るトレーニング法です。音声を一時停止しながら、聞こえなかった箇所は巻き戻しをしながら、話されている英語を文字にしていきます。

これも、自分が一語一句聞き取れているのかどうか、一目瞭然で分かる勉強法です。以下のページにディクテーションのやり方を詳しく書いていますので、どうぞ。

ディクテーションで英語力に革命が起きる!効果と正しいやり方を徹底解説



練習法2:話の大まかな内容を聞き取る(多聴)


練習法1は「一語一句隅々まで聞き取る」でしたが、次は細かい情報にはとらわれず、大まかに全体像を聞き取る練習です。

ニュースやドラマなどの大量の英語を聞いていると、一語一句全部聞き取っていては情報が多すぎて大変なことになってしまいます。

また、聞こえてくる英語の全ての単語を自分が知っているとは限りませんし、たとえば空港などザワザワした所でマイクを通じて流れてくる英語は、音そのものが聞き取りにくいことがありますよね。

そんな場合でも、聞き取れた部分から内容を補って、コミュニケーションに支障がない程度にざっくり理解するというスキルも身につける必要があるのですね。


私は、英語のやり直しをはじめて、上の「一語一句聞き取る」という練習は熱心にやっていたのですが、聞き取れないところがあっても大まかな内容を聞き取るという練習をしてきませんでした。

なので、「TOEICなどの教材のくっきりはっきりした英語は聞き取れるのに、ネイティブ同士の生の英語や映画やドラマが聞き取れない」という時期を長い間味わうことになってしまいました。(これは、私の英語学習で最も後悔してることの一つです)

その経験で知ったのは、一語一句隅々まで聞き取る練習法だけではダメなんだということです。聞き取れないところがあってもそこに気を取られず、話の内容を推測して補って全体像をしっかりつかむという練習が必要だったんですね。

それに気づいてまたリスニング勉強法を見直してから、TOEICなどの教材英語だけでなく、ネイティブ同士の会話や映画・海外ドラマの英語もだんだんと聞き取れるようになっていきました。

では、「話の大まかな内容を聞き取る」ことができるようになるには、どんな勉強をしたらいいのでしょうか?



「話の大まかな内容を聞き取る」リスニング(多聴)のやり方


自分にとってちょっと難しめで、1回聞いただけではぼんやりとしか内容が分からないな〜という程度の素材を使います。

分からないところがそのままにならないよう、スクリプト、日本語訳が手に入る素材を使ってください。できれば、出てくる単語で難しいものの注釈があれば辞書で調べる手間が省けます。

私の場合、この練習を行うのに使った教材は、これです。(TOEIC800点前後以上の人にお勧め)

アルク・1000時間ヒアリングマラソンの感想



なお、同シリーズの別レベルの教材はこちらです。

アルク・ヒアリングマラソン中級コース(TOEIC600点程度以上の方にお勧め)
ヒアリングマラソン・ベーシック kikuzo!(TOEIC400点程度の方にお勧め)


また、少々聞き取れないところがあっても、「全体的にこういう意味だな」と分かるようなリスニングをするには、「ながら聞き」がぴったりです。家事をしながら英語を聞いていると、英語に100%集中できるわけではないので、ところどころ意識が飛んでしまいます。

そのような状態でも全体像が何となく理解できる、一語一句聞き取れなくてもいいんだ、という感覚を身につけることも大事ですね。

ながら聞きについては、こちらもよかったら読んでみてください。

時間がなくて忙しい人必見!絶対に誰でも英語の勉強時間が確保できる方法




また、主に上級者向けになりますが、難しい単語や聞き取りにくい部分がところどころあっても、全体像をしっかり理解するためにとても効果的な勉強法が、オーディオブックや海外ドラマを使った勉強法です。

参考:

英語力爆上げ+収入アップ!オーディオブックの5つのメリットと効果
海外ドラマで効果的に英会話力とリスニング力を伸ばす5ステップ学習法



英語が聞き取れるようにならない、効果のない練習法


では、ここからは、残念ながら英語がいつまでたっても聞き取れるようにならない、効果のないリスニングの勉強法をお伝えします。



1.「一語一句聞き取る」(精聴)だけに偏る


「一語一句聞き取れないと気が済まない」とばかりに同じものをひたすら聞き続け、細かいことを気にし続ける人は、「全体をざっくりとらえる」という訓練が全くできていません。このパターンにはまっている人、とても多いです。

この「精聴」ばかりやっていると、自分にとって少し難しかったり知らない単語が含まれる文章を聞く時に、聞き取れない部分があると「もうダメ!理解できない!」となってしまいますよね?

また、精聴というのは一語一句聞くために何度も音声を流しながら細かく聞き取っていくため、どんどん流れてくる新しい情報を一瞬で捉えて、理解できた部分から推測して処理していくというトレーニングが全く不足してしまいます。

TOEICのように、初めて聞く内容の英語がどんどん流れてきても、ストップも巻き戻しもできないですよね。

あなたが精聴に偏った勉強をしてきたなら、

「単語は聞こえるけど英語のスピードに全然ついていけない」
「意味ある言葉として頭の中に入ってこない」

ということになっているはずです。

だから、「精聴」ばかりやっていると、【聞き取れた部分の内容からうまく全体像を推測して大意を取る】が全くできなくなってしまうんです。



2.「全体をざっくり聞き取る」(多聴)だけに偏る


逆に、「毎日海外ドラマとニュースを見ています!」という人は、「全体をなんとなくざっくり」の訓練はできても(聞き取れているかどうかは別の話)一語一句しっかり聞き取るという勉強が全くおろそかになっています。

このパターンにはまっている人、さらに多いです。

毎日いろんな素材をたくさん聞き流して、聞いたら聞きっぱなし。細かい部分は分からないところもあるけど、だいたい意味が取れる。これで満足していたら、いつまでたっても「何となく分かる」から進歩できません。

「何となく、だいたい分かる」あなたもこの状態でモヤモヤしているなら、あなたは多聴に偏りすぎなのかもしれません。

ところで、「何となく、だいたいは分かるけど完全に分からない」という状態は、どうして起こるのでしょうか?

・ 語彙力、文法力不足
・ 知らない熟語や慣用句のせい
・ 発音を間違って覚えているので聞き取れない
・ リエゾンで音が変化しているので聞き取れない

こういう問題があるから、聞き取れていないのです。心当たりはありますか?

たとえば、発音を間違って覚えていた場合、全体を聞き流して「だいたい分かった」で済ませていた場合、発音の勘違いには気づかず終わってしまいます。

一方、一語一句聞き取ろうとしたり、シャドーイングやディクテーションに取り組んでいれば、発音を間違って覚えていたことには100%気づけます。

多聴の「だいたい、何となく」を補って、聞き取りの正確さを増してくれるのが精聴なんですね。



英語が聞き取れるようになるためのコツ


ここまでリスニングの勉強法をお伝えしてきましたが、最後に、英語が聞き取れるようになるコツをお教えします。



コツ1.全部聞き取れなくても大丈夫!とおおらかに構える


英語を聞いているとき、知らない単語が出てきたり聞き取れないところがあったりすると、「分からない!どうしよう!」とパニックになってしまいませんか?

そんな時、私は大学時代にフランス人教授が言ってたことをいつも思い出します。

「聞こえなかった部分は大事じゃない!」

私は、フランス語の授業だけでなく、TOEICのテストなどでも、聞こえなかった部分に大事な情報があるんじゃないかと思ってしまって、そこばかり気になってしまうことが多かったんですね。そして、次に流れてくる情報をごっそり聞き逃してしまっていました。

でも、そのフランス人の先生は、そうじゃない、聞こえたところから内容を理解すればいいんだよ、と教えてくれました。この言葉は、10年以上経った今もずっと私の支えになっています。



コツ2.今後はできるだけ何をするにも音声学習を取り入れる


私たちは、今まで読み書きを中心に勉強してきたと思います。単語を覚えるにしても、単語本を目で見て、手で書いて覚えた人が多かったのではないでしょうか?

仕事で英語が必要な人でも、ほとんどは英文メールの読み書きで、英語を話す、聞くという機会は少ない人が多いと思います。

だからこそ、今後は、英語の勉強をする時は、何でもできるだけ音声学習を取り入れるようにしてほしいんですね。

たとえば、単語を覚える時は、必ずCDつきの単語教材を買って、その単語や例文の音声を流しながら、それを聞きながら(出来る所はシャドーイングしながら)、耳で覚える。イディオムも、CDつきの教材を買って耳と口を使って覚える。

その積み重ねで、単語やイディオムを覚えている時間も、リスニングトレーニングの時間になるんです。また、目で見て覚えるだけより、耳と口も使った方が感覚への刺激が増えるので、記憶への定着も高まりますよ。



まとめ


というわけで、精聴と多聴のお互いがお互いの弱点を強化し、足りないところを補完してくれているから、どっちもバランスよくやらないと高いリスニング力は身につかないと分かっていただけたと思います。

一語一句すみずみまでしっかり聞き取る「精聴」
 →聞き取りの正確さを鍛える

話の全体像をざっくりとらえる「多聴」
 →情報を瞬時にたくさん処理して全体像を推測する力を鍛える


どちらもきちんと取り組めば、英語が必ずぐんぐん聞き取れるようになりますので、できるだけ毎日英語を聞く時間を取って、頑張ってみてください!



英語を日本語に翻訳しないで英語のまま理解できるようになる方法

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英語を英語のままで理解するには、どうしたらいいのか?
どういう勉強をすれば、それができるようになるのか?

ついつい日本語に訳してしまって英語のスピードに
ついていけなくなるのは、どうしたらいいのか?

こう悩んでいる英語学習者は、とても多いです。

あなたは、どうですか?
つい日本語が思い浮かんでしまって、「いかんいかん!」と
日本語を一生懸命頭から取り去ろうとしているでしょうか?


最近私は英語を英語のままで理解するにはどうすればいいのか悩んでいます。

リスニングをしているとどうしても頭の中で日本語が浮かんできてしまい、
次の瞬間には音声を聞き逃しているということがよくあります。

英語を英語のままで理解するために何か良い方法がありましたら、
ご教授していただきたく思っております。よろしくお願いします。


今日は、この疑問にお答えします。



英語を英語のまま理解できるメカニズム


まず、大前提として「英語を理解する」とはどういうことかというと、
当たり前ですが、その意味が分かるということですよね。

意味が分かる、理解する、というのは
頭の中に「その概念(イメージ)が浮かんでいること」を指します。

英語でも日本語でもなく、そのイメージが頭に描けているということです。

その大前提をふまえて、
「英語を英語のままで理解する」とはどういうことか、ご説明しますね。


たとえば、

She is a good tennis player.

という英語が聞こえてきたとき、または文字で読んだとき、
私たちはどのようにこの英語を脳内で処理するでしょうか?


私たちが英語初心者だった中学1年生の頃は、
下の図のように理解していたと思います。




でも、だんだん英語に慣れてきて、
もっと高度な英語が理解できるようになると、
下の図のように頭の中で処理できるようになったと思います。



後者が、「英語を英語のままで理解する」ということですね。


もしも、
「いえ、私はそのレベルの英語でもまだ日本語にしてしまいます」
という方がいたら、
たとえば “I love you.” という英語だったらどうでしょう?

仮に、あなたが字幕なしで映画を見ていたとして、
男女の登場人物が出てきて、その一人が
“I love you.”という言葉を発したとき

えっと〜、I love youは「私はあなたを愛してる」だから・・・

と、日本語にしないと分からないでしょうか?
それとも、英語のままでその状況を理解できますか?



はい。
お分かりでしょうか?

「英語を英語のままで理解する」というのは、
悩んでメールをくださった方だって、
きっと全くできないわけじゃないんですね。

「できる時とできない時がある」のです。



英語を英語のままで理解できるのは、どんなとき?


では、私たちはどういう時に
英語が英語のままで理解できるのでしょうか?

それは、上記で例に挙げたような、
「自分のレベルよりはるかに簡単な英語のとき」です。

・使われている単語や文章構造が今の自分のレベルにとって簡単である。
・内容が自分にとって身近である。

こういう時です。

She is a good tennis player.
I love you.

といった英語は、単語や文法、話のテーマも私たちにとって
なじみがあるものばかりですよね。

だから、英語のままで理解できるのです。



英語を英語のままで理解できないのは、どんなとき?


では逆に、
英語が英語のままで理解できないのはどんな時でしょうか?

それは、

・使われている単語や文章構造が今の自分のレベルにとって難しい。
・内容が自分にとって身近ではない。

こういう時です。


たとえば、以下の英文。

When a composite variable is used as a primary variable, the components of this variable may sometimes be analysed separately, where clinically meaningful and validated.

訳:合成変数が主要変数として用いられる場合、合成変数の成分に臨床的意義がありかつ妥当性が示されているならば、その成分を個別に解析することがある。(英辞郎より引用)



私は、この英文を読んで、英語のままで理解することはできません。

variableって、こういう理系の文章で出てくるときは
「変数」って意味だったっけかな〜・・・

てか、この文章、何の話?
analysedってあるから、なんかの解析の話か・・・

whereの後ろ、なんか文法的に変・・・
ああ、そうか、「○○な場合は」みたいな意味で、
S+Vが省略されてるのかな・・・

・・・と、「変数」「解析」「場合」といった日本語が頭の中でぐるぐるします。


これは、医薬系の英文ですが、
私が英語のままでこの文章を理解できない理由は、
私がこの分野の単語や文章構造、内容になじみがないからです。

この文章が英語のままでスラスラ理解できて状況が頭の中にイメージできるのは、
医薬分野に長く英語を使って携わっていて、数学や解析の知識がある人だけです。

多分、私の前職の通訳歴20年以上の先輩でも
この文章を英語のままですんなり理解はできないです。
こういう分野の英語は、職場では扱わなかったからです。

一般的には英語が堪能と思われている通訳者ですら、
すべての英語がいつも英語のままで理解できるわけではないのです。

日本人なんだから、日本語が頭に浮かぶのは当たり前なんです。


日本の多くの英語学習者は、
「英語を聞いたり読んだりしたときに日本語に頭の中で直してしまうこと」を
必要以上にタブー視してしまっています。

でも、英語を聞いていて日本語が浮かぶことはタブーでも何でもありません。
日本語が母国語の私たちが、完全に日本語を脳内から締め出すのは不可能です。

別に日本語が頭に浮かんでも「まあ、そういう時もあるさ」と気にせず
英語のまま理解できることが増えてきていたら
それでよしとして喜べばOKです。



英語を英語のまま理解できるようになる方法


というわけで、英語で話す時や聞く時、日本語を介するのは
日本人である以上、避けられないことです。

とは言え、何でもかんでも日本語に訳さないと理解できないようでは
時間がかかるし、どんどん流れてくる英語を聴き逃してしまいますよね。

では、どうしたらいいのか?


「日本語⇔英語」と考えてしまって英語のスピードについていけない・・・
そんな悩みは、どうすれば解決するのか?
どうやって勉強したらいいのか?


それは、

「日本語に直すまでもなく簡単に理解できる英語」
をたくさんインプットすることです。



「そもそも難しいものをやるから、日本語に直さないと理解できない」
ことに気づいてください。

自分にとって簡単で、日本語にすべて頭の中で直さなくても
理解できる英語をたくさんインプットすることによって、
「英語のままで理解する」という感覚が身につきます。


逆に、分からない英語をひたすら聞き続けても、
残念ながら「英語のままで理解できるようになる」ことはありません。

だから、「CNNニュースを意味が分からないまま流しっぱなしにしておく」
とかいうやり方は、はっきり言って全く効果がないので
あなたがそういうリスニングの勉強をしているなら、今すぐやめてください。

一般の英語学習者は、
自分のレベルに対して難しい素材ばかりを使いすぎです。

日本語にしなくても理解できるレベルの英語にたくさん触れて
英語を英語のままで理解できる「英語脳」を強化しつつ、
より難しいレベルの英語も英語のままで理解できるように
チャレンジングな教材にも触れていってください。



英語を英語のまま理解できるようになる効率のいい勉強法


英語を日本語に翻訳せず英語のままで理解できるようになるために
使う教材としては、学習者それぞれのレベルにもよりますが、
とにかく、自分のレベルよりはるかに簡単な英語です。

たとえば、NHKラジオの基礎英語などは、中学生レベルなので
英語のままですっと理解できる文はたくさんあるはずです。

私も、英語のやり直し開始からTOEIC700点レベルの頃まで
めちゃくちゃお世話になりました。

TOEIC700点といえば、通常なら余裕で大学受験も突破できるレベルです。

その頃に、ラジオで
中学生レベルの「基礎英語」をたくさん聞いていたわけです。

自分とってやさしい英語をたくさん耳に入れることで、
自然と英語のままで理解する癖がつきます。

そして、その「自分にとってやさしい英語」のレベルを上げていけば良いのです。


なお、自分のレベルよりはるかに簡単な英語のインプットを
机でやるのはもったいないので、
(机ではもっとチャレンジングなものに取り組むべきです)
時間をうまく使って、学習効果を高めましょう。



簡単な英語の効率良いインプット法その1:ながら聞き


自分にとって簡単な英語を「ながら聞き」しながら
お皿洗いなどの家事をすると、その時間が英語時間になる上に
注意が多少散漫になっても、簡単なので十分ついていけます。

ながら聞きについては、以下の記事も参考にしてください。

時間がなくて忙しい人必見!絶対に誰でも英語の勉強時間が確保できる方法



簡単な英語の効率良いインプット法その2:ながらシャドーイング


私がお勧めするのは、簡単な英語でシャドーイングしながら
家事や運転などをすることです。

聞くだけなら、日本語を介さず楽勝で理解できる英語でも、
何も見ないでシャドーイングしようと思うと
最初は案外思うように口が回らないと思います。

シャドーイングをすることで、
日本語に直すまでもなく理解できる英語のインプットが可能になり、
しかも発音やイントネーションも上達します。

英語を英語のまま理解できる英語脳の強化だけでなく
発音も良くなるなんて、すごくお得ですよね。

シャドーイングについては、こちらもどうぞ。

TOEICリスニングセクションが2年で満点に!シャドーイングのやり方



英語を日本語に翻訳しないで英語のまま理解できるようになる方法まとめ


現在のあなたが「難しいな」と思う英語の素材を聞いても、
現在のあなたの英語力では、英語のままで理解するのは困難です。

そして、今は「頭の中で訳さないと理解できないな」と思っている素材は、
その上のレベルにあなたの英語力が達したとき、
英語のままで理解できるようになります。

だから、英語を英語のまま理解する力を身につけるには、

自分の実力より簡単だと思える英語を日常的に読んだり聞いたりしながら、
段階的に英語脳をつくっていく

というのが解決策です。


簡単ならわざわざ日本語に直さなくても理解できます。
簡単なもので「英語の語順で英語のまま理解する」癖をつけるんです。

「簡単で、自分になじみがあるテーマ」で訓練すること。
(自分が知識のない分野の英語を使わないこと)
それも、たくさんやること。

基礎を、飽きるほど、条件反射でできるくらいまでやること。
これ、大事ですよ。

「自分にとって簡単な英語にたくさん触れてもいいんだ~」
そう思えたら、気が楽になりませんか?

以上、英語を英語のままで理解できるようになる方法をお伝えしました。
お役に立ったら幸いです。



日本語オーディオブックで英語勉強法を学び、ビジネス力とやる気を高める

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最初は「英語学習」が目的で聞き始めたオーディオブックですが、
日本語のオーディオブックがだんだん増えてきたここ数年、
私は日本語のオーディオブックもたくさん聞くようになりました。

それは、英語学習のモチベーションを高め、
ビジネス力を高め、人間としての成長するためです。



私がオーディオブックを聴くようになったきっかけ


私が最初にオーディオブックを聞いてみようと思ったきっかけは、
神田昌典さんの『非常識な成功法則』に書いてあったこんな一節でした。

「お前が独立してうまくやってきた、最大の秘密を吐け。さもなければ命はない」
 そう、脅されたとすれば、何を挙げるだろうか?
 私は、躊躇せず、「はい、テープを聴く習慣です」と答える。
(中略)
 テープを聴く習慣のない人は、大変なハンデを背負っているとしか思えない。
 テープを聴くことの効果は、単に「知識が増える」ってことだけではない。さらに時間が増え、発想力、そして行動力も高まるという大きな効果がある。

『非常識な成功法則』

非常識な成功法則【新装版】
神田昌典
フォレスト出版
売り上げランキング: 2,791


神田昌典さんは、当時は、日本語のビジネステープなどはほぼなかったので
アメリカから英語のテープを取り寄せて、たくさん聞いていたそうです。
(※「テープ」というのは、ビジネスの書籍や講演の音声のこと)

それを知って、
「何それ!英語が分かると、そういうこともできるのか!私も挑戦したい!」
と思いましたが、テープをどうやってアメリカから取り寄せたらいいのか、
分かりませんでした。

すると、ちょうど同時期に読んだ勝間和代さんの書籍で
Audible.comというオーディオブックの販売サイトがあることを知りました。
英語のオーディオブックのおすすめサイト比較:Audible, amazon, iTunes参照)

勝間さんも、このサイトで英語のオーディオブックを買って聞いて、
ご自身のビジネスに活かしているとのこと。


この時、2007年です。
私が外資系企業で秘書・翻訳者をしていて、通訳に転職するかしないかの頃。
正直当時は「英語のオーディオブックなんて無理!」と思っていました。

でも、「勝間さんのように英語を専門としない人も利用しているのなら・・・」
と思い、試してみると、案外理解できることに気づきました。

そして、その後はめちゃくちゃオーディオブックにハマってしまい
次々と新しい本を買っては聞いていきました。

その結果、神田昌典さんが言うように、
時間が増え、発想力や行動力が高まったと私自身も実感しています。


英語のオーディオブックが、英語力アップだけでない
大きなメリットを私にもたらしてくれたことについては、この記事に詳しいです。

英語力爆上げ+収入アップ!オーディオブックの5つのメリットと効果



英語力に不安のある人は、ぜひ日本語のオーディオブックを


英語でオーディオブックが理解できる実力のある人は、
英語の勉強にもなるし、内容も学びになるし、と一石二鳥です。

ただ、英語のオーディオブックを聞いてそのまま理解して
自分の知識や発想力、行動力に変えることができるのは、
最低でもTOEIC900点レベル以上の人なのが現状。
(そのレベルでも難しい人も多いです)

でも、リスニング力がまだそのレベルに到達していない人が
オーディオブックの恩恵を得られず、諦めるのはあまりにももったいです。
日本語のオーディオブックをぜひ利用してください。



日本語のオーディオブックで、英語学習へのモチベーションが上がる


英語を勉強したいのに、日本語のオーディオブック?
これが、侮れないのです。

日本語のオーディオブックには、
「英語の学び方」について書かれている本も少なくありません。
ビジネス界で活躍する人たちの英語学習法は、とても参考になります。


たとえば、このオーディオブック。
私にAudibleを教えてくれた本です。



勝間さんは、
TOEICを420点から3年間で900点にアップさせた経歴の持ち主。

しかも、学生結婚をして、3人の子供の育児のかたわら
フルタイムで仕事をしながら、です。

タダモノではありませんね。

オーディオブックで時間を有効に使いながら
仕事で成果を出してきたのだろうということは容易に想像がつきます。


ビジネスで使える英語を身につける方法について書いてあるほか、
本の中でこんなことも述べています。

・英語ができると、収入増につながる確率が飛躍的に高まる
・英語を職場で使う女性は、使わない人に比べ40%も年収が高い(男性は18%)
・英語ができた瞬間、海外が全部ビジネスの対象になる


英語修行中の人には、とてもモチベーションがわく内容ではないでしょうか?


この本には英語学習以外にも、会計、パソコン、資産運用など、
様々な分野の勉強法とそのポイントが分かりやすく述べられています。

私は、「お金の知識をもっとつけたいな」とこの本を聞いて思い、
その後は英語のオーディオブック、日本語のオーディオブックを通じて
たくさん資産形成のことを学びました。

私にとっては、英語学習へのモチベーションを
さらに駆り立ててくれる本で、
私のその後の英語学習にものすごいインパクトを残しました。



日本語オーディオブックは、倍速でたくさん聞ける


目で読書をするには、
「目」と「手」と「耳」が同時に空いていなければいけません。

改めて考えてみると、「読書」って本当に制約が多い活動ですよね。
「読書したいけど時間がなくて・・・」と言う人が多いのも、うなずけます。

その点オーディオブックでは、
「耳」さえ空いていれば、手と目がふさがっていてもOK。

耳が暇な時間は多いので、結果的に読書量が飛躍的に増えます。
「目と手は忙しくても耳は暇」という時間は、探せば誰でもあります。

(参考)
英語の勉強する時間がない人必見!絶対に誰でも勉強時間が確保できる方法


例えば、先ほどご紹介した勝間和代さんの
『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』は、
分量としては一般的なビジネス書程度の長さですが、
収録時間は約4時間18分となっています。

仮に、耳が空いていてオーディオブックを聞ける時間が
通勤時間、家事の時間などを合わせて1日に2時間あるとすると、
この本はたった2日で聞けます。

でも、普通に読書をして、
どれだけの人がビジネス書を2日で読破できるでしょうか?
通勤の電車の中や寝る前などに毎日チョコチョコと読み進めて、
頑張っても1週間くらいという人が多いのではないでしょうか。

ということは、耳が無為に空いている時間を利用することによって、
本来なら7日かかるものが2日で処理できるのです。



そして、忘れてはならない重要な点ですが、
日本語のオーディオブックは、私たち日本語ネイティブは
倍速で聞いても全く問題なく理解できるということです。

私は、日本語のオーディオブックはいつも2倍速から3倍速で聞きます。


仮に、先ほどの4時間18分の本を2倍速で聞いたとすると、
たった2時間で1冊聞き終わることができます。

普通に読んだら早くても読破に1週間はかかる本が
たった2時間で読めるのです。


しかも、普段の通勤や家事というルーチンは
それまでと変わらずやりながら、です。
これが、「オーディオブックで時間が増える」からくりです。

日本語のオーディオブックを利用しない手は
ないと思いませんか?



日本語のオーディオブックが手に入るサービス


私は、英語だけでなく日本語のオーディオブックの
ヘビーユーザーでもあるのですが、
私が激しく利用している日本語オーディオブックのサービスをご紹介します。

おそらく、日本で最も有名で書籍のラインナップが多く、
使いやすいのがこの2つのサービスです。



FeBe(フィービー) ←最もおすすめ



日本語オーディオブックの最大手のサイトです。

私が2008年くらいに入会したときはほんとに数が少なかったのですが、
どんどん書籍数が増えてサイトが充実してきています。

購入した書籍は、iPhoneやAndroidのFebeアプリ(無料)で
ダウンロードして簡単に聞けます。

オーディオブック - FeBe
オーディオブック – FeBe
開発元:OTOBANK Inc.
無料
posted with アプリーチ


FeBeのメリット:

・品揃えが豊富
・「バイブル」と呼ばれるような有名な書籍が多い
・有料会員にならなくても、単発で欲しい本だけを買いやすい
・一度購入した書籍のデータはずっと手元に残しておける
・定期的に800円セール、半額セールなどをやっている

FeBeのデメリット:

・データなのに、1冊の値段は紙の書籍とほぼ同じ
(チケット、まとめ買いやセールの利用で多少は安くなる)


私は、このFeBeを最も利用しています。
2017年現在、毎月ここで20冊くらい本を買って聞いています。

他のオーディオブックサイトでは販売していない
有名な著者のベストセラーが手に入りやすいので、
私の場合は、多少値段が高くてもここを使う頻度が最も高いです。


日本最大のオーディオブックサイトFebe



Audible.co.jp



Audibleには日本版(co.jp)もあり、amazon系列のサービスです。
Audible.co.jpは、1冊ごとに買うのではなく
会員は月額1,500円で何冊でもダウンロードし放題なのが
最大の特徴です。

ちなみに、私自身はこのaudible.co.jpも
サービスが始まった当初からずっと会員になっています。


Audibleも無料のアプリでスマホにコンテンツを
直接ダウンロードでき、便利です。

Audible (オーディブル) - 本を聴こう
Audible (オーディブル) – 本を聴こう
開発元:Audible, Inc.
無料
posted with アプリーチ


Audible.co.jpのメリット:

・1,500円で聴き放題なので、安くたくさんオーディオブックが手に入る
・English Journal等、英語コンテンツもある(スクリプトはないので、使用には注意)
・コンテンツ量は豊富
・たまに、Febeで通常価格の本がここで見つかる

Audible.co.jpのデメリット:

・ベストセラーなど有名で良質な本はあまりない
・質の低い、オーディオブックとは言えないコンテンツも多い
・月額会員を解約すると、コンテンツをキープすることはできない


amazonプライム会員の方は無料で3ヶ月お試しができ、
それ以外の方は1ヶ月間無料お試しが可能です。


Audible.co.jp1ヶ月無料体験

1ヶ月経過すると自動的に1,500円が課金されますが、
その前にキャンセルするとお金はかかりません。


私のお勧め日本語オーディオブック


今まで数々の日本語オーディオブックを聞いてきたのですが、
私が特に聞いて良かったな〜と思った書籍を挙げておきます。

そのうち、書評つきでご紹介できたらと思っていますが
時間の関係で、いまの所は本を列挙のみとさせてください。
いずれもFeBeからです。


書影
[オーディオブック版]
エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
著者:グレッグ マキューン/著、 高橋璃子/翻訳
再生時間:6時間44分
書影
[オーディオブック版]
仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則 完全版
著者:マーク・フォースター/著、青木高夫/翻訳
再生時間:5時間18分
書影
[オーディオブック版]
やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~
著者:ハイディ・グラント・ハルバーソン/著、 児島修/訳
再生時間:7時間6分
書影
[オーディオブック版]
フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ”暮らしの質”を高める秘訣~
著者:ジェニファー・L・スコット/著、神崎朗子/訳
再生時間:5時間34分
書影
[オーディオブック版]
お金の真理
著者:斎藤一人
再生時間:2時間48分


以上、日本語のオーディオブックについてご紹介しましたが
いかがだったでしょうか?

ぜひ、ながら聞きの時間で日本語オーディオブックも活用して
ビジネスのスキルアップや英語のモチベーションアップに役立てて
あなたの英語力の価値をさらに高めてくださいね。


英語のオーディオブックについては、こちらをどうぞ。

英語のオーディオブックのおすすめサイト比較:Audible, amazon, iTunes




オンライン英会話の効果が短期間で出る人が必ずやっている、たった3つのこと

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「オンライン英会話レッスンって、どのくらい続ければ英語が話せるようになるんだろう?
 海外出張を控えているから、すぐにでも英会話が上達する必要があるんだけど・・・」

「スカイプ英会話って、毎日でもできるらしいから、通学レッスンよりは早く効果が出そう!
 でも、実際どのくらい時間がかかるんだろう?」


忙しいサラリーマンや子持ち主婦の方でも、手軽に自宅で受講できるオンライン(スカイプ)英会話。

やってみたいけど、成果が出るまでにどれくらいの期間が必要なのか、早く成果を出したい場合はどうしたらいいのか、知りたい人は多いのではないでしょうか?

このページでは、オンライン英会話の効果が出るのにかかる時間と、短期間で成果を出すために必ずやるべきことをお伝えします。



オンライン英会話の効果が出るのに必要な期間


オンライン英会話でレッスンを続けて、実際に「英語で言いたいことが前より話せるようになったな」と思えるまでにかかる期間は、どのくらいなのでしょうか?

目安は、早い人で半年、普通だと1年程度です。

もちろん、それぞれの人のレベルや普段の勉強量でも変わりますが、しっかりレッスンを活用して効果的に学習をしている人の場合、3ヶ月でかなりの変化を感じられるようになる人もいます。

逆に、「1年以上続けているけれど、言いたいことが自由に話せるには程遠い」という人もかなり多いというのも現状です。実際、私もそういうメールを多くいただきます。



オンライン英会話で短時間で成果が出る人がやっている3つのこと


では、オンライン英会話レッスンで効果を出すには、どうしたらいいのでしょうか?短期間で成果を出している人が必ずやっている3つのことをお伝えします。



1.とにかく積極的に会話に参加し、英語での会話を楽しむ


英会話レッスンと言えば、何の準備も心構えもなくとりあえずパソコンの前に座って

さあ先生!私に英語を教えなさい!!

というスタンスで授業を受ける人がほとんどです(笑)。でも、それでは、残念ながら英会話レッスンの成果はなかなか出ません。


先生に「教えてもらう」という受身の態度ではなく、「この時間を最大限に有効活用するぞ!」という意気込みで積極的に参加することが、短期間で成果を出すのに一番大切なことです。

あなたがこれまで英会話レッスンを受けたことがある場合、何となく疲れていたり面倒だったりするせいで、いつも受身で、先生に任せっきりにしていませんか?

先生:「この週末は何した?」

あなた:「特に何も・・・」

先生:「今度の休みは何か予定ある?」

あなた:「いつもと同じです」

とかいう返事は、言うまでもなくダメダメです。

もちろん、あなただって、決してやる気がないわけではないはず。でも、いろいろ込み入った内容を伝える英語力がないから「ほんとは週末はこういう予定あるけど、英語でどういったらいいか分からない。予定がないことにしとこう・・・(涙)」となってしまうのかもしれません。

でも、自分の予定がどうしても英語で言えないんだったら、少しくらい嘘をついてもいいから、英語で言えることをいいましょう。あなたが少しでも多く英語を話すことを最優先に考えるべきです。

ええ、別に嘘ついたっていいじゃないですか。先生をだまそうという悪意があったり、明らかにおかしい嘘じゃなければ。英会話レッスンの目的は、あなたが話せるようになることです。

週末の予定を聞かれたということは、次回のレッスンでも同じことを聞かれるかもしれないわけですから、次回からは「先生にまた予定を聞かれるかもしれないから、その時はこうやって英語で伝えよう!」と準備して臨みましょう。

私自身もそうですが、普段から口下手で内向的だと自覚している人ほど、オンライン英会話レッスンの時は別人になったつもりで、積極的でアウトゴーイングな自分を演じてください。それが英会話上達の近道です。



2.レッスンの時間を最大限に活用するために、レッスン内容を提案する



次に大事なことは、レッスンの内容を先生にお任せするのではなく、自分の仕事や興味のある分野に関連したトピックや、スピーチ、プレゼンなどをこちらから提案することです。


オンライン英会話では、内容を先生に内容をお任せにしていると、たとえば中級レベルの人だと、英文記事を読んでそれについてディスカッションをするといったレッスンになりがちです。

英文記事を音読させられて、分からない単語があったらその説明を受け、記事の内容に基づいてディスカッション・・・というやり方は、学習者にとっては「知らない単語も習ったし、先生に発音も直してもらったし」と「勉強した気にはなる」ので、満足してしまうのです。

でも、自分が特に興味もなく仕事にも関係ない内容の記事だと、そこで覚えた単語も記事の内容も、すぐに忘れてしまいます。

自分が知識や興味のない分野の話をディスカッションしても、そもそも自分の意見がたいして出てきません。それに、レッスン内容があなたの現実と合ってないわけですから、実際の英会話の場面で活かせる可能性も低くなります。

だから、自分の趣味や仕事などに関係ある、あなたの現実に合ったトピックを自分で選んで先生に提案してみましょう。

・車関係のお仕事をしているので、それに関連した時事ネタを要約して自分の言葉で説明してみる。

・お花が趣味なので、「生け花」の作法や特徴、魅力についてプレゼンしてみる。

・英語が必要な仕事への転職を目指しているので、自分の職務経験や目標、強みをプレゼンしてみる。

たとえばこんな感じです。その時は、前もって先生にその内容について質問してくれるように言っておきましょう。


もちろん、いきなりは話せないと思うので、最初は原稿を書いて用意しても構いませんが、先生に話すときはそれを読み上げてはいけません。できるだけ、何も見ないで自分の言葉で説明できるように練習しておいてください。

たとえば、英語が話せるようになったら、日本文化を外国人に紹介したりできたらいいな・・・とあなたが思っているなら、以下のような日本文化について解説した日本語と英語の対訳本などを参考にして、英文を自分で作ってみましょう。

そして、それを先生の前で言えるように何回も練習して、レッスンで先生に話してみるといいですよね。

カラー改訂版 CD付 日本のことを1分間英語で話してみる
広瀬 直子
KADOKAWA/中経出版
売り上げランキング: 3,260


ほんの短いプレゼンでいいのです。起承転結も必要ないし、完璧な英語である必要はありません。

とは言え、さすがに毎回のレッスンの前に違うスピーチを準備するのは大変ですよね。だから、「先生が毎回変わる」というオンライン英会話レッスンの特徴を活かしましょう。

先生に対して自分の興味があるトピックについて話をして、先生と質疑応答をしたり自分の発音や表現を直してもらったりしたら、忘れないうちに先生に教えてもらったフレーズをノートに書き留めておきましょう。

そして、そのフィードバックを元に内容を改良して、次の先生にまた同じトピックでプレゼンをしてみてください。「次はこの話題も入れてみよう」とプレゼンの内容を膨らませたりと復習もしておきましょう。

一人の先生に対しては普通は1回やれば終わりですが、先生が複数いるなら、先生の人数分の回数練習が可能なわけです。


これを何回もやっていれば、先生ごとにいろんな視点のフィードバックもあり、自分がだんだんと話し慣れてくるのもあり、その特定のトピックについては、かなり話せるようになります。

しかもその練習を繰り返すことで身につけた単語や表現は、あなたの現実に即した、あなた自身の仕事や趣味に役立つ英語です。このように、自分が実際に話したい内容を練習・実践するのが、私は最も効果的な英会話レッスンの使い方だと思います。



3.英会話レッスン時間以外の時間で英語の練習をする



多くの英語学習者が勘違いすることですが、英会話レッスンをやっていると、それだけで「自分はそのうち英語が話せるようになるんだ」と何となく安心してしまう人がいます。

そして、1年経っても、あまり英語が話せるようになっていない現実に気づいた時、「あの英会話スクールがダメだったんだ!」「あの先生のレッスンが下手だからだ!」と責任を自分の外に探してしまいます。

でも、英会話レッスンで成果が出ない最大の理由は、スクールや先生の質ではなく、「そもそも練習時間が足りない」ということなんです。


仮に、スカイプ英会話レッスンを週2回受講したとしましょう。忙しいサラリーマンが週に2回英会話レッスンを受けていると言うと、「お、結構頑張っているな」というイメージですよね。

では、この数字が実際にどれくらいの意味を持つのか、考えてみましょう。

アメリカの外務職員局(外交官などを養成する機関)によると、英語ネイティブの外交官が日本語を習得するのに、2200時間のレッスンが必要だそうです。

英語ネイティブが日本語を習得するのにかかる時間と、私たち日本語ネイティブが英語を習得するのにかかる時間は、多少は英語の外来語が多い私たちが有利かもしれませんが、そう変わらないと考えられます。

とは言え、相手は、外国語は得意中の得意のエリートである外交官です。日本語の前にすでに別の外国語も複数習得しているような人たちですから、少々の有利さはすぐに弾き飛ばされてしまうでしょう。

外交官が日本語で仕事ができるようになるのに必要なレッスン時間が2200時間ですから、普通の学習者はそこまで必要じゃないとしても、自分の英会話が以前より上達したと進歩を感じられるには、最低でも500時間程度は必要です。

「前より言いたいことが話せるようになってきたなあ」と確実な進歩を感じたい場合は、1000時間くらいは必要と考えておいた方ががいいでしょう。

では、私たち日本語ネイティブが英会話レッスンを週2回やったとして、どれほどの時間になるのでしょう?

オンライン英会話レッスンは、1回あたり約30分ですから、1ヶ月で4時間ですね。
で、1年間で、4時間 x 12ヶ月 = 48時間。

なんと、500時間をオンライン英会話レッスンだけで積み重ねようと思うと、10年以上かかってしまう計算になります。(涙)

「英会話レッスンを1年間やっているけど、たいして進歩した感覚がない」という人が多いのも、これを知れば当然だとうなずけますよね。


短期間でオンライン英会話レッスンの成果を出すにはどうしたらいいかというと、レッスン以外の時間でしっかりトレーニングを積み重ねることです。「レッスン外の時間であなたの英会話の伸び具合は決まる」と言っても過言ではありません。


<基本単語と文法>

まず、基本的な単語や文法にまだ不安がある場合は、そこを早く固めましょう。

単語と文法は英会話の土台に当たるものなので、土台がしっかりしていないのに英会話だけを学ぼうとしても、ただフレーズを暗記して、外国人慣れするだけで終わってしまいます。

<リスニング>

ある程度単語と文法は大丈夫という場合は、レッスン時間以外のときにリスニング力を高めて、先生の質問を何度も聞き返さなくても聞き取れるようにする必要がありますよね。

リスニングの勉強法には、通勤時間中などに英語を聞く以外に、シャドーイング、ディクテーションなどの方法もあります。

(参考)
正解リスニング学習法-初級者・中級者はこうリスニング力を伸ばせ!
TOEICリスニングセクションが2年で満点に!シャドーイングのやり方
ディクテーションで英語力に革命が起きる!効果と正しいやり方を徹底解説


<発音>

自分の英語がきちんと通じてスムーズに会話が進むためには、発音の練習も欠かせません。普段から音読やシャドーイングなど、英語を声に出すトレーニングをしておくことが必要です。

週2回のレッスン中しか英語を声に出さないのでは、ちょっと(いや、だいぶ)足りません!

<瞬間英作文>

自分の言いたいことをスラッと口に出せるようにトレーニングすることなくして、英語は話せるようになりません。

「レッスン中には何て言ったらいいのか分からなかったけど、こう言ったらいいかな?」
「次のレッスンではこれを先生に話してみたいけど、英語でどう言ったらいいんだろう?」

ということをとにかくたくさん頭に思い浮かべて、それを一瞬で英語にしてブツブツ言ってみる、ということを繰り返しやってください。英会話ができるようになった人は、ただ一人の例外もなく、そうやってたくさん妄想で英会話の練習をした人たちです。

英語をその場で自分で組み立ててスラスラ話せるようになるトレーニングとして、私がお勧めしているのが「瞬間英作文」です。詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

独学で英語がペラペラになれる勉強法!瞬間英作文のやり方と効果


これらのことを全部いっぺんにやろうとすると大変なので、一つずつで大丈夫です。単語と文法に不安がある人は、何を置いてもまずそこから。

また、英会話レッスンは、私は野球に例えて「練習試合」と位置づけています。練習試合も、勝てるようになるためには大切なプロセスには違いありませんが、毎週練習試合ばっかりやっていてもダメですよね。基礎練習も必要です。

それについて、以下の記事で詳しく書いているので、よかったらこちらも参考にしてください。

あなたは大丈夫?頑張ってるのに英会話が上達しない5つの理由



まとめ


オンライン英会話の効果が短期間で出る人が必ずやっている2つのことは、以下でした。

1.とにかく積極的に会話に参加し、英語での会話を楽しむ
2.レッスンの時間を最大限に活用するために、レッスン内容を提案する
3.英会話レッスン時間以外の時間で英語の練習をする


「スカイプレッスンで先生にお任せにしていたら、英語がペラペラになる」というのは、残念ながらかなり非現実的です。でも、上手にオンライン英会話レッスンを活用することによって、あなたの英会話力はぐんと伸びます。オンラインレッスンを自習と合わせてしっかり活用してくださいね。

おすすめオンラインスカイプ英会話レッスンサービス一覧


私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでにやった10のこと

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私は、英語に本腰を入れるようになった25歳のときにTOEICが780点で、27歳で980点になり、31歳のときに通訳者として採用されたのですが、今日は、私が通訳になるまでにやった勉強法をまとめます。

なお、今回のタイトルは「たった6年間で」という意図はありません。だって、6年間って長いですよね。

私は、この25歳から31歳までの6年の間に5回も引っ越し、3回転職し、結婚(これは幸い1回だけ笑)し、人生の転換期を過ごしていました。

物件探しと荷造り・荷解き、転職活動、国際結婚の手続き(これがものすごーく面倒)、披露宴の準備、と、なんだか常にバタバタしていた感じです。

英語に毎日集中して勉強できていたわけではありません。というか、今思い返せば、よくそんな時間あったなという感じもします。

なので、もっと安定した生活環境でじっくり取り組めれば、もっともっと時間は短縮できただろうと思います。やろうと思えば、同じことを3年でできる人もいると思います。


なお、私の場合は通訳トレーニングの経験がないまま運良く(いや、運悪くか・・・)採用されたという、どちらかと言うと一般的ではない経緯があります。

なので、「これをやって通訳の職に就けた」ではなく「通訳になるポテンシャルがあると判断されるレベルになった」という意味で、ご参考にしていただければと思います。



私がTOEIC780点から通訳者になるまでにやった10のこと


私がどんな勉強をしていたら、通訳としてのキャリアを何とかスタートさせられる程度の英語力になったか、以下に10個ご紹介しますね。



1.NHKラジオ英語講座


私は英語のやり直しを始めてから、ほとんどの大人は見向きもしない「基礎英語」(中学生レベル)からやり直しました。基礎英語1~3、英会話入門、ビジネス英語など、全レベルのNHKラジオ英語講座を聞きました。

その際、リスニング用、シャドーイング用、文法復習用など、目的別にそれぞれの講座のレベルに応じて複数の講座を並行して聞いていました。

で、今思えばこれが良かったのではないかと思うのですが、1回聞いたら聞きっぱなしでどんどん新しいエピソードに進むのではなく、同じものを覚えるほど繰り返し聞きました。

1日あたりの放送時間は1番組15分ですが、NHKラジオ講座にかけた一日あたりの時間は、ながら聞きやシャドーイングを含めると2時間以上でした。

つまり、同じ回を何度も聞き、前週や前月のものも繰り返し聞いたということです。


なお当時は、今ほどいろんな英語教材が手頃に手に入らなかったので私はNHKラジオを活用する方法を取りましたが、今なら全く同じやり方はしないと思います。

当時は、MDコンポで実際のラジオ放送を毎日録音して、それをポータブルMDプレーヤーで再生していました。ですが、録音に手間がかかる、ラジオの電波状況が悪くて雑音がすごい時がたびたびある、毎回番組テーマソングが流れる時間がもったいない等、今から考えればいろんな無駄や非効率があります。

もし今から英語の勉強をNHKラジオ講座を使ってやり直すとしたら、ネットで無料でダウンロードする方法を探す(そういうサービスが出ては消えるので)、もしくはどうしても無理ならダウンロード版を購入すると思います。

2017年10月現在は、番組音声が無料でダウンロードできるサービスがあります。
ダウンロード方法をこちらでご説明しているので、参考にしてください。

NHKラジオ英語講座をダウンロードする方法・2017年最新版(ラジリンガル)



私がやっていたラジオ講座活用法の関連記事は、こちらです。

NHKラジオ英語講座を使った効果的な英語の勉強法



2.シャドーイング


録音しておいたNHKラジオ講座、あるいは英会話のCDを通勤の車の中で聞き、毎日1時間はシャドーイングをしました。

シャドーイングのおかげで、リエゾンやイントネーションに強くなり、リスニング力も大幅に上がりました。また、発音も、ボロボロだった学生時代よりはずいぶんマシになりました。

シャドーイングの良いところは、「ながら勉強」ができることです。つまり、特別な勉強時間を取らなくても、日常生活の延長上で英語の発音とリスニングの訓練ができます。

「音読」も効果が高いと言われています。集中してできる時間があるなら、シャドーイングより音読の方が効果が高いでしょう。でも、音読の問題は、ながら勉強ができないため継続しにくいことです。

私は、たまたまシャドーイングという勉強法を知ったから始めただけで、音読と比較してどうこうとか考えたこともなかったのですが、結果として10年以上シャドーイングを続けられています。

通訳トレーニング法としても非常に有効だったということも後で知り、シャドーイングを選択して本当に良かったなあと思っています。


今日ここで挙げる私が行った学習法の中で、通訳者になるために一番役に立ったのは何かと質問されたとしたら、私の答えはこのシャドーイングです。


シャドーイングのやり方については、こちらをどうぞ。

TOEICリスニングセクションが2年で満点に!シャドーイングのやり方



3.ながら聞き


家事の時や移動中などの時間は、「ながら聞き」をしていました。ちなみに、これは現在も続けている習慣です。

たとえば、料理をしながら、食料品の買い出しをしながら、洗濯物をたたみながら、メイクをしながら、歩きながら、など。こういった、「目や手は忙しいけど耳は空いている時間」を出来る限り英語を聞くことに費やしました。

英語が早すぎて、聞き取って理解はできるけどシャドーイングではついていけないような素材は、こういった時間にながら聞きをしました。

仕事から帰宅するの車の中で、仕事で疲れてシャドーイングする元気がない時、声を出してシャドーイングできる環境にない時、またシャドーイングほど集中力を割けない作業をしている時も、可能な限り英語を耳に入れるようにしていました。


こういった「すきま時間」や「ながら時間」は、それぞれの時間は数分とか10分程度とたいしたことのない時間ですが、何年間も積もり積もったらすごいことになります。こういった、「机で勉強はできないけど、英語を聞ける時間」は誰でも探せば1時間くらいはあるものです。


ながら聞きができる時間を活用して、英語学習時間を増やす方法はこちらをどうぞ。

英語の勉強する時間がない人集合!確実に毎日1時間の学習時間が確保できる方法



4.文法を中1レベルから総復習


私は、TOEIC700点台で文法を中1レベルから全てやり直しました。「普通に文法問題が解ける」を超えて、「文法を気にせずオートマチックに運用できる」という状態になるまで、徹底的に基礎をやりこみました。

今思えば、この作業が強固な土台を作るのに本当に役立ってくれました。

普通に考えると、大学受験も突破しているわけだし、TOEIC700点台だし、今さら中1レベルからやり直す必要なんかないだろうと思いがちです。

でも、多くの人はここをおろそかにするから後々伸び悩みます。私自身も、TOEIC700点台で伸び悩んだのはそれが原因でした。実は、私は22歳の時に受験したTOEICで700点をジャストを取っています。そして、25歳で780点。3年間で申し訳程度にしか伸びていないのです。

ジャパンタイムズの元編集局長で『英語は「やさしく、たくさん」』の著者の伊藤サムさんも、

「プロを目指す人には、今どんなに力があっても、
 最初級レベルからきっちりやることをお勧めしています」

とおっしゃっています。私も、その通りだと自分の経験から実感しています。



5.NHK英語ニュース


ある程度リスニングの力がついてくると、ラジオ講座では物足りなく感じられるようになりました。なので、テレビやラジオでNHKニュースを英語で聞くのが日課になりました。

知っている内容(日本のニュース)の英語版なので、英語が聞き取れない箇所があっても意味はとらえることができ、「分かる喜び」を実感してさらにモチベーションを上げるのに役立ちました。

毎日NHKのテレビ英語ニュースを夕食を食べながら副音声で聞き、夜11時からのラジオの英語ニュースをお風呂で聞いていました。

TOEIC700点台で、最初にNHKニュースの英語音声を聞いたときは、知っている単語がたまに聞こえるものの、内容はほぼ意味不明でした。

「こんな英語が、ほんとに全部聞き取れるようになるんかな・・・」と不安と疑念でいっぱいだったのを、今もはっきりと思い出します。



6.海外ドラマやバラエティ番組を字幕なしで観る


これはTOEIC980点を27歳の時に取って数年後にスタートし、今も続けている習慣です。私は、日本のドラマやバラエティ番組は見ないことにしているので、私にとってはその代わりの週末の娯楽の一環です。

「TOEIC980点を27歳の時に取って数年後」と書いているのは、TOEIC980点当時のリスニング力では全く無理だったからです。

リスニングセクションは満点でも、ドラマなどの聞き取りは最後まで苦労しました。(今も完全に克服できてるわけではありません)「海外ドラマや映画が字幕なしで楽しめるようになりたい」という目標を掲げる人は多いですし、私もそうでした。でもそれは、TOEIC900点台や英検1級のはるか上です。

日本語字幕つきでドラマや映画を見るのでは、ストーリーに夢中になると、無意識に字幕を目で追ってしまうので、英語の勉強には残念ながらあまり意味がありません。

だから、私の場合、最初は字幕なしで見ます。楽しみのために見ているので、真剣に聞き取る姿勢に自然とります。そして、どうしても聞き取れない部分だけ、何度か巻き戻したり字幕を確認するようにしています。


海外ドラマを使った勉強法については、こちらをどうぞ。

海外ドラマで効果的に英会話力とリスニング力を伸ばす5ステップ学習法



7.英語のオーディオブック


これもTOEIC980点から数年後のスタートですが、英語のオーディオブックを今も毎日聞いています。

正確には、私が英語のオーディオブックに最初に出会ったのは、父親が職場の図書館から借りてきた、有名な『家出のドリッピー』です。当時、私は高校生でした。でも、小説をあまり好んで読まない私は、その子供向けのストーリーを残念ながら楽しいとは思えませんでした。

でも、通訳として採用される少し前に出会った、ビジネス系や自己啓発系のオーディオブックには、どハマりしました。仕事に関係のある経営・マーケティング系の本や、個人的に興味のある家計改善、資産形成、フィットネス系の本もたくさん聞きました。


TOEICでは測定不能な英語力に差し掛かってくると、だんだん、「英語教材」と言われるもののレベルが合わなくなってきます。どうせなら「英語のリスニング力を伸ばしながら、読書を通じた知識習得も一緒にできたら」と思った私には、実用書のオーディオブックはぴったりでした。

そして、「今、私は英語を聞いている(=勉強している)」という安心感もあり、勉強時間を少しでも多く確保しなければというプレッシャーを感じる必要がないという利点もありました。


オーディオブックを英語で聞くメリットについては、こちらをどうぞ。

英語力爆上げ+収入アップ!オーディオブックの5つのメリットと効果



8.ヒアリングマラソンで生の英語のリスニング訓練


私は、25歳でTOEICリスニングセクション405点(合計スコアは780点)から、NHKラジオ講座などのおかげで、2年でリスニングセクションは満点(合計スコアは980点)になりました。

でも、生の英語のリスニングが苦手で、外国人同士の会話、映画やドラマの英語が全く聞き取れませんでした。

通訳の仕事をするには、生の英語が聞き取れないと話になりません。私は、1000時間ヒアリングマラソンで生の英語を聞き取るための勉強法をはじめて学び、ネイティブ同士の会話が聞き取れるようになりました。

私の場合、ヒアリングマラソンをやっていなければ、私は海外ドラマやオーディオブックも理解できるようになれなかったし、通訳の仕事も絶対にしていなかった自信があります。


ヒアリングマラソンの体験談は、こちらをどうぞ。

アルク・1000時間ヒアリングマラソンの感想



9.翻訳(コンテスト応募含む)


私は、通訳として採用される前に翻訳の仕事をいくつか経験し、またコンテストなどにも応募していましたが、その経験が通訳の仕事をする時にとても役に立ちました。

書くか話すかという違いはありますが、同じ意味の他の言語に言い換えるというプロセスは翻訳も通訳も同じです。

言葉の表面的な直訳ではなく、いかに正しく分かりやすく意図を伝えられるかという点で、翻訳の訓練をやっていなければ通訳としての成長も今よりずっと遅かったのではないかと思います。

また、通訳者として採用されましたが、仕事内容には翻訳も含まれていたので、翻訳のある程度のスキルと経験があったことは採用にプラスに働きました。

私が当時取り組んだ翻訳コンテストは、こちらです。

週150円で翻訳を独学 -The Japan News翻訳コンテスト



10.外国人との日常的な接触


「外国人と実際に英語でコミュニケーションを取る機会なんて、ほぼない」というのが、多くの人の現状だと思います。

私の場合は、夫がアメリカ人なので、外国人と日常的に接触することに役立っているだろうと多くの人は思うでしょう。でも、相手が身内となると緊張感が全くないので、残念ながらあまり関係ありません(笑)。

私はボランティア活動やサークル活動などで、いろんな国のいろんな外国人と会話をしながら英語で人間関係を作ってきました。その経験が通訳の仕事でも生きたと思います。

たとえどんなにCDや本で勉強を積んだとしても、やっぱり実際に外国人がそこにいるかどうかというのは大きな違いがあります。

それまでの私は、教材のCDなら冷静に聞けても、生身の外国人が相手だと完全に舞い上がってしまっていました。冷や汗が出て、落ち着いて相手の英語を聞けないし、自分が何か言おうと思っても、別に楽しいわけでもないのにヘラヘラしてしまうばかりでした。

それが、外国人との英会話に慣れて普通に会話できる精神状態になったというのは、見落としがちですが、通訳の資質として必須だったと思います。

日常的に英語を話す環境というのは、工夫次第で案外簡単に作れます。ボランティアやサークル活動で身近に外国人を探すのが難しければ、スカイプ英会話で英語を日常的に話すといいですよ。


スカイプ英会話については、こちらをどうぞ。

忙しい人にお勧め。スカイプ英会話レッスンのメリットとスクール比較



私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでにやった10のことまとめ


いかがだったでしょうか?


1.NHKラジオ英語講座
2.シャドーイング
3.ながら聞き
4.文法を中1レベルから総復習
5.NHK英語ニュース
6.海外ドラマやバラエティ番組を字幕なしで観る
7.英語のオーディオブック
8.ヒアリングマラソンで生の英語のリスニング訓練
9.翻訳(コンテスト応募含む)
10.外国人との日常的な接触


これが通訳になるための正しい勉強法です!と言っているのではなくて、他にももっと効率的な方法はあると思います。

実際、「通訳になる前にこれをやっておけば良かった」ということもいろいろあります。なので、それはまた別の機会に書きますね。



NHKラジオ英語講座をダウンロードする方法・2017年最新版(ラジリンガル)

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私は、よく
「どうやって英語を勉強したんですか?海外に長く住んでたんですか?」と聞かれると、
「いえ、日本でNHKラジオ講座で勉強したんです」と答えて、そのたびに
ものすごく驚かれるのですが、私は本当にNHKラジオ講座に育ててもらいました。

私のNHKラジオ英語講座を使った勉強法は、以下のページに書きました。

NHKラジオ英語講座を使った効果的な英語の勉強法
NHKラジオ英語講座でさらに効率良く英語力を上達させる方法


NHKラジオの語学講座は、NHKゴガクで「ストリーミング」の表示がある番組のみ
前週の放送分の番組をオンライン環境で聞くことができます。

でも、これだと前の週以前の番組はもう聞けなくなります。

かと言って、毎月CDを買うのも高くつきますよね。
2017年現在、基礎英語は1ヶ月分のCDが1,720円です。
私は、複数の講座をはしごして聞くことをお勧めしていますが、
全部の講座のCDを買っていたら、大変なことになります。


このページでは、そんな悩みを解決してくれる
NHKラジオ講座のダウンロードのためのツールをご紹介します。

2014年に「CaptureStream」というサービスをご紹介したのですが、
2017年10月現在はツールのダウンロードができない状態です。
今回は、それに代わる「ラジリンガル」という無料で使えるサービスのご紹介です。

こういった音声がダウンロードできるサービスを上手に利用して、
英語力アップに役立ててくださいね。



ラジリンガルのダウンロード、講座のダウンロードの方法


1.ページからツールをダウンロード(Windows, Mac対応)

ラジリンガル

(※情報は2017年10月現在のものです。最新情報は直接サイトでお確かめください)


2.フォルダを開いて「ラジリンガル.exe」を展開する

Windowsの場合だと、zipファイルでダウンロードされますので
その中の「ラジリンガル.exe」をダブルクリックして、「すべて展開」をクリック。
(あなたのPCの設定によっては「ラジリンガル」だけかも)




3.セキュリティ警告が出たら

私の場合はこういった画面が出たので、
「詳細情報」をクリックして「実行」をクリック。(※自己責任でお願いします)




4.ダウンロードしたい番組を選択する

NHK語学のサイトでストリーミング可能な番組の前週放送分がダウンロードできます。
好きな講座にチェックを入れて、(複数講座をいっぺんに選択できて便利!)
「変更」で、mp3ファイルをダウンロードしたいPC内の任意の場所を選択して
「ダウンロード」をクリック。




5.選択したmp3ファイルをダウンロード

先ほど選択した講座の先週分のデータがmp3ファイルでダウンロードできました。




なお、このラジリンガルでは、NHK語学講座公式サイトで
ストリーミング音声公開中のエピソード分のみダウンロードすることが可能です。

すでに放送が終わって公式サイト上でのストリーミング音声の公開が
終わってしまったものはダウンロードできませんので、ご注意ください。

このmp3ファイルをiPhoneやWalkmanなどのmp3プレーヤーに入れて持ち歩けます。
また、ダウンロードしたファイルならテーマソングの部分の早送りも簡単にできて
時間が有効に使えますよね。

ぜひ使ってみてください!



NHKラジオ英語講座とセットで使うことをお勧めする教材

私は、英語指導をしているクライアント(ビジネスマン、主婦など)に
ラジオ講座をサブ教材として主に「ながら聞き」に使ってもらっているのですが、
最近、そうやって長期間ラジオ講座をやり遂げた複数のクライアントが
「ラジオ講座、こんなに続いたのは初めてです~!!」とおっしゃっていました(笑)

クライアントには、リスニングのメインとしてはリスニング専用の教材を使ってもらっています。

NHKラジオ講座だけに絞らないで、別のリスニング教材を使う理由は、
私自身がラジオ講座をメインにリスニング学習を続けた結果
学習者用のくっきりはっきりした英語なら分かるようになったのですが、
生の英語が聞き取れない状態が長い間克服できなかったからです。


ラジオ講座は内容は文句なしに優れているので
サブ教材としてリスニング時間を稼ぐのに使い、(通勤中や家事中にながら聞き)
リスニングには専用の教材を使うのが効率がいい
私自身の経験から感じています。


メインのリスニング教材としておすすめのものを挙げておきますので、
良かったら参考になさってください。

とにかくリスニングが苦手、英語の海にすぐおぼれてしまうならこちら。(初級者用)
⇒ 初級者が効率よくリスニング力を強化できる方法

TOEICのリスニングはそこそこ・・・でもニュースやドラマは全然ダメならこちら。(中級者用)
⇒ 短期間で大幅なリスニングアップ法

精聴と多聴、どちらもバランスよく鍛えられるのはこの教材。(上級者用)
⇒ 1000時間ヒアリングマラソンでリスニング力の完成を目指す


私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでにやらなかった10のこと

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私がTOEICが780点だった25歳の時から、31歳で通訳者として採用されるまでにやった勉強法を、以下のページにまとめました。

私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでにやった10のこと




そこで今回は、「私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでにやらなかったこと」を書いてみたいと思います。

「世間的には通訳者には必要と思われているようだけど、
 私はやらなかったし、別に必要なかったな」

「これをやらなかったからこそ結果的に良かったのかも」

と思う勉強法です。



1.音読


前回の「私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでにやった10のこと」でもお話ししましたが、純粋に勉強に取り組める時間があるなら、シャドーイングより音読が効果が高かっただろうと思います。

でも、フルタイムで勤めていると、仕事から疲れて帰ってきて、「さあ、机について音読をやろう」という気には正直なかなかなれないです。前回も言いましたが、この6年は、結婚準備、職探し、引っ越しに明け暮れる毎日でした。

なので、私には通勤時間に車の中でできるシャドーイングで、音読の代わりとなるトレーニングがしっかりできていたようです。

もちろん、どんなに忙しくても時間は作れるものだし、音読もやらないよりやったほうが良かったには違いないのですが、音読をやらなくても一応通訳として採用される程度になったという意味で「私には必要なかった勉強法」として音読を挙げたいと思います。



2.発音に特化した訓練


「通訳者になるなら、発音はネイティブレベルでないといけない」と多くの人が思っています。

が、私の知る通訳者は、必ずしも発音が上手な人ばかりではありませんし、みんなが発音の特別な訓練をしているわけでもありません。

もちろん、発音が下手よりはうまい方がいいに決まっているし、努力が必要なのは言うまでもないことです。でも、「ネイティブが聞き取りに苦労するほどのひどい発音でなければ、大きな問題はない」というのが、私の経験から言えることです。


多くの人が勘違いしていることですが、発音とは、「r」の舌の動きとか、「v」と「b」の違いとか、一つ一つの音の出し方が重要なのではありません。

文章全体のリズムや強弱、イントネーションのほうがずっと重要で、それらさえきちんと押さえられていれば「v」となるべき音が「b」となっていても普通に通じます。

意外かもしれませんが、これほんと。

そういう意味で、文章全体のリズム、強弱、イントネーションなどの訓練は、私の場合はシャドーイングだけで問題なくできたと思っています。



3.専門用語や専門知識習得のための英雑誌の購読


「通訳者になりたければ、TIMEとかNewsweekなどの英雑誌を購読するのは常識。
 あらゆる分野の専門単語を知っておく必要があるし、
 世界の政治経済、環境問題などあらゆる分野に精通していなければ」

そう思っている人も多いと思いますが、これも誤解です。

業界それぞれの専門用語や知識の習得は必要ですが、「あらゆる分野の深い知識やボキャブラリー」は必要ありません。国連の第一級の通訳者さんとかなら話は別ですが、普通の企業の会議通訳の場合、世界の政治経済や環境問題の英語に精通している必要はありません。

「私の経験では」という話になりますが、英検1級レベルの単語が通訳現場で必要な場合など、ほとんどありません。通訳とは「話し言葉」を訳すことなので、その業界の専門用語を除いてはそんなに難しい単語が飛び交うわけではなく、一般的な単語がほとんどです。



4.英英辞典の利用


「英語ができるようになりたければ英和辞典は使うな」という話をよく聞きますし、英英辞典を使うことの効果も理解できます。

が、問題は、知らない単語が出てきたときに、いちいち英英辞典を調べてその意味を理解し、場合によっては英英辞典の定義をノートに書き出したりといった勉強が続けられるかどうかということです。

私は続けられなかったので、英英辞典の利用は早々にあきらめました。

今までずっと英辞郎を使っていますが、別に問題は感じていませんし、「英英辞書を使っていればもっと早く通訳になれたかも」とも特に思わないです。



5.TOEIC対策


私の場合は、TOEICに特化した勉強は一切していないです。普通にやるべき勉強を積み重ねていったら、勝手に高得点を取ることができました。

TOEIC対策が根本的な英語力の向上に直結しているならいいのですが、それがTOEICの問題の解き方だったり点取りテクニックだと全く意味がないです。

通訳者の英語レベルの目安としてTOEIC900点台というのをよく聞きますが、TOEIC900点になれば通訳者になれるわけではありません。TOEIC高得点を目指して勉強をしているようでは、通訳レベルにはまだまだというのが正直なところで、900点台になってようやく、「通訳を目指して勉強するスタートラインに立てた」というところです。

「通訳を目指すなら、簡単に900点が取れないようでは話にならない」と知人のフリーランス通訳者が言っていましたが、その通りだと私も思います。



6.いい勉強法を求めて情報を捜し回ること


勉強法の情報を提供している立場でこれを言うのは心苦しいですが、勉強法探しに時間を費やすばかりで肝心の勉強をしてない人が多すぎると感じます。

私の場合、「この勉強法をやろう」と決めたら、それを愚直にやり続けました。「他に、私がまだ知らないもっと効果的な方法があるのでは?」なんて考えたこともありませんでした。

たとえば、シャドーイングという勉強法があると知ってすぐにそれに取り組み始めて、結果的に10年以上継続しました。

当時、仮にシャドーイング以外の勉強法があると知ったとしても、「シャドーイングすら満足にできないのに他のことに手を出してどうする!」とおそらくスルーしたのではないかと思います。

自分のやり方に自信があったわけでも何でもありません。単に、勉強法を探す時間が惜しかっただけです。



7.教材の選定に時間をかけること


私は、本屋さんでいろんな英語教材を見て回ったり、ネットでいろんな通信講座の評判を見て検討したりということを全くと言っていいほどしませんでした。

信頼する人が勧めてくれた教材、信頼する会社の作っている教材、それだけを常に選んでいました。それ以外の教材は選択肢にそもそも入れていません。

だから、本屋さんでブラブラ、ネットでウロウロというのはほぼしていないです。

読者さんからいただくメールを読んでいると、特定の教材を実践するかしないかで数ヶ月(時には数年単位で)悩んでいる人がいます。「それだけの時間を教材選びではなく、真剣にその教材に取り組むことに使っていたら、どれだけの違いが生まれているか!」と本当に残念に思います・・・

教材選びに時間をかけるのは、本当にもったいないです。

うまくいったらそれでいいし、結局自分に合わないと分かったとしても、その時間は無駄ではありません。次回はもっと良い選択ができるようになるからです。

何もしないで「どうしよう、やろうかな、やめようかな」が一番無駄な時間です。



8.通訳者養成講座


通訳者になりたい人に「通訳養成講座に通ってはいけない」と言うつもりは全くないです。

通えるなら、通った方がいいに決まっています。そもそも、専門的な通訳トレーニングを受けたこともない人が、通訳として採用されるチャンスは小さいという現実的な問題もあります。

が、トレーニングを受けずに飛び込んでしまった私が「今からでもスクールに通うべきか」と先輩に相談したとき、通訳スクールに通った経験のある先輩にこう言われました。

「学校の課題で覚えさせられた政治の単語とかは結局うちの仕事にはほぼ関係なかったし、実際にここで仕事をすることほど役に立つ訓練はなかった」

私のやっている翻訳エージェントで仕事をしてもらった女性も、「翻訳の通信講座も受講しましたが、実際にえいみさんの翻訳チームで仕事をしたのが何百倍も勉強になったし力がつきました」と言っていました。

勇気とチャンスと環境さえあれば、OJTにまさるものはないと思います。



9.資格取得や試験合格に時間を費やすこと


私が英検1級に合格したのは、通訳として働き始めた後です。通訳ガイドの試験や翻訳検定を受けたことも、そのために勉強したこともないです。

「通訳になるのが目標なので、まずはTOEIC900点と英検1級を目指しています」「通訳になる前のステップとして、まずは通訳ガイドの資格を取ろうと思います。そのためには、通訳ガイドの英語試験が免除になる英検1級の合格を目指したいと思います」というメールを結構よくいただくのですが、「なんでそうやってわざわざ遠回りするかな?」と私は不思議に思っています。

・・・いや、実は理由はよく分かっています。

ズバッと言っちゃいますが、「その目標と正面から向き合うのが怖いから、試験の合格を目指すことで本当の目標から逃げている」んですよね。

私もそういう心理状況に陥ったことが何度もあります。怖い、逃げたいという気持ちは痛いほどわかります。

でも、通訳ガイドになりたい人以外は通訳ガイドの試験に合格する必要はないし、英検1級なんて何になるにも必要ありません。



10.英語圏への留学(長期滞在)


私は、カナダのモントリオール(フランス語圏)で2か月ほど英語教授法を学んだ経験はあります。

でも、教室以外ではフランス語だし、週3日、1回当たり半日のパートタイムコースだったので、留学経験と言えるほどのものでもありません。

「留学経験がない」ということを必要以上にマイナス要素と考えている人が多いですが、実際は留学経験はあまり関係ないし、留学経験なしでも英語のプロはたくさんいます。

通訳者になるには、長期の留学経験があるか、帰国子女でなければならないのではと思われがちですが、全然そんなことはありません。

これは、逆に英語圏での長期滞在や留学経験のある人に聞いてみたらいいですよ。「数年くらい留学とか滞在とかしても、そんな変わらない」ってみんな言いますから。

経験したことない人からすると「数年間も住んで変わらんわけないやろう!」って思いますし、全く進歩がゼロってことはないはずです。

でも、留学などの経験がないから自分は高い英語力を身につけることができないんだ、そう思っているなら、それは全く違うということです。



私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでにやらなかった10のことまとめ


いかがだったでしょうか?以下が、私が「通訳になるために必要なかったな」と思うことです。

1.音読
2.発音に特化した訓練
3.専門用語や専門知識習得のための英雑誌の購読
4.英英辞典の利用
5.TOEIC対策
6.いい勉強法を求めて情報を捜し回ること
7.教材の選定に時間をかけること
8.通訳者養成講座
9.資格取得や合格に時間を費やすこと
10.英語圏への留学(長期滞在)



次回は、このシリーズの最終回として、TOEIC700点台から通訳になるまでの6年間を振り返って、

「やらなかったけど、やっといたら良かった」
「やったけど、別にいらなかった」

と思うことを書いてみようかなと思います。


泣きたいほど英語が話せない人に試してほしい。おすすめ英会話勉強法

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私は、単語を覚えるのが得意ではありませんし、
読むこと(リーディング)も、あまりよく出来るとは思いません。

chabudai_kaeshi

でも、英会話(スピーキング)は、
私がダントツで一番苦労したスキルです。
本当に、泣きたいくらい英語が話せない毎日でした。

英語が話せない自分にイライラして
ちゃぶ台を心の中でひっくり返し続けたのは、
ざっと人生の半分くらいです。

英語が満足に話せないせいで
何度死ぬほど恥ずかしい思いをしたか、
何度悔し泣きをしたか分かりません。

そんな私でも、「あるトレーニング」を積み重ねることによって、
英会話力を劇的に上昇させることができました。


もちろん、いろいろな要因が組み合わさって今の私になっているわけで、
簡単に「これのおかげで私は英会話ができるようになりました!」と
何か一つの勉強法だけを挙げることはできません。

シャドーイングは、確実に役に立ちました。

TOEICリスニングセクションが2年で満点に!シャドーイングのやり方




また、私の場合は夫がアメリカ人なので、
英会話学習の面で人よりは多少恵まれた環境にあると言えるかも知れません。


それでも、シャドーイングや夫の影響ではなく、

「あれだ・・・
 あれが英会話に最大の効果があったに違いない・・・」

という勉強法が、私の中に確実にあります。

それは、当時は知りませんでしたが、
「瞬間英作文」「口頭英作文」といった呼ばれ方をしている勉強法です。

多分、現在の英会話力の98%くらいは、
この瞬間英作文という勉強法のおかげだと思います。


それは意外にも、英会話力を伸ばそうと思って
やっていたことではありませんでした。

そしてこの瞬間英作文は、
どんな環境にある人でも、自分で簡単にできることです。

英会話学校や留学なんて必要ありません。


英会話トレーニング法「瞬間英作文」を編み出したきっかけは、ずぼらな性格


この方法に気づいたのは、塾講師をしていた頃。

私は、授業の予習をする時に、万全を期して
解答を全部問題集に書き込んでいました。


でも、記号問題なら答えに丸をつけるだけでいいのですが、
英作文の答えを全部書き込むのは結構時間のかかる作業だったんです。

面倒くさがりの私には、だんだんこの作業が苦痛になっていきました。

そこで、ある日気づきました。

「別に英作文の答えを全部書き込まなくても、
 授業をしながらその場でスラスラできたら超ラクじゃん!」
と。

それ以後、授業の予習のときに、テキストに答えを書き込む代わりに
日本語の問題文を即座に英語に直して口に出すという方法で
予習をすることにしました。


これをやったのは、中学生用の英作文です。
この方法をやり始めた当時、TOEICは800点を超えていました。

「中学生の英作文なんて楽勝!」と、最初はバカにしていました。

でも、瞬間的に英作文をしようとすると、
びっくりするくらい英語が出てこないことに気づきました。

手で書き込みながら英作文の問題を解いていた頃は、自分の感覚としては
「スラスラ英作文をやっている」というつもりでいました。
当然、自分が中学生だった頃よりは数倍は早く解けていました。

でも、
書くことで時間稼ぎが出来ているために
「スラスラ解いている」と錯覚していただけ

ということに気づいたんです。


たとえば、この英作文問題。
「彼は自分の部屋を掃除しなければならない」

「He」と書きながら、
「えっと、『彼』だから、 have to の have を has に変えて・・・」と
無意識のうちに「考えて」英語を作る癖が
ついてしまっていたんです。

「三人称単数だからhaveじゃなくhas」という「知識」はあるので、
「考えれば」正解を書くことはできるし、生徒に教えることもできました。

でも、それを「理屈として知っている」だけなので、
瞬間的に作文をしようとすると、
He have to とつい言ってしまったり、

さらにこれが疑問文だったりすると、
Is he have to…?  Does he has to…?
なんていう、訳の分からない英語が口から出てきていました。


中学生レベルの英語なんて楽勝のはずのTOEIC800点でも、
スピード勝負の英会話力という意味では、
私の能力は本当に低かったんです。



英語の回路がつながり、「文法が体に染み付いた」と感じるように


授業の準備を楽にしたい一心で、私は瞬間英作文に取り組みました。

1年くらい経った頃だと思います。
あらゆる文法分野のあらゆるパターンが、「理屈で分かる」という範囲を超えて、
「体に染み付いた」と感じるようになりました。

Heと言った途端に、何も考えなくても
has という言葉が続くようになりました。

He have to なんて
どう考えても気持ち悪くてあり得ないので
もう自分の口からはうっかりですら出てこないという感じです。

そして同時に、Does he have to …? なら、
「おお!これこれ!」とスカッとはまる感覚。

文法をいちいち持ち出さなくても、
英語が瞬間的にパッと頭に浮かぶようになってきました。

これが俗に言う
「英語の回路がつながった」初めての体験だったと思います。



文法理解の5つのステップ


独学で英語がペラペラになれる勉強法!瞬間英作文のやり方と効果
のページで詳しく説明していますが、文法の理解には5つのステップがあります。

1.まず理屈として文法のルールを学ぶ

*たとえば現在完了(~した、ずっと~している)だと、
「have + 過去分詞」と文章を組み立てるのだというルールをまず知る。

2.ルールを実践する

*「ああ、そうそう、“ずっと~している”はhaveと過去分詞だったな」
と確認しながら問題を解く。でも時々間違える。

3.ルールを記憶する

*解説を見たりしなくても、「have + 過去分詞」のルールを
しっかり記憶している。練習問題も正しく解ける。
「have + 過去分詞」を意識すればちゃんと読め(聞け)、書ける(話せる)。

4.ルールを自分のものにする

*現在完了を含む英語を読んだり聞いたりしたときに
「have + 過去分詞」のルールを意識することなく
「ずっと~している」という状況が反射的に理解できる。

5.ルールを元に自在にアウトプットできる

*「haveの後ろは過去分詞だから~」なんて考えなくても
「ずっと~している」という状況が頭に浮かんだ瞬間に
正しく適切に自分の言葉として話せ、書ける。



最悪の場合、1の段階の
「理屈としてhave+過去分詞のルールを理解した」というところで
「もう文法は済んだ」と勘違いしている人が多いです。

「文法の参考書を一通り読んで分かった気になってるだけ」の人ですね。

でも、その先に進んだとしても、
ほとんどの人が脱落してしまう段階があります。
それは、ステップ3または4の段階で、
「ルールは記憶したけど、それがまだ自分のものになってない」段階です。


学校の文法のテストでは、ステップ3までいけば100点が取れます。
なので、4と5の段階を意識している人は、本当に少ないです。

だから、現在完了が「have + 過去分詞」なことは知っているし
問題集で現在完了の問題が出たらちゃんと解けるのに、
それを読んでも聞いても一瞬ではピンとこないし
実際に話そうと思っても全くスラッと出てこないんです。

実際、中学で勉強する文法項目全てを
このステップ5まで持ってくることができれば、
それだけで英語はもうペラペラに話せます。

ですが、想像がつくと思いますが
このステップ3から先の4、5が結構長い道のりです。
また、4と5の段階になると
もう単なる文法だけにはとどまらない話になるんです。


文法の正しいルールという大前提が中心にありつつも、そこから

ステップ4 → インプット(読む・聞く)
ステップ5 → アウトプット(書く・話す)

という、別次元への応用になってきます。

ステップ1~3は、文法をしっかり意識して
知識を揺るぎないものに固めていく段階。

ステップ4と5は、その揺るぎない知識をもとに
文法を意識することなく操れる段階。



で、この「意識することなく」がものすごく大事なんです。

「ええっと・・・現在完了だから・・・」
「そうか、不定詞はどうだっけ・・・」

という段階を乗り越えてその先に行くことが必要です。


野球のたとえで言えば、バットを振るときに
「えっと、ここで腰をこうひねってこう体重を移動して・・・」
と、毎回頭で考えているようでは、
緊張を強いられる試合ではとてもヒットなど打てないでしょう。

最初は、正しい腰のひねり方、体重移動を意識する。
そして、それを無意識でも正しくできるようになるまで繰り返し練習する。

これが、最も結果が出るやり方です。


よく、

「文法なんかやっても英語は話せるようにならない」
「文法に時間をさくより、とにかく話す練習だ」

という意見がまことしやかに言われていますし、
そういう風潮の教材も巷にあふれています。

でも、私からすると、そういう
「文法を排除する」傾向は見当違いもいいところです。

文法は「排除」するべきものではなく、「超越」するべきもの。

「文法をやらない」のではなく、文法をきちんと理解した上で
「文法を意識する必要のない境地に到達する」のが重要なんです。
ハイレベルな英語力を身につけたいのであれば。


で、私の過去の話に戻りますが、
塾講師時代に口頭でとにかくいろんな問題を
英作文することによって、さっき言ったように

「これこれ!」と、文法ルールを持ち出さなくても
正しい英語がスカッとはまる感覚が得られたり、
「こんな英語は気持ち悪くてあり得ない!」
と、文法の理屈ではなく感覚で英語が感じられるようになりました。



文法ルールに即した英語が自動的に口から出るようになった


中学生レベルの英作文は一瞬で口に出来るようになり、
やがて、高校生の英作文でも初見で難なくできるようになりました。

とにかく、見た瞬間に英語が言えるという状態。
(「英作文ができる(書ける)」じゃなく、一瞬で口に出せるということです。)

英会話力が高校英作文のレベルに達したのは、
私の場合はTOEICは900点を超えた後でした。

不思議ですね。
難関大学入試でもTOEIC600点やそこらのレベルなのに。

「旦那さんと英語をしゃべるんだから、英会話も簡単に上達するでしょ?」
といつも言われますが、例えば
高校レベルの英作文が一瞬でスラスラっと頭に浮かぶようになったのは、
夫がアメリカ人だったからでは絶対にないということは自信を持って言えます。

夫は私の夫であって英会話の先生ではないので、
私が文法的に間違ったことを言っても、意味が分かればそのまま流します。
ネイティブの夫なんて、現実はそんなもんです。


だから、周囲に英会話の相手がいない人も、諦めないでください。
英会話は、独学でも絶対にうまくなります

次のページでは、泣きたいくらい英語が話せなかった
私の英会話力を激変させた、おすすめの英会話勉強法について
具体的に何をするのかをお話しします。




私が通訳者になるまでにやっとけばよかったと思うこと、やらなくて良かったこと

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これまで、私がTOEIC700点台の25歳のときから31歳で通訳者として採用されるまでにやったこと、やらなかったことを書いてきました。

私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでにやった10のこと
私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでにやらなかった10のこと


このページでは「私がTOEIC700点台から6年で通訳者になるまでシリーズ」の最終回として、
「いい通訳者になるためにもっと早くやっとけばよかった」
「これはやったけど、通訳になるにはやらなくてよかった」

ということを書いてみたいと思います。



私がTOEIC700点台から通訳者になるまでにやっとけばよかったと思うこと


1.早めに生の英語のトレーニングに移行する


私は、英語のやり直しを本格的にはじめて3年くらいの間、ずっとNHKラジオ講座を中心にやっていました。ひたすらラジオ講座をながら聞き、シャドーイングしてました。その結果、TOEICは980点になりました。

・・・が、「生の英語」は聞けませんでした。

TOEICの英語ならちゃんと聞き取れるのに、国際電話の英語が分からない。
外国人同士の会話が聞き取れない。
テレビのニュースが聞き取れない。
映画もドラマも聞き取れない。

そんな状態でした。

今となってはアホとしか言いようがないのですが、アナウンサーではない普通の外国人が、相手の英語レベルに配慮せずに自由に話す「生の英語」が聞き取れるようになるには、生の英語を聞き取る訓練が必要だと知らなかったんですねー。

だから、NHKラジオ講座などのような「声優さんのくっきりはっきり話す教材用英語」しか使ってこなかったんです。

「生の英語」を聞き取る訓練のために1000時間ヒアリングマラソンを始めたのですが、「もっと早く始めていたら良かった」と今は本気で悔しく思っています。

その時のことは、このページに詳しく書いていますので、ご興味があればどうぞ。

アルク・1000時間ヒアリングマラソンの感想




あと、生の英語を聞き取れるようになるための方法については、こちらも参考にしてください。

生の英語をバッチリ聞き取れるようになるためのリスニング勉強法



2.英語でやっているポッドキャストの活用


上記のヒアリングマラソンでは、1日3時間のリスニングを1年間継続して1000時間を達成するのを目標としていますが、教材に収録されている音声だけで毎日3時間は難しいので、教材以外の英語を日々の生活に取り入れるよう指示があります。

で、私はこのヒアリングマラソンをやっていた時、1日3時間を達成するために主にテレビの副音声で英語を聞いていたのですが、NHKニュースはそこそこ分かるようになっても「ドラマや映画はやっぱり難しい!!」とずっと思っていました。

テレビを副音声にして海外ドラマや映画を見つつ「全然わからん・・・これを3時間のリスニング時間に含めていいんだろうか」と罪悪感を抱いてました。

で、今振り返って思うのは、やっぱり海外ドラマや映画の聞き取りは、TOEICのリスニングセクション満点なんかよりはるか上の超難関だということ。単語がポツポツ聞き取れる程度でいいならまだしも、しっかり理解できるようになるには数年間の本格的なトレーニングが必要です。


で、通訳になる少し前に出合ったのがオーディオブックです。オーディオブックは声優さん(あるいは著者)がはっきりと発音してくれるので、ドラマや映画よりだいぶ簡単でした。

たくさんの情報がどんどん流れてくるし、単語も難しくて最初は同じ本を5回くらい聞いてようやく分かるという感じでしたが、だんだん慣れて楽しくなってきて、数百冊は聞きました。

英語力爆上げ+収入アップ!オーディオブックの5つのメリットと効果




でも、オーディオブックは「書いた文章を読みあげている」という性格上、やっぱり「教材英語」寄りです。

そして、つい数年前にまた出合いました。もっと生の英語寄りで、でもドラマや映画ほど難しくない素材。それが「ポッドキャスト」です。(ポッドキャストとは、ネット上のラジオ番組のことです)

通訳をやり始めて数年後に出会ったポッドキャストですが、通訳を始める前に聞く習慣があったらもっと違ったかもと思っています。

英語学習者用のポッドキャストもいいのですが、「生の英語寄り」という観点から私がお勧めするのは(そして「あの頃やっときゃよかった」と心から思うのは)英語学習者用ではない、普通のリスナーに向けた番組です。

たとえば、日本のラジオ番組っていうと、お笑い芸人、ミュージシャン、経済評論家、アスリートなどいろんな人がいろんな番組をやってますよね。あれの英語版を聞くということです。

ポッドキャストは話し言葉なので、生の英語が聞けます。ですが、映画やドラマと比べると、格段に聴きやすいです。教材の英語では聞くことのない、ネイティブがよく使う口語の言い回しも、私はポッドキャストを通じてたくさん学びました。

ポッドキャストは、言いよどみや繰り返しなど、適度な無駄(いい意味で)があり、話についていきやすいです。ただし、対談の番組は、話がわかりにくくなったりスピードが上がる傾向があるので、最初は一人のパーソナリティがリスナーに語りかける形式の番組を探して聞いてみるといいと思います。

ジャンルは自分の興味があるものを聞くのがお勧めです。仕事関連でもいいし、趣味のテーマでもいいし。ほんと何でもあります。

ちなみに、ポッドキャストって無料で聞けます。ネット上でパソコンで聞くこともできますし、iPhoneやウォークマンなどのmp3プレーヤーでも聞けますよ。

iTunes(無料)で英語圏の人気Podcast番組を発掘する方法



3.通訳トレーニング法を学び、実践する


私は通訳養成講座には通わなかったのですが、やはりトレーニングのやり方は学んでおけば良かったと思ってます。

通訳スクールに通うにしろ通わないにしろ、結局は一人でどれだけ練習するかが一番大事なのですが、何をどのようにやればいいのかがよく分からないまま来てしまいました。

口頭瞬間英作文は、通訳訓練としてもすごく役に立ちました。「初見で日本語を読んでその場で訳出する」のは、今は得意です。

独学で英語がペラペラになれる勉強法!瞬間英作文のやり方と効果




が、「英語を読んでその場で訳出する」のは苦手です。そういう訓練が不足しているからです。だから、通訳になった後で、通訳トレーニングの通信講座を受けました。4時半に起きて、仕事に行く前に1時間頑張ってトレーニングをしていました。

東京五輪で通訳ボランティアになるには?通訳トレーニング入門(アルク)




通訳勉強法についてはいろいろ知ってるつもりでいましたが、この「通訳トレーニング入門」にはまだまだ「こんなトレーニング法あるの!」というものがたくさんあり、久しぶりに新しい勉強法にワクワクしながら取り組みました。

で、「なんでこれをもっと早くやらなかったかなー」と激しく後悔しています。



4.時間管理術を学ぶ


これは英語ではなく心構えの問題なのですが、時間の使い方が下手だったなーと思っています。

当時は、確実に今より睡眠時間も多かったし、勤務時間も少なかったです。ブログもメルマガもやってなかったし、起業もしていませんでした。やろうと思えばもっともっと英語時間は取れたはずで、1日4時間でも5時間でも、やろうと思えばできたと思います。

「フルタイムで働いてるから、時間ないのは仕方ない」「今は仕事を見つけるのに忙しくて、英語どころじゃない」じゃなく、時間を見つける工夫が足りなかったと。

今は、オーディオブックやポッドキャストで時間管理術や目標管理術のノウハウを学んでいるのですが、これをあのとき知っておけば・・・ということがたくさんあります。

私のいろんな挫折経験と、そこで得た知識をもとに、少し前に時間管理と目標達成のオリジナル教材を販売したのですが、「忙しい忙しいと思って過ごしていたけど、勉強時間が確保できるようになった!」「自分の人生にとって大切なことをこんなに真剣に意識したことはなかった!」と大好評をいただきました。

現在はその教材は販売終了していますが、夫と一緒に運営しているコミュニティで時間管理やモチベーション管理についてお伝えしています。コミュニティの詳細は、メール講座の読者さんにのみご案内しています。


留学経験なし、英文科卒でもない私が外資系役員秘書、翻訳者、通訳者になった方法を今だけ無料で公開します


では、ここからは「やらなくて良かった」コーナーです。



私がTOEIC700点台から通訳者になるまでにやらなくて良かったなと思うこと


1.英字新聞の購読


TOEIC700点、800点台の頃に英字新聞を購読していたことがあるのですが、ほとんど廃品回収に直行でした。ほんともったいないことしました・・・

辞書で一生懸命知らない単語を調べつつ、1日に1記事くらい読むのが精いっぱいでした。しかも、それを毎日やったわけでもないですし。

今だったら、まともに読めもしない英字新聞に月々3,000円も払うくらいなら、ネットでいくらでも手に入る英文記事を使うと思います。


ただし、外資系企業で秘書兼翻訳の仕事をしていた時(TOEIC980点を取得して数年後)は、上司のお古の英字新聞を持って帰って読んでましたが、その頃に自分で購読していたらもっと有効活用できたと思います。

英字新聞に載っていた翻訳コンテストにもその時に応募していました。

でも、やっぱり毎日そんなにたくさんは読めないので、英字新聞を購読するとしても、週刊で十分だと個人的には思います。



2.英語教授法


英語を教えるという目標がない人にも、英語教授法の講座を検討する人が結構いるようなのですが、まあ、通訳になるには全然関係ないです。というか、英語の先生になりたい人以外には全く勧めないです。

私自身は、英語教育に携わる者としてスキルアップのために受講したので、そのコース自体に意味がなかったということではありません。「通訳になるには」全く不要だったということです。

私がカナダで英語教授法のコースに通っていた時、日本人は私一人で、あと韓国人の女の子が一人いました。

残りは、最も多かったのがカナダ人(英語ネイティブか、仏語ネイティブの英仏バイリンガル)とアメリカ人、そして英語がめちゃくちゃ上手なオランダ人でした。まあ、英語の先生になるコースだから英語がネイティブレベルの人ばかりで当たり前なのですが・・・

で、その韓国人の彼女は、英語の先生になりたいのではなく、将来は通訳になりたいと言っていました。でも、語学コース(普通の語学留学生向け)は簡単すぎるから英語教授法のコースを受講していると言っていました。

英語教授法のコースはノンネイティブも受講可能でしたが、TOEIC900点以上でないと申し込みすらできず、面接を含む入学試験に合格しないと受講できませんでした。

生徒の大半はネイティブレベルなので、授業では英会話の練習なんかは当然全くないし、英語の「教え方」のスキルを高めるための講義ばかりです。

また、併設されている語学学校の実際の授業を見学して、その教授法についてレポートを書いたり、期末の修了試験では全員が模擬授業もやりました。

私は英語講師として成長するために受講したので、「もう嫌だ、辞めようか」と何度も何度も思いながらも何とか頑張りましたが、韓国人の彼女は途中でドロップアウトしてしまいました。というか、ネイティブでもドロップアウトする人がいました。課題が多かったし、修了試験の準備も大変だったので。

私にとってはとてもいい経験になりましたが、このコースのおかげで英語が上手になったか、通訳になるのに役立ったかと言われれば、そんなことは全くないです。

それよりも、英語を教えるということにそれほど興味も情熱もないのに、それについて英語でレポートをたくさん書いたり、ネイティブに向かって英語で模擬授業をするのはかなりしんどいです。

なので、英語教授法のコースは、英語の先生を目指す人や教えるスキルを向上したい人以外にはかなり損な苦労になってしまうと思います。

まあ、英語教授法だけでなく何の分野で留学しても、興味のないことを(日本語で勉強するのもつまらないだろうに)英語で勉強するのがしんどいのは、きっと同じですね。

ただし、特に理系分野で留学した場合、その分野に詳しい通訳者として将来活躍するのに役立つ可能性はあります。一方、英語教授法は、通訳としてキャリアをスタートするのに有利になる使い道はほぼないですね、残念ながら。


以上、将来は通訳を目指したいと思っている方のお役に立ったら幸いです!


英会話レッスンの効果を最大化する5つの方法

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こんにちは。英語学習コーチのエバンス愛です。

今日は、英会話レッスンの効果を最大化し、投資したお金と時間の何倍もの成果を回収するための方法をお伝えします。

 

私の元には、

「英会話学校に3年通いましたが、結局英語を話せるようにはなりませんでした」

「何年も英会話レッスンを続けた結果、学校内のクラスは昇級したけど、言いたいことをほとんど言えないままの自分に嫌気がさし、このままでは何も変わらないと悟って辞めました」

といったメールがたくさん届きます。

そして、「英会話学校に行っても、お金ばかりかかって話せるようにならない」という話を聞いたことがある人が、「英会話レッスンに興味があるけど、効果ないんだろうか?」と、レッスンを利用することに二の足を踏んでいるようです。

 

結論から言うと、英会話レッスンは、ちゃんと利用すれば効果は絶大です。私も、クライアントさんにオンライン英会話レッスンをよく勧めています。

でも、使い方を間違えると、「レッスンのお金がどんどん出ていくばかりで、何年経っても思うように話せるようにならない」という状態に陥ってしまいます。

そうならないために、英会話レッスンを正しく利用して効果を最大化するコツをこのページではお伝えします。

 

英会話レッスンの効果が現れない人が後を絶たない理由

英会話レッスンの効果が出ない最大の原因は、ずばり

「英会話レッスンを受けさえすれば
 ペラペラになるという間違った期待」

です。

レッスンさえ受ければいいと考えているので、上達に必要な自主勉強をしていなかったり、レッスンの内容を先生に任せっきりにしている人が大多数です。

英会話レッスンとは、「練習試合」だと私はとらえています。

そして、実際の海外旅行やビジネスシーンでの英会話が「本番の試合」です。

そう考えると、英会話レッスンだけでは話せるようにならない理由は、練習試合ばっかりやっていても野球が上達しないのと同じですね。もちろん、本試合オンリーでも上達しません。

やはり、効率よく上手になるためには、普段からの走り込みやバッティング練習などの自主練習が欠かせません。

 

英語を話すためにも、その土台となる「基礎練習」が必要です。具体的には、文法、リスニング、シャドーイング、瞬間英作文などです。(あとで詳しくご説明します)でも、基礎練習から、いきなり本番の負けられない試合に臨むのは結構キツいですよね?

「基礎練習 ⇒ 本試合」

これだと、緊張のあまり本来の力が発揮できなかったり、雰囲気に慣れるだけで時間がかかったり、十分に本試合を楽しめません。

 

だから、

・本番の緊張感を擬似的に体験する
・実際の試合の雰囲気をつかむ
・場慣れする

という目的のために、練習試合(英会話レッスン)がとても役に立つのです。

 

本番の試合の場面で、あなたのスピーキング力不足が原因で目的が果たせなかった場合、深刻な問題が起こるかもしれないし、ものすごく恥をかくかもしれません。

その一方、英会話レッスンでの先生との会話の場合、実際に外国人を目の前にして英語で話をするということには変わりないけれど、少しくらいミスをしても問題ではないし、あくまで「練習」です。

 

「基礎練習(自主勉強) ⇒ 練習試合(英会話レッスン) ⇒ 本試合(実際の英会話)」

なら、一番スムーズにいきます。

以下の記事で、これについて詳しく書いているので、よかったら参考にしてください。

あなたは大丈夫?頑張ってるのに英会話が上達しない5つの理由

 

外国人と普段話すことなんてないから海外旅行で英語を使う時には心臓が飛び出しそうになる・・・
別に何が面白いわけでもないのに外国人に話そうとすると緊張のあまり笑えてくる・・・
英語でしゃべろうと思っただけで頭が真っ白になって顔がひきつる・・・

あなたにも、こんな経験はないですか?
私は、今は英語を話すのは全然緊張しませんが、以前はまさにこんな状態でした。

ほんとに恥ずかしかったです。
「私、何バカみたいにニヤニヤしてるの?」って(涙)

 

言いたいことはたくさんあるのに、外国人を前にすると頭が真っ白になり、全く満足に言いたいことが言えない。

後で冷静になって考えたら「ああ、あの時こう言ったら良かったんだ!」「こう言ってしまったけど、あれは間違ってた!」と途端に頭が回りだす。

 

あなたも同じであれば、外国人と話をするという経験をたくさん積んで、場慣れして、会話のテンポを体に覚えさせてください。

外国人と話すことなしに英会話が上手になった人を私は一人も知りません。みんな、外国人とたくさん話をしてたくさん失敗をしながら経験を積んでだんだんと上手になったのです。なので、練習試合(英会話レッスン)を積極的にやりましょう!

 

英会話レッスンの効果を最大化する5つの方法

英会話レッスンを長い間受けて、お金もたくさん払ったのに効果が出ない・・・

とならないために、何をしたらいいか、効果を最大化する5つの秘訣をお伝えします。

 

方法1:マンツーマンでレッスンを受けること

通学式の英会話レッスンを利用している方の多くは、マンツーマンではなく少人数の(自分の他に生徒が2〜3人いる)レッスンを利用していると思います。

でも、同じクラスにはすごく積極的な人や、あなたよりずっと英語が上手な人や、あるいは空気を読めない人がいて、一人で先生を独占して長い時間しゃべっていたりすることが多いのではないでしょうか?

あるいは、頻繁にクラスのメンバーや先生が変わったりして、「初対面だね~。じゃあまず今日は自己紹介を」とかって、気づいたら毎回自己紹介ばっかりしていたりしませんか?

あなた自身の自己紹介が増えるのは別にいいんですが、先生の自己紹介や他の生徒の自己紹介を毎回長々と聞かされるだけになっていませんか?

 

こういうレッスンを避けるために、英会話レッスンはマンツーマンで受けることをお勧めします。

英会話レッスンでは、「あなたが話す時間を最大化する」ことが一番大事です。でも、生徒が多いとその分自分の話す時間が減ってしまいます。

生徒が5人いるクラスだと、せっかく1時間の英会話レッスンを受けても、自分が話している時間はたったの5分・・・なんてことも十分にあり得ますよね。

でも、他に生徒がいると、「自分ばかり発言したら悪いかな」「他の生徒さんがいるから、自分がやってほしい授業の提案がしにくいな」とどうしても思ってしまいますよね。だからマンツーマンが一番いいのです。

 

ただし、通学式の英会話レッスンを受講している人は、マンツーマンだとかなり授業料が高額です。週1回40分のレッスンでも、月3万円くらいになってしまいます。

そこでお勧めなのが、オンラインの英会話レッスンです。

 

オンラインのスカイプレッスンは、英語を第二言語として流暢に使いこなすフィリピン人などの講師が、skypeという世界中どことでも通話料無料で通話ができるサービスを使って、レッスンを提供するものです。

講師の住んでいるフィリピン等の国は、日本やアメリカ・イギリスなどの先進国と比較して物価や給与水準が低いので、レッスン料もかなり安く抑えらるんです。

毎日レッスンを受けても月々数千円という、通学式の英会話スクールと比較すると考えられないほど安い授業料で、英会話レッスンを受けることができます。

しかも自宅で受けられるので、仕事が忙しくて通学が難しい人や、小さいお子さんがいて家を空けるのが難しい人に特に最適です。オンラインのスカイプレッスンについては、詳しくはこちらを参考にしてください。

忙しい人にお勧め。スカイプ英会話レッスンのメリットとスクール比較

 

方法2:「あなたが話す時間」を最大化すること

英会話レッスンでは、「あなたの話す時間」を増やすことが最優先です。だから、先ほども言ったようにレッスンはマンツーマンが良いのですが、そう言うと

「でも、他の生徒が話しているのを聞くのも参考になるし」
「自分の気づかなかった質問を誰かがして、先生の説明を聞けると、勉強になるから」

と言う人が必ずいます。

勉強熱心な人ほど、レッスンの時間を「聞く」「学ぶ」「覚える」に使おうとしていまいますが、英会話レッスンは「話す」時間です。これを必ず覚えておいてください。

 

他の生徒さんの間違った英語やたどたどしい英語をたくさん聞く代わりに、レッスン以外の時間でネイティブの正しい英語の音声教材でも聞いていた方がずっと勉強になります。

「自分の気づかなかった質問を誰かがしてくれたら勉強になる」というのも、自分の気づかなかった質問はそのまま気づかなくても別にいいのです。どうしてもその疑問点があなたにとって必要なことなら、またあなたの前に現れます。その時に気にしましょう!

英語に関する全ての疑問を晴らしてありとあらゆる知識を身につけるなんて不可能です。自分が知らないことや気づかないことに対して、怖がったり不安になる必要はありません。多分、私たちの誰もが、死ぬまで知らないことだらけのままですから。

 

そして、マンツーマン英会話レッスンであなたが「話す」時間を最大化するために、英会話レッスンではやってはいけないこと(時間を最小限にすべきこと)があります。

それは、「単語」「文法」の説明を先生にさせることです。

 

たとえば「英文記事を音読→分からない単語の意味を先生に説明してもらって確認→記事の内容を理解→記事の内容について会話」というレッスンは、多くの英会話スクールが採用している方法です。

でも、オンライン英会話レッスン(多くの場合、1レッスン25分)では、これをやっていると、単語を説明してもらっているだけでレッスン時間の半分がなくなったりします。

先生が単語の説明をしている時間というのは、言うまでもなく、あなたではなく「先生が話している時間」です。あなたの話す時間は、それだけ減ってしまうのですね。

 

もし事前にその英文記事を予習することができるのであれば、知らない単語は前もって調べておきましょう。そうすることで、先生に単語の説明をしてもらう時間をカットすることができます。

ここでも、勉強熱心な人にありがちな「意味は分かってるけど、勉強になるから一応先生に説明してもらおう」とかはくれぐれもナシで!

 

そして、文法の説明を先生にさせることも極力辞めましょう。たとえば、「ここは文法的にどういう構造なのですか?」なんていう質問をしても、はっきりした回答が返ってこないことがほとんどです。

オンライン英会話の先生のほとんどは文法の専門家ではなく、幼い頃から学校で英語に慣れ親しんで自然に覚えてきた人ばかりです。なので、文法の説明を求められても「そういうものだから」としか言いようがないのです。私たちが日本語の文法を外国人にうまく説明できないのと同じです。

それに、仮に文法にすごく詳しく明確な説明ができる先生であっても、あなたが「過去分詞(past participle)」「仮定法(subjunctive mood)」といった文法用語を知らないと、意味が分かりませんよね。

 

先生に文法を説明させると、先生の話す時間ばかりが増えて、あなたが話す時間を最大化するという目的は達成されません。

文法で分からないことがあれば、日本語の参考書で調べましょう。そして、先生に文法の質問をするのではなく、その文法を使って文章を作ってみて、「この英語は合っていますか?」という聞き方をしましょう。その方がずっといいですよ。

 

方法3:英会話レッスン以外の時間で勉強すること

先ほど、英会話レッスンは「練習試合」で、本番の英会話は「本試合」だと言いました。そして、試合ばっかりやっていても上達は望めないので、試合以外の時間でトレーニングを積み重ねることが大事とお伝えしました。

練習試合(英会話レッスン)は、あくまでも日頃の練習の成果を発揮する場なので、そのための基礎的な練習を積み重ねて、試合でいいパフォーマンスが出せるようにすることが大事です。

以下は、英会話レッスンをより実りあるものにするために必要な基礎練習です。

 

<単語・文法>

基本的な単語や文法の復習は、英会話レッスンと並行してで構わないので、早めにやっておきましょう。

単語と文法は英会話の土台に当たるものなので、土台がないのにスピーキングだけを学ぼうとしてもうまくいきません。ただフレーズを暗記して外国人慣れするだけで終わってしまいます。

 

<リスニング>

英会話とは、自分の言うべきことを言う能力と、相手の言うことを正確に素早く理解できる能力とがセットになったものです。特に、仕事で英語が使えるようになって、英語で行われる会議で、話の内容がちゃんと理解できるということは大事ですよね。

そのためには、自分のためにゆっくり手加減して話してくれる先生と英会話レッスンしているだけでは不十分で、レッスン以外の時間でできるだけ英語を聞く時間を増やすことが必要です。

リスニングの勉強法には、ただ黙って英語を聞くだけではなく、シャドーイング、ディクテーションなどの方法もありますが、こういったトレーニング法を駆使してリスニング力もしっかり上げることをお勧めします。

(参考記事)

正解リスニング学習法-初級者・中級者はこうリスニング力を伸ばせ!
TOEICリスニングセクションが2年で満点に!シャドーイングのやり方
ディクテーションで英語力に革命が起きる!効果と正しいやり方を徹底解説

 

<発音>

あなたの話す英語がきちんと相手に通じて、スムーズに会話が進むために、発音の練習も必要です。とは言え、特殊な発音矯正のトレーニングは必要ありません。普段から、英語をちゃんと声に出す習慣をつけてください。

音読やシャドーイングなど、レッスン以外の時間で、できれば毎日声を出す時間を少しでもいいので取ってください。そうすることで、英語がスムーズに出てくるようになるし、だんだんと発音も良くなっていきます。

先生の前で音読して発音を直してもらうのもいいですが、正しい発音を聞いてそれを真似て練習をするという訓練は、自分で教材CDを聞きながらでも十分できます。

むしろ、そうやって自分だけで訓練をした上で、自分では気づけなかった発音の癖を先生に指摘してもらったり、練習してもちゃんと発音するのが難しい音を作る時の口の形を先生に見せてもらったりするのが、一番上手な英会話レッスンの使い方です。

 

<瞬間英作文>

「言いたいことがスラッと口から出てこない」という悩みを解決するのに一番効果的なトレーニング法は、「瞬間英作文」です。

中学生レベルの簡単な英語でも、いざ自分で発音してみようとすると、なかなか思い通りには言えないものです。そして、中学生レベルの英語が操れるようになれば、実はそれだけでペラペラ英語が話せるようになります。

「瞬間英作文」については、こちらの記事も参考にしてください。

独学で英語がペラペラになれる勉強法!瞬間英作文のやり方と効果

 

方法4:レッスンの予習をすること

レッスンの効果を最大化するためには、レッスンの予習も大事です。とは言え、仕事や家事で忙しいのに、そんなに長時間予習に時間を割く必要はありません。予習が大変でレッスンが億劫になって、レッスンをやりたくなくなってしまったら、本末転倒ですからね。

レッスン前のほんの15分程度でいいので、時間を取って、「今日はこれについてレッスンを受けたいな」または「今日はこれについて先生に話してみよう」という大まかなテーマを決めましょう。

そして、先生に話してみたいことを英語にしてみようとします。すると、「これは英語で何と言ったらいいのかな?」ということが必ず出てくるはずです。そこで、その表現や単語を辞書で調べてください。

使う辞書は、アルクの英辞郎をお勧めします。単語だけでなく、使えそうな表現がまるごと見つかりますので、それを元にあなたの状況に合わせてアレンジしてください。

できれば、豊富な例文データベースが使える「英辞郎Pro」(1ヶ月あたり275円)をお勧めしますが、無料版でも十分使えます。

 

そして、レッスン前にウォームアップをしておくこともお勧めします。具体的には、瞬間英作文や音読をほんの5分でもいいのでやってみるんです。口の動きが滑らかになり、いきなりレッスン本番で英語を話すより、スラッと言葉が出てくるはずです。

声に出して瞬間英作文をやれば、口が滑らかになるだけではなく、言いたいことをさっと英語にする回路も活発になり、レッスン開始直後からトップスピードで頭が回転します。

 

最後に、これはレッスン直前にやることではありませんが、普段の英語学習のときに「これは自分の生活や仕事内容に合っている、役立ちそうな表現だな」と思ったフレーズを書き留め、それを次の先生とのレッスンで使ってみることです。

「この表現、便利そうだな」と思っても、使わないとすぐに忘れてしまいますし、書き留めただけではどうせ身につきません。覚えたいものは、積極的に次のレッスンで使うようにしましょう。

事前に書き留めておいたフレーズをレッスン前に見て、「よし、今日はこの表現をどこかで使ってみよう」と意識してみてください。

実は、仮にレッスンで使えるチャンスがなかったとしても、「この○○というフレーズ、いつ使えるかな?今使うと変かな?」と考えるというプロセスそのものが、あなたにそのフレーズが定着するのを助けてくれたりします。(でも、もちろん使えるなら使った方がいいですけどね。)

 

方法5:目的を明確にしてレッスンを受けること

英会話レッスンを受けるときに重要なのは、レッスンの内容を先生任せにするのではなく、「今日は何を学ぼうか?」「今日は何について先生と話そうか?」という目的を明確にして臨むことです。

「何のために自分は英会話力を上達したいのか」を常に意識して、それに必要なレッスンを受けようという心がけが大事です。

 

「今日は○○について話したいです」と先生にあなたからテーマを振りましょう。

「今度、仕事で電話会議があるんです」とあなたが言えば、先生が「じゃあ今日は、会議の進行に必要な英語表現をやりましょう」「会議のロールプレイングをしましょうか?」などと言ってくれたりします。あなたに役立つレッスン内容を先生から引き出すイメージです。

 

英会話レッスンで最も手っ取り早い「フリートーク」には、注意が必要です。

先生にお任せでフリートークをしていると、会話が思わぬ方向に進み、自分の現実の生活ではまずしないようなジャンルの会話、使わないであろうフレーズを習ってしまったりするものです。これでは、せっかくのレッスンの時間が効果的に使えませんよね。

なので、フリートークをする場合、具体的に「今後仕事で知り合った人とこんな会話をすることがあるかもしれないな」など、自分の目的に合っていると思えるような内容でフリートークをすることが重要です。

または、自分が情熱を傾けている趣味や経験について話すと盛り上がるし、それについて先生の国の事情や先生自身の体験を聞けたりして楽しいので、英会話を続けるモチベーションになります。

いずれにしても、フリートークのトピックは先生ではなくあなたが選ぶことが大事です。

 

それに関連して、レッスン最初のスモールトークで、たとえば「週末は何をしましたか?」と先生に質問をされたあなたは、「ゴルフに行きました」とその週末のメインイベントを正直に答える。よくある光景ですよね。

すると、先生が「そうですか!スコアはどうでしたか?」と聞いてきたりして、あなたもそれに正直に答えて、先生もゴルフが好きだったりすると、ゴルフについての話がはずんでしまったりします。

あなたがそのレッスンで先生と話したかったのは英語の電話会議のことだったとしても、その後に話題を軌道修正して電話会議のことに持っていくのは至難の業です。

特に日本人は、相手の先生も盛り上げようとして話をしているところに「ところで今日は、英語の電話会議の練習をしたいんです」なんて言うのは失礼なんじゃないか・・・と気を使ってなかなか言い出せないところがあります。

 

もちろん、ゴルフで盛り上がっていい時間を過ごせたらそれもまた良しなのですが、「英語の電話会議が間近に迫っているから、その準備をしたい」という明確な目的があってレッスンを受けているのなら、最初から電話会議に自然に話が進むようなスモールトークをすることが大事です。

どうするかというと、「週末に何をしたか」という質問には、「もうすぐ英語の電話会議があるので、その準備をしていました」と回答するということです。それがあなたの週末のメインイベントではなかったとしても。

すると、会話が自動的にその流れになり、先生も「そうなんですか?何についての会議ですか?」「じゃあ、今日は英語の会議の進行に役立つ表現を学びましょうか?」と、それについての話を振ったりレッスン内容を提案してくれますよ。

 

「英文記事を使ったレッスン」にも注意です。

学校側が用意した英文記事を使う場合、自分の仕事や趣味に全く関係のない、興味を持てないし自分の意見も特に浮かばない内容の新聞記事を先生が選んでしまう可能性もあります。

そして、その記事を先生の前で音読して、分からない単語の意味を先生に解説してもらって、ほんのちょっとディスカッションをしたら、もうレッスン時間が終わり・・・なんてことになると、悲惨です。

残念ながら、そのレッスンはほとんどあなたの身にならずに終わってしまいます。あなた自身が興味を持てない、あなたの生活や仕事に関係のない記事に関して先生に解説してもらった単語なんて、すぐに忘れてしまうからです。

 

英文記事を使うなら、あなたの仕事や趣味に関係のあるトピックをあなた自身が選ぶことが大事です。そして、可能なら単語の意味は事前に調べておきましょう。先生に単語の意味を説明してもらって時間がつぶれることを避けるためです。

音読も、レッスン前に自分で最低1回は読んでおくことをお勧めします。レッスン時間では、その記事をもとに先生とディスカッションをして理解を深めながら、その話題に出てきた単語や表現を少しでも多く身につけることが大事です。

 

英会話レッスンはどのくらいの頻度で受けるべきか?

通学型のレッスンであれば、一般的には週1回40〜50分というのが一般的です。私たちが「英語のレッスンを受けよう」と思ったら、まず考えるのは週1回だと思います。

でも、仮に週40分のレッスンを受けるとすると、1年間でたった32時間(1日と8時間)にしかなりません。それでは、英会話がほとんど上達しないであろうことは分かりますよね。

ですので、私のお勧めは週に1時間半〜2時間程度の英会話の時間を取ることです。頻度は、週3〜4回がちょうどいいと思います。

 

ただしその場合、従来の英会話スクール(通学型)でマンツーマンで週3回もレッスンを受けると、なんと月に10万円もの授業料がかかってしまいます。また、英会話スクールに週3回も通うとなると、通学にかかる時間もバカになりません。

なので、お勧めはスカイプ英会話レッスンです。オンライン英会話であれば1レッスンあたり数百円で、毎日レッスンを受け放題で5,000円前後の所が多く、自宅でレッスンを受けられます。

 

なお、あくまでも週2時間、3〜4回というのは目安です。あなたがどの程度の時間を英語の勉強に割くことができて、どの程度をレッスン以外の勉強に費やせるか次第です。

1日30分の勉強が精一杯という場合、週3回もレッスンを受けていると、レッスンの日はレッスン以外のことは何もできず、レッスンがない日はレッスンの予習復習と準備で終わってしまいます。

これではリスニングや文法などの勉強をする時間がなくなり、総合的な英語力は伸びていきません。このような場合はレッスンを週2回に減らすなどして、リスニング、瞬間英作文などの時間も確保してくださいね。

 

が、「オンライン英会話なら毎日受け放題(※全てがそうではありませんが)だし、せっかくだから毎日受けたい!」という人も多いと思います。

毎日の勉強時間が多めに取れる人であれば、ぜひ挑戦することをお勧めします。英会話は場数を踏むことでだんだんとレスポンスが早くなったり、恥ずかしさが消えていくものなので、レッスンを毎日受けるに越したことはありません。

ただし、30分英語を話し続けるというのは、かなり体力を消耗します。毎日レッスンを受けて、その後に頭が疲れて勉強する気が失せてしまった・・・とならないように気をつけてくださいね。

 

先生はネイティブでなくても大丈夫?

通学型の英会話スクールの場合、ほとんどがアメリカ人、オーストラリア人などの英語ネイティブだと思いますが、オンライン英会話講師で最も多いのはフィリピン人です。最近はそれに加えて、セルビアやクロアチアなど東欧系の講師も増えています。

こういった講師たちは英語のネイティブスピーカーではありません。ですので、「ネイティブじゃない人から英語を習って大丈夫?」と少し心配になるかもしれません。

 

結論から言うと、先生がネイティブでなくても全く心配ありません。もちろん、全ての講師が素晴らしいかどうかは実際にやってみなければ分かりませんが、それは相手がネイティブだろうがノンネイティブだろうが、同じことですよね。

フィリピンにしろクロアチアにしろ、小学校から英語を学びます。大学の授業が英語で行われたり、テレビで英語圏のドラマや映画が字幕も吹替もなしで放送されていたりするので、英語には幼少期から日常的になじんでいるので、講師はハイレベルな英語力の持ち主ばかりです。発音も、とてもきれいです。

ただし、ネイティブではないのでネイティブと全くと同じとはいきませんし、ネイティブと比較すると語彙数が少なかったり発音に多少訛りがあったりはします。

でも、英会話レッスンは、先生がどれほど素晴らしい発音で話すか、どれだけ語彙が豊富かに価値があるのではなく、「あなたが英語で話す」ことに価値があり、そのためにお金を払うんです。

 

「フィリピン人講師の強い訛りやイントネーションが気になる。自分の子供にレッスンを受けさせることも考えているが、子供は大人より影響を受けやすいので、やはりネイティブの英語を聞かせたい」

というメールを以前いただいたことがありますが、「訛り」というのは実は「ネイティブ」かどうかが問題ではなく、その人の出身地に左右されることです。私も広島出身なので、日本語のイントネーションは訛っています(笑)。

私がよく観ているイギリスのテレビ番組では、イギリス北部出身の若い女性ホストが強烈な発音(私にとっては)で話します。「away」は「アウィー」、「up」は「オップ」、「myself」は「ミーセーフ」とか。アクセントの置き所もアメリカ英語と全然違って、聞き取るのにとても苦労します。その女性はイギリス生まれ、イギリス育ちの正真正銘ネイティブです。

 

日本人だって、「ネイティブの日本語」を操る人が関東の人なのか、関西の人なのか、東北の人なのか、九州の人なのかで訛りが全く違います。日本という一つの国ですらそうなのです。ましてや、世界各国に「ネイティブスピーカー」がいる英語では、日本語よりずっと多様性があるのは当然です。

なので、「ネイティブかどうか」を気にするより、その先生のアクセントや訛りが自分にとって受け入れられるかどうかで決めれば良いと思います。

英語の先生として不適切なほど英語力が低かったり、訛りがひどい非ネイティブは問題外ですが、仮にそんな先生に当たったとしたら、先生を替えてもらえれば済むことですし、日頃の練習のときに「訛りのない」英語素材を使ってリスニングや発音練習をすればいいだけです。

フィリピン人などネイティブではない講師のオンライン英語レッスンを受けることで生じる不都合は、心配する必要はありません。

 

先生の訛りに影響を受けて自分の英語が大きく訛ったりなんてまずしませんし、フィリピン人とたくさん英会話の練習をしたからってアメリカ英語やイギリス英語が聞こえなくなるなんてこともあり得ませんので、心配は無用です。

ていうか、そんなにレッスンの効果がすぐに出るなら、日本人の英語学習者は誰も苦労しません!(笑)

 

スカイプ英会話の先生は毎回同じ人がいい?

先生が毎回同じなことが多い通学型の英会話スクールに対して、オンライン英会話ではいつも同じ先生のレッスンの予約ができるとは限りません。人気の先生だとなかなか予約が取れなかったり、その先生とスケジュールが合わないことも多いですよね。

毎回違う先生になっても大丈夫?やっぱり同じ先生の方がいいのか?と悩んでいる人のために、それぞれのいい点と悪い点を挙げてみます。

 

<同じ先生にレッスンを受ける良い点>

先生がいつも同じだと、あなたのこれまでの取り組みや成長度合いを把握しているので、レッスンの成果が出ているかという長期的な視点でレッスンを受けることが可能です。また、毎回いちいち言わなくても、あなたの目的を分かってくれていて、それに沿った授業をしてくれます。

自分とフィーリングが合い、良いレッスンをしてくれる先生が見つかれば、その先生からレッスンを受け続けることができればそれに越したことはありません。

 

<同じ先生にレッスンを受ける悪い点>

いい意味でも悪い意味でも、お互いの英語に慣れてしまうところがあります。先生はあなたの話し方のクセや性格、志向などが分かっているので、あなたがちゃんとした英語で伝えられなくても、先生には伝わってしまうという状況になりやすいです。

また、あなたも先生の声質や訛りに慣れてしまうので、その先生以外の人の英語を聞いた時に面食らうかもしれません。

 

<違う先生にレッスンを受ける良い点>

先生が毎回違う場合、いろんなアクセントや癖に慣れることができます。顔なじみの先生ならリラックスして話せるけど、初対面の外国人相手だと緊張してしまう・・・ということがなくなり、相手が誰でも、初対面であっても、臆せず話すことができるようになるります。

初対面の外国人と接することが多い仕事や活動をしたい人には、特に役立ちます。

 

<違う先生にレッスンを受ける悪い点>

毎回自己紹介をしなければいけないので、それでレッスン時間の半分が終わってしまいます。自己紹介が上手にスラスラ言えるようになるという面はありますが、自己紹介の先のビジネスで英語を使いたいといった目的がある場合には、あまり都合が良くない場合があります。

 

それぞれのこういった長所と短所を理解した上で、私は「ハイブリッド型」でレッスンを受けるのが一番いいと思います。

つまり、同じ先生の予約が取れる時は、自分の気に入っている良いレッスンをしてくれる先生をいつも選ぶといいです。そして、あなたの英語力がちゃんとアップしているのか、もっと伸ばすためにはどんなことをしていけばいいのか、その先生と長期的な視点で相談してみましょう。

でも、その先生との予約が取れない時は、それはそれでいいチャンスだと捉えて、積極的にいろんな先生と話してみましょう。

もしも普段の先生が若い女性の場合、男性講師や年配の講師を選んでみるなど、努めていろんな年代、経歴、国籍、違う性別の人を選ぶといいです。それによって、いろんな先生のアクセントや癖に慣れることができます。

 

毎回自己紹介の時間がかかってしまうという問題については、簡単な解決策があります。それは、「その日のレッスンの目的に関係ないことは話さない」ということです。

仕事で使える英会話力を身につけたいのなら、自己紹介で趣味とか家族のことについて話さなければいいのです。あなたの仕事についての自己紹介をし、「だから英語の電話を取る練習がしたい」といったことを伝えると、余計な話をせずすぐにレッスンに入れますよ。

 

使えるオンライン英会話フレーズ20選

オンラインスカイプレッスンをしてみたい!でも、もしネットのトラブルなどがあったらどうしよう?ちゃんと話せるかな?と、最初は誰でも不安なものです。

その不安を少しでも取り除くために、回線トラブルを含むいろんなシーンで使える便利なフレーズをピックアップしました。できるだけ短く、初心者の方でもシンプルに言える形にしています。(ネイティブチェック済みです!)

<挨拶>

* Hello. Nice to meet you.
こんにちは。はじめまして。

* How are you today?
お元気ですか?

* I’m doing well.
元気です。

* How have you been?
お元気でしたか?(過去に話したことのある先生に対して)

* I’m so happy to see you again!
またお話しできてうれしいです。

 

<PCトラブル>

* I can’t hear you.
聞こえません。

* Can you see me and hear me?
私が見えますか?聞こえますか?

* The connection is dropping.
ネット回線の接続が悪いです。

* Let me call you right back.
すぐにかけ直します。

* I’ll try rebooting my computer.
パソコンを再起動してみます。

* I’ll try restarting skype.
スカイプを再起動してみます。

* Could you repeat that? You broke up.
もう一度言っていただけますか?音声が途切れて聞こえませんでした。

 

<先生の言葉が分からないとき>

* I’m sorry, I didn’t catch that.
あなたが言ったことが理解できませんでした。

* Could you say that again?
もう一度言っていただけますか?

* Could you text that to me?
それをチャットで(チャットボックスに)タイプしていただけますか?

 

<レッスン内容の提案>

* Today, could you help me prepare for XX?
今日はXXの準備を手伝っていただけますか?
(XX = an upcoming meeting in Englishなど)

* Today, could we talk about XX?
今日はXXについて先生と話したいのですが。

 

<レッスン中のトラブル>

* I’m sorry. Could you excuse me for a minute?
すみません。ちょっとだけ席を外していいですか?

* Please excuse XX.
XXがうるさくてすみません。
(XX = the noise/my dog/my childrenなど、レッスンを邪魔する音や人)

 

<レッスンの終わりに>

* I had a lot of fun talking with you today.
今日のレッスン、とても楽しかったです。

 

効果絶大!ロールプレイング英会話

練習なしでいきなり本番でうまくいくことはないのは、英会話だけでなくても何でも同じです。そこで、英会話レッスンでぜひ取り入れて欲しいのが、ロールプレイングです。

日本の普通の新人研修でも、電話応対のロールプレイングをやりますよね。私も、接客業のアルバイトの時だけでなく、通訳時代にもロールプレイングを上司とやったことがあります。

ロールプレイングと言うと、「なんか恥ずかしいし、寒い」とどうしても思ってしまいますが、恥ずかしさや照れを捨てないと英語は上手になりません。オンライン英会話の先生もノリノリでやってくれる人がほとんど(それが仕事)なので、遠慮せず先生に「今日は○○のロールプレイングがやりたいです!」とお願いしましょう。

 

とは言え、いきなり何の準備もなしにロールプレイングは難しく、すぐに沈黙してしまう可能性大なので、最初にある程度の台本を決めておいた方がいいです。

たとえば、電話応対のロールプレイングをしたいなら、ネットで「電話応対 英語」で検索するとたくさんの英語例文が見つかるので、それを参考にして大まかな台本を作ります。そして、自分の会社だったらどんな表現が必要になるのかを考えて、アレンジを加えるとさらにいいです。

電話応対と言っても、「相手が留守で、伝言を残したいとき」「商品についての問い合せのとき」「クレーム」など、いろんなシチュエーションが考えられますので、あなたの目的に合った短い台本を作ってみるといいです。

先生にもそれを見てもらって、修正するべき英語があったら直してもらいます。その後、最初は先生と台本通りに練習し、慣れたら先生に台本以外のせりふを混ぜてもらって、自分が瞬間的に予想外の事態に対応できるように鍛えてもらうといいですね。

 

他にも、あなたの目的が旅行で英語を使うことで、近々海外旅行の予定があるなら

* 入国審査
* レストランでの注文
* ホテルのチェックイン
* 切符を買う
* 買い物

こういった場面を想定したロールプレイングを先生としてみるのも、すごく役に立ちますよ。

 

英語ミーティングのシミュレーション(模擬英語会議)

たとえばあなたの会社の英語で行われるミーティングで、あなたが資料を元に英語を説明する場面を想定して、実際に先生の前でやってみるという練習もものすごくお勧めです。

あなたの会社で実際に使われている会議資料に似せた資料を作って(数字を変えるなどして)、それを先生に見てもらいながらあなたが英語で説明する練習をするのです。かなりの臨場感を持ってレッスンができます。今後そういった場面が実際にあった時にも、役立つはずです。(お勤めの会社の情報漏えいにならないように注意してくださいね)

そして、先生にもいろいろ質問してもらいましょう。

「どうしてこの年は売上がこんなに落ちたのですか?」「このプロジェクトはいつ頃完了予定ですか?」などと英語で質問をしてもらい、それをちゃんと理解して、自分の言葉でその理由を(たどたどしくても)説明できるようになったら、すごく自信がつきますよ。

 

実は私自身も、通訳として採用されたばかりの頃に、通訳トレーニングの一環としてこうやって先輩に鍛えてもらいました。

具体的には、私が通訳として出席する予定の会議資料を使って、先輩が発表者の役を演じて日本語でその資料を説明し、私がそれを英語に訳していく、質疑応答で想定される質問やその回答を先輩が日本語で言い、それを私が英訳するという練習を何度もやりました。

そして、その場で私の英語を訂正してもらったり、用語や表現についてアドバイスをもらいました。

実際に、先輩の予想通りの質問が出ることもよくありました。そうやって「模擬会議」を先輩とたくさんやったことで、会議で英語で話す感覚も早くつかめたと思います。

 

この「模擬英語会議」は、同じ資料を使って複数の先生と一緒にやってみることをお勧めします。レッスンを重ねるごとにあなたの英語での説明もスムーズになりますし、表現も改良されていきます。

先生によって視点が違うので、いろんな角度からの質問ももらえます。何度も繰り返すうちに、「この資料についてなら、だいたいどんな質問が来ても大丈夫だな」と思えるようになるはずです。

こういった練習を重ねていけば、あなたが「英語を使って仕事でバリバリ活躍する」状態がどんどん現実的になってきますよ。

 

外資系企業への転職を見据えて、模擬英語面接にチャレンジ

最後に、英語を使って仕事をするなら現状では転職が必要な場合、たとえば外資系企業に転職することを想定して、先生と模擬英語面接をすることも非常にお勧めです。

まずはあなたの経歴や持っているスキルを英語で言えるようにして、それを先生の前で話してみましょう。すると、ほとんどの方は「それだと謙虚すぎるから、もっと大きくアピールした方がいい」と言われると思うので(笑)、先生と相談しながら表現を磨いていってください。

そして、先生に面接官を演じてもらって、質問してもらいましょう。「どんな職種を希望していますか?」といった想定内の質問だけでなく、「弊社があなたを雇うべき理由は?」「給与はどのくらいを希望しますか?」「あなたの信条は?」など、日本語でもタジタジするような質問が出てくると思います。

これも、何の準備もなくロールプレイングをしてもほぼ何も言えないので、「英語面接」などとGoogle検索して、英語の採用面接でよく聞かれる質問をピックアップし、それに対する自分の回答を考えて、それをあらかじめ英語にして臨みましょう。

そして、先生から聞かれてうまく答えられなかった質問についても、レッスンの後で考え直し、英語にしてみることをお勧めします。

 

なお、英語面接の内容は「暗記」をすると、思い出そうとしてしくじる確率が高くなります!不安だから丸暗記をしてしまいたくなるのですが、暗記したものを言っている不自然さは、すぐに面接官に見抜かれます。あなたの熱意や魅力も、相手には伝わりにくくなります。

なので、英語面接をいろんな先生と何度も練習し、暗記からではなく自分の言葉としていろんな質問に対応できるようになるように、練習を積みましょう。そして、「瞬間英作文」をレッスン外に行うことをお勧めします。言いたいことが即座に自分の言葉で伝えられるようになりますよ。

 

まとめ

今日は、英会話レッスンを効果的に活用する方法についてお話ししました。

「英会話レッスンに何年も通っているけど、いっこうに話せるようにならない」となってしまう原因は、

・レッスン以外の時間でほとんど勉強時間を取っていない
・先生にレッスンを丸投げしている
・マンツーマンではないので、自分の話している時間はほんの5分程度
・先生に文法や語彙の説明をさせている

といったことでした。

 

英会話レッスンの効果を最大化するためには、「自分は英会話ができるようになって何がしたいのか?」というイメージを明確に持って、「そのために今日のレッスンでは何を学ぶか」をはっきりさせてレッスンに臨むことが何より重要です。

そして、「今日学びたいこと」に沿ったレッスンになるように、自分から会話を誘導し(その目的に関係のないことは話さないなど)、日頃の自主勉強をきちんと行い、積極的にロールプレイングなどを提案していくことです。

これまでの「お金ばかりかかって、全然上達しない」という状態から抜け出すことができます。

 

ぜひ、上手に英会話レッスンを利用して、高い英会話力を身につけてくださいね。

 

英語学習者に必須の3ツール(MP3プレーヤー、Bluetoothイヤホン、防水スピーカー)【2018年版】

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英語の勉強時間がなかなか確保できない忙しい大人は、どうやって英語力を伸ばせばいいのでしょうか?

仕事や子育てに毎日忙しい大人が効率よく英語を習得するには、「耳が暇な時間」をフル活用することが不可欠です。

 

耳が暇な時間とは?

耳が暇な時間というのは、「目や手はふさがっているけど、耳は空いている時間」のことで、たとえば、家事をしている時などです。

お皿を洗っている時って、手は濡れて泡々なのでテキストをめくったりすることはできませんし、目は手元を見ていないといけないので、何かを読むことも難しいですよね。

でも、お皿洗いの時の「耳」はどういう状態かと言うと、テレビの音声とか、外を走る車の音とか、生活の雑音が聞こえるだけです。なので、こういう「手と目は忙しいけど、耳は暇」な時間をリスニングに費やすのです。

耳が暇な時間は、ほかにこんなものがあります。

  • 通勤時間
  • 運転している時間
  • 洗濯物を干している時間、たたんでいる時間
  • お皿洗いの時間
  • 料理中
  • お風呂に入っている時間
  • 身支度の時間
  • 掃除中
  • 犬の散歩中

 

私自身も、こういったスキマ時間を利用して英語の勉強時間を積み重ねてきました。実際、高い英語力を身につけた人で、この「耳が暇」な時間を活用していない人を私は知りません。

そんな、耳が暇な時間を効率よく使って英語を身につけるために絶対に必要なツールがあるのですが、このページでは、2018年現在私が愛用している英語学習効率化のための「三種の神器」をご紹介します。

 

1. iPhoneあるいはAndroidスマートフォン、またはiPod touch

iphone

英語がいつでもどこでも、耳が暇になったらすぐ聞けるようにするために、持ち運び可能な小型のMP3プレーヤーは英語学習者には絶対にマストです。

以前は、私は小型のiPod shuffleやソニーのWALKMAN等をお勧めしていたこともありますが、今はもうメインのmp3プレーヤーとしては推しません。今からどうせお金をかけるなら、iPhoneかAndroidスマートフォンを英語学習用に使うことを最もお勧めします。

ガラケー派の方は、ぜひiPod touchを手に入れてください。iPod touchとは、iPhoneの電話機能がないバージョンです(アプリを使えば通話も可能)。ご自宅にWifi環境があれば、端末の購入費しか必要ではありません。

「スマホだと日常の英語学習には重くて持ち運びが不便」と思う方もいると思いますが、その解決策については「2. 快適な英語リスニングのためのBluetoothイヤホン」で後述します。

ここでiPod touchに投資するか、それともその他のwalkmanや安価なmp3プレーヤーで済ませるかで、あなたの今後の英語学習の効率が大きく変わってきます!

 

iPhone/AndroidスマホまたはiPod touchが英語学習に最も適している理由

1.英語学習にはスマホの方が小型mp3プレーヤーより操作効率が格段にいい

ちょっとした「スキマ時間」や「ながら時間」を活用して英語を聞くためには、操作が効率よくできないと話になりません。その点、小型で液晶画面が小さい(あるいは液晶がない)MP3プレーヤーは、どうしても操作性が悪いのです。

具体的には、walkmanなどのmp3プレーヤーは、機種にもよりますが、曲送りはできても数秒単位の早送りや巻き戻しができない(または操作が面倒な)場合が多いです。

英語教材を聞いている時に、聞き取れなかった時にちょっとした巻き戻しができないのは致命的です。こういうプレーヤーは、主に音楽を聴くために作られているので、早送りや巻き戻しは重要視されてないのですよね・・・。

また、スポーツ仕様のwalkmanなど液晶画面がないプレーヤーの場合、一つ一つ曲送りをして聞きながら目当てのトラックを探す必要があるので、これも効率の良さで言うとかなり時間のロスになります。

一方、スマートフォンやiPod touchであればアプリを使って英語音声を聞くことになりますが、トラック探し、早送り、巻き戻し、曲送りが簡単です。

さらに、再生速度の変更に対応しているアプリを使えば、倍速、1/2倍速などスピードも自由に変えることができます。

時間節約のために日本語の解説音声は2倍速で聞く、何度も聞いてよく理解している英語音声は負荷を上げるために1.5倍速で聞く、どうしても聞き取りにくい英語は1/2倍速で聞くなど、再生速度が変更できるアプリを使うことには大きな利点があります。

 

2.スマホ・iPod touchでなければ使えない機能、アプリが英語学習に重宝する

TED(各界の著名人による英語スピーチを無料で視聴できるサービス)Podcast(ネットで配信される無料のラジオ番組のようなサービス)など、最近ではネット上で無料で手に入る良質の英語音声や動画がとても多くなりました。

また、audibleやFebe(日本語)など、オーディオブックのサイトもすごく充実してきていて、私は日本語オーディオブックも含め、1日1冊くらいのペースで聞いています。

以下は、実際に私がiPhoneで視聴している英語コンテンツをキャプチャーしたものです。(※audibleは日本語のオーディオブックも混じっています)

ted  ポッドキャスト  オーディブル

オーディオブックに関する参考記事:

英語のオーディオブックのおすすめサイト比較:Audible, amazon, iTunes

 

上で挙げたTED、ポッドキャストやオーディオブックでは、あらゆるジャンルの英語を聞きながら趣味を楽しんだりビジネスの知識を深めたりすることができます。海外ニュースを聞くこともできるし、最新のビジネストレンドに触れることも可能です。

私自身、TEDやポッドキャストで興味のあるモチベーション維持や時間管理について学んだり、オーディオブックで健康や資産形成関連の本を聞いたりして、英語学習をしながら情報収集や学びを得ています。

中学生、高校生向けの素材を使って英語のリスニングをするより、自分の趣味や仕事に関連した話題の英語素材を聞けたらずっと楽しいですよね。こういったコンテンツをフル活用することで、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」へのレベルアップができます。

 

でも、これらのポッドキャスト等のコンテンツは、小さいMP3プレーヤーで聞こうとすると、きっと心が折れます。

なぜかと言うと、「パソコンを立ち上げる→Podcastやオーディオブックをパソコンにダウンロードする→MP3プレーヤーをパソコンに接続する→iTunes経由で音声データを同期する」という作業を毎回行うのが超絶面倒だからです。

Podcastは数日に1回とかの頻度で新しいエピソードがアップされるので、その都度パソコンにiTunesからMP3プレーヤーにデータを移していたら時間的なロスが多くなってしまい、せっかくのスキマ時間がその作業で終わってしまいます。

ですが、スマートフォンやiPod touchの場合、アプリから直接ダウンロードできるんです。TEDアプリ、audibleアプリ、Podcastアプリはいずれも無料で、ネットにつながった環境でアプリ上で音声をダウンロードするだけでOKです。パソコンに接続する必要はありません。

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このようなアプリから、興味のあるエピソードを直接ダウンロードして、必要なくなったものはアプリからすぐ消せるので、いちいちPCを経由する必要がありません。

なお、英語のオーディオブックが買える「audible.com」については、現状ではアプリからオーディオブックを直接購入することはできませんが、audibleのサイトでオーディオブックを買うと、そのアカウントが紐づけられたスマホなどの端末のアプリに自動的にその本が表示されるようになるので、それをダウンロードするだけです。

Youtube動画なども英語学習の素材になるものはたくさんあるので、そのためにもiPhone/AndroidスマホまたはiPod touchを使うことをぜひお勧めします。

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2. 快適な英語リスニングのためのBluetoothイヤホン

通勤電車の中のスキマ時間や、家事の間のながら時間などを活用しようと思うと、「わずらわしいな」と思うことはできるだけ避けたいものです。

私は、以前、iPhoneとかに付属でついてくる普通のイヤホンをポケットの中のiPhoneにつないで、料理をしながら英語を聞いていたのですが、手元で常にコードがぶらぶらするし、すぐにコードを引っ掛けてしまって本当に邪魔でした。

電車の中などでも、カバンの中のiPhoneからコードが出てると、すぐ腕とかに引っ掛けて耳から外れちゃうんですよね・・・で、その結果、Bluetoothのワイヤレスイヤホンを使うようになりました。

 

Bluetooth(ブルートゥース)とは何かというと、パソコンや携帯電話とイヤホンなどの周辺機器を、ケーブルを使わずにワイヤレスで接続して音声やデータをやりとりする仕組みのことです。

私は、いったんBluetoothのイヤホンを使い出すと、もう以前のコードありのイヤホンには戻れなくなりました。メルマガでもBluetoothイヤホン快適ですよ〜と勧めたら、実際に使い始めた方から「なんて快適なんだと感動してます!もう以前のイヤホンには戻れません」って何通もメールをもらっているくらいです。

Bluetoothイヤホンがあれば、iPhoneをカバンに入れたまま、iPhoneに入れている英語素材をBluetoothイヤホンを使ってワイヤレスで聞くことができます。超便利です。

私は毎朝、iPhoneを書斎に置いたままで、イヤホンだけを装着してオーディオブックを聴きながらキッチンで食洗機のお皿を片付け、水回りの拭き掃除をし、家中に掃除機をかけ、ベランダで布団を干したりします。

少々離れても全然音が飛んだりせず、家事をしていても手元でケーブルがブラブラすることがないので、ものすご〜く楽です。だから、重いしかさばるからと小さいmp3プレーヤーを使う必要はないし、ストレスフリーです。

 

この「ながら聞き」には必須のアイテムであるBluetoothワイヤレスイヤホン、私はこれまでに色々は買って試しました。

このブログを見た販売者さんから、紹介記事を書いて欲しいと無償でイヤホンを提供されたこともありました。でも、1万円以上するイヤホンなのに、特に音質がいいわけでもないし、しかも使って1ヶ月もしないうちに片耳が聞こえなくなり・・・。もちろん記事を書くのは丁重にお断りしました。

私が色々試して、音質、使いやすさ、価格、耐久性の面から、今一番お勧めなのが、これです。2018年現在、一日も欠かさず使っています。

 

このTaoTronicsは磁石でイヤーピース同士がくっつくようになっているのですが、これはBluetoothイヤホンを選ぶときに重視した方がいいです。イヤホンを外す必要がある時は首にかけて磁石をくっつけておくと、落とす心配がないからです。

かく言う私は、磁石なしのBluetoothイヤホンを肩にかけていて何度も落として失くしそうになったことがあります。旅先のホテルでイヤホンを落としたことを気づかず家に帰ってしまい、ホテルに電話して宅配便で送ってもらったこともあります・・・

なので、まだBluetoothイヤホンをお持ちじゃなければ、まずこの金額的にも手頃なTaoTronicsを試してみるといいと思います。イヤホンの形状が耳栓タイプなので、遮音性が抜群で、電車やバス通勤で騒音の中で英語を聞くのに苦労している方にもお勧めです。

 

なお、連続再生時間が5時間程度なので、できれば2本持ちできれば理想的です。充電切れした方を充電しながらもう一本を使う、ということですね。

私自身はBluetoothイヤホンを5つくらい持ってますが、交互に充電しては使っています。長時間外出する時は2本持って行って、1本の充電が切れたらモバイルバッテリーで充電しながらもう1本を使います。

私は以下のモバイルバッテリーを使っていますが、これでイヤホンだけじゃなくiPhoneも充電できるので、長時間の外出時はかなり重宝します。

 

3. お風呂で英語を聞くための防水スピーカー

お風呂でリラックスする時間すらも英語を聞く時間にすると、リスニング時間がかなり上乗せできます。

私たち忙しい大人は、英語「だけ」に費やせる時間はなかなか確保できないので、お風呂タイムなど毎日消費しなければいけない時間に英語を組み合わせて「ちり積も」方式で英語時間を増やすのが大事です。

私は、10年以上前のポータブルMDプレーヤーとかの時代から、それを防水スピーカーの中に入れて頑丈な蓋を閉めてお風呂に持ち込み、湯船で英語をながら聞きし、シャドーイングなどをしてきました。

最近は、防水スピーカーもbluetoothの安くて良いのが出ていて、昔みたいに、プレーヤーそのものをスピーカーに入れてお風呂に持ち込む必要がなくなりました。

2018年現在、私が愛用しているスピーカーは、これです。

 

これも、手頃な価格ですがめちゃくちゃいいです。毎日、これでお風呂に浸かりながらオーディオブックを聞いています。こちらもBluetoothなので、無線でiPhoneに接続してiPhoneの音声をスピーカーから出すことが可能です。

で、お風呂から上がって洗面台で化粧水とかをつけたりする時はそのままスピーカーをお風呂から持って出て、洗面台に置いて続きを聴きながら保湿とかをしています。

男性はお風呂から出たらしゃしゃーっと終わるのでしょうけど、女性はいろいろ塗らないといけないのでね・・・笑

お風呂で使わないといけないという決まりは何もないので、お風呂以外のところでスピーカーから音を流したい時もこれを使ってもいいです。

あ、ちなみに、洗面所で髪の毛をドライヤーで乾かす時はスピーカーからの音だと聞こえないので、上のbluetoothイヤホンを装着してオーディオブックを聞きながら乾かします。イヤホンを使えば、ドライヤーをしながらでも聞こえますよ。

 

というわけで、2018年現在、私が毎日愛用して英語学習に役立てているツールをご紹介しました!

あなたの英語学習にも、ぜひ採用してみてください。

ディクテーションで英語力に革命が起きる!効果と正しいやり方を徹底解説

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私は「リスニング力を上げるための勉強法を教えてください」と言われたら、たいてい「とりあえずディクテーションしましょう!」と言っているくらいですが、それほど私自身のリスニング力を激変させた勉強法であり、取り組んで大きくリスニング力が伸びた人もたくさん見てきました。

ディクテーションというのは、「テキストを見ずに英語を聞き取って、それを書き起こす」というトレーニング法ですが、よく読者さんからこんな質問をいただきます。

「ディクテーションって、結構時間がかかりますよね。同じ時間を使うなら、より多くの素材を聞いて、聞き取れないところはスクリプトを見て確認する方が勉強の効率がいいと思うんですけど、実際ディクテーションってやる意味あるんでしょうか?」

私の答えは・・・
「はい、やる意味あるんです!大アリなんです!!」

私自身、ディクテーションをやる以前は、英語を聞いたときに「だいたい分かったんだけど、ここの部分の理解がちょっとあいまいかも・・・」みたいなところをどうして良いかわからなかったんですね。だから、いつまでたっても、だいたい分かるような気がするけど細かいところはよく分からない状態からは抜け出せませんでした。「じゃあ、さっきの話を要約して」とか「議事録にまとめて」なんてことを言われると、お手上げでした。

でも、ディクテーションを行ったことで(私の場合は1000時間ヒアリングマラソンがディクテーションをやるきっかけでした)見て見ぬふりをしていた自分の弱点に気づいて、リスニング力を大きく伸ばすことができました。

「だいたい分かるけど、細かいところは・・・」という壁にぶち当たって悩んでいる人には、とてもおすすめの勉強法です。あなたの英語力に、革命が起きます。

後ほど詳しく紹介しますが、ただのリスニング力アップのトレーニングではなく、英語力が総合的に上がる、とっても奥が深い勉強法なんですよ。

このページでは、そのディクテーションのやり方と効果、教材について徹底的に解説します!

 

1.ディクテーションとは?ディクテーションの正しいやり方

ディクテーションとは、「英語の音声を聞き取って、それを一語一句書き起こしていく」というトレーニング法です。

実際にあなたに体験していただくのが一番早いので、試しに、以下の音声を聞いて、ちょっとだけディクテーションをしてみましょう。10秒間の音声ですので、聞いて書き取ってみてください。
手書きでも、PCでタイプでもどっちでも構いません。

 

いかがでしょうか?たった10秒ですが、全部書き取れましたか?

では、答えは、以下です。あなたが書き起こした英語が正しかったかどうか、答え合わせをしてみてください。

These are the short conversations we have at parties, while we wait in line at the store, at family events or work.

あなたの現在のレベルによって、手応えの感覚は違うと思いますが、内容的にはだいたい分かったかな~と思っても、いざ書き起こそうとしてみると、細かいところであちこち聞き取れない部分があったのではないでしょうか?たとえば、「while」が聞き取れなかったとか、冠詞のtheが抜けていたとか。

このように、ディクテーションをすると自分が聞き取れなかった部分の誤魔化しがきかないので、弱点を認識し、英語力を強化することができるようになります。

これが、ディクテーションという勉強法です。

 

2.ディクテーションはなぜ重要なのか?ディクテーションの3つの効果

ディクテーションをやるべき理由は何なのでしょうか?
ここでは、ディクテーションの3つの効果についてお話しします。

 

ディクテーションの効果その1:「読める英語」と「音で理解できる英語」のギャップに気づける

耳で聞いてみると難しくて何回聞いても理解できないのに、その英文を見てみたら「え!こんな簡単なことを言ってたの?」という経験、あなたにもきっとあると思います。

なぜそんなことが起きるかというと、それは音がくっついて別のように聞こえる(リエゾン)せいだったり、よく知っている単語なのに、てっきり間違った発音で覚えていたりするからです。

特にあなたが「リエゾン」(リエゾンとは、たとえばWhat aが「ワットア」じゃなく「ワラ」と発音される現象のこと)に自信がない場合は、今後ディクテーションで飛躍的にリスニング力が伸びます。

「ワラ」が「What a」のことだと分かる、というのはなかなか日本の英語教育では身につかないスキルです。でも、そういった「音の変化」の特徴を知らないとディクテーションはできませんので、リスニング力強化にこの上なく効果的です。

そういうリエゾンの知識や発音の勘違いって、普通はなかなか自分では気づくことができません。それが、ディクテーションをやることで明らかになるんですね。

 

ディクテーションの効果その2:自分の弱点がすぐにわかる

「だいたい聞き取れるし、意味も分かる」と思うスキットや教材をあえて深くつっこんで一語一句理解しようとするきっかけって、なかなかないと思います。私自身も、どうしても「意味は分かるから、いいや」と、ディクテーションをやるのが面倒に感じることがあります。

でも、そこをあえて我慢してやってみると、期待とは大違いで、全然聞き取れてないと気づくと思います。その聞き取れていないところこそが、あなたの弱点です。

・単語が分からないのか。
・熟語を知らなかったのか。
・発音を間違って覚えていたのか。
・音がくっついているから聞き取れなかったのか。
・文法的な理解があいまいだから書き取れないのか。

その原因さえわかれば、あとはそれをつぶすだけです。明らかになった弱点のつぶし方は、後ほど詳しくお伝えしますね。

 

ディクテーションの効果その3:リスニングだけでなく、英語力が総合的に向上する

ディクテーションは、実は聞こえた音をそそのまま書いていっても、正解には【絶対に】たどり着けません。

その理由は、同じ発音で違う単語もたくさんありますし、すべての単語がくっきりはっきり発音されるわけではなく、たとえば助動詞(shouldなど)は、「シュ」と聞こえるか聞こえないかぐらいにしか発音されなかったりするからです。

じゃあ、どうするのか?というと、はっきり聞き取れなかったところは内容から想像したり、文法知識で補ったり、そういうことも必要になるわけです。

この「想像する・推測して補う」という過程が、英語のリスニング力を上げるにはすごく大切なんです。

「この文章の内容からするとこっちの単語だな」と話の意味をきちんと理解して想像したり、「確かにこう聞こえるんだけど、これだとcanの後ろが過去形になっちゃうし・・・だったらこれは間違いってことだよね。じゃあ何って言ってるんだろうな~?」と、文法知識も持ち出して考えないといけないわけです。

つまり、いろんなスキルがいっぺんに伸びるすんごい勉強法だとお分かりいただけると思います。

 

3.ディクテーションの6ステップ学習法

では、実際にディクテーションをやる時の手順をステップごとに詳しく解説します。

 

ステップ1.1回目は音声を聞いて内容を理解する

いきなりディクテーションを開始するのではなく、1回目は通して聞いてまずは内容を(大まかにでもいいので)とらえましょう。

「どんな話なのかな?」とこのステップで意識しておくことで、リスニング力向上にとても重要な、「推測する・補う」準備ができます。

 

ステップ2.音声を止めながら、聞こえた英語を書き取る

書き取るときには、できるだけ「文単位」で一時停止をしてそれを書き取るようにしてください。つまり、ひとつの文章(ピリオドまで)を最後まで聞いて音声を止め、それを書き取り、聞き取れなかったら少し巻き戻してもう一度聞き、残りを書き取り、続きに進みます。

ただ、この方法ではかなりの「リテンション能力」(聞いた音を一時的に暗記する能力)が必要になります。慣れないうちは、一文を最初から最後まで聞き取って覚えておくことはなかなか難しいので、文の途中で一時停止してもOKです。そのとき、できるだけ「意味の切れ目」(=ポーズが入るところ)で止めましょう。

 

ステップ3.「もうこれ以上は書き取れる気がしないな」と感じるまで繰り返す

音声を何度か巻き戻しながら繰り返して聞き、聞き取れなかったところをだんだんと埋めていきます。

教材によっては、「聞き取れるまで100回でも聞きましょう」というものもありますが、繰り返して聞くのは5回~多くても10回程度までがいいと私は考えています。

この段階で意地でも全部聞き取るということにフォーカスするよりも、次のステップで聞き取れなかった理由を分析することの方がずっと大事です。

何回か繰り返して聞いていくと、「これ以上はいくら聞いても、聞き取れる箇所が増える気がしないな」と感じるポイントがあるはずなので、そうなったら終了です。

 

ステップ4.英文を見て答え合わせをし、正しく書き取れなかった原因を分析する

自分の書き取った英語と、英文スクリプトが合っているかどうか確認し、聞き取れなかったところ、間違っていたところをチェックします。そして、聞き取れなかった原因を分析します。

・その単語や熟語を知らなかったのか?
・知っている単語なのに、自分が思ってた発音と実際の音が違っていたのか?
・音がくっついたり、発音の変化が大きかったから聞き取れなかったのか?
・スピードが速すぎて聞き取れなかったのか?
・そもそも、何回聞いてもそう聞こえないように思える単語があったか?

を確認して、それを自分の弱点として認識します。

 

ステップ5.音読し、単語や音のリズムを確認しながら復習する

書き取りと答え合わせが終わったらそれでおしまいではなく、最後のもうひと押しです!声を出しながら、復習しましょう。声を出して単語や音の正しいリズムを確認するには、主に音読、オーバーラッピング、シャドーイングなどがあります。

<音読>

ディクテーションが終わったばかりの素材を、自分が聞き取れなかった箇所に特に注意しながら自分で2~3回音読してみましょう。「ああ、この部分はこういう音のくっつき方をするんだったな」と確認しながら、自分で声を出しながらその感覚をつかんでください。

<オーバーラッピング>

次に、オーバーラッピングを2~3回行います。
オーバーラッピングとは、英文スクリプトを見ながら英語の音声を流して、音声に自分の英語をかぶせるようにして同時進行で発音するトレーニング法です。

オーバーラッピングでは、マイペースに発音するのではなくお手本の英語と自分の声のスピード、リズム、抑揚がぴったり合うように意識してください。

ディクテーションが終わった後にこの一手間を加えるだけで、ディクテーションの効果がぐっと高まります!

 

ステップ6.日々の英語学習で、明らかになった弱点を強化する勉強をする

ステップ4で、自分の弱点が分かったらそこをちゃんと強化していくことが大事ですよね。

日々の英語学習で、その弱点を補強するトレーニングを取り入れていきましょう。具体的な弱点強化のポイントは、次のセクションでお話ししますね。

 

4.ディクテーションで聞き取れなかった原因ごとの対処法

先ほど、正しく聞き取れなかった原因を分析しましたが、ここでは、その原因ごとにどういうトレーニングをすればいいか原因別にお教えします。

 

1.単語、熟語、表現などを知らなかった

知らない単語や表現などがあった場合、自分にとって必要だな、今後使えそうだなと思ったら、覚えるようにしましょう。

なお、ディクテーションをした英文の中にいくつも知らない単語が出てくる場合は、その素材はあなたのレベルに合っていないので、素材を替えてください。知らない単語がほとんど入ってない素材を使ってディクテーションをするようにしてください。

 

2.知っている単語なのに、自分が思ってた発音と実際の音が違っていた

発音を勘違いして覚えていた単語は、しっかりチェックして勘違いを正すようにしてください。この時、必ず聞くだけじゃなく自分で発音してみながら覚えてください。

そして、間違った発音で覚えているというのは、普段から英語の読み書きしかやっていない証拠です!英語の「音」を使ったトレーニングを毎日やりましょう。

ディクテーション以外にも、リスニング、音読、シャドーイング、オーバーラッピングなどで英語の音に触れる時間を増やしてくださいね。

 

3.音がくっついたり、発音の変化が大きかったから聞き取れなかった

スクリプトを見たらこんな簡単な英語だったのかと思うのに、実際は音がくっついていて書き取れない箇所が多いな~、という場合、普段から英語をちゃんと聞くトレーニングをしていないか、または「だいたい分かった」で聞き流すくせがついています。

音の変化に強くなるのにおすすめな訓練法はシャドーイングとオーバーラッピングです。

オーバーラッピングは、先ほどもご紹介しましたが音声に自分の英語をかぶせるようにして同時進行で発音するトレーニング法です。

シャドーイングのやり方は、こちらを参考にしてください。

シャドーイングのやり方とは?TOEICリスニング満点も夢じゃない!

いきなりシャドーイングやオーバーラッピングは難しい場合(特に英語初心者、ブランクが長い方)、まずは何回も音読して、スラスラ言えるようになった素材をシャドーイングやオーバーラッピングに使ってくださいね。

 

4.スピードが速すぎて聞き取れなかった

全体的に速すぎてお手上げ、という場合は、ディクテーションに使う素材のレベルをもっと下げてください。そして、日頃から英語を聞くトレーニングをもっとやるようにしましょう。(この時も、簡単なレベルから始めてください!)

スピードが速くてついていけないと感じる場合、日頃のリスニングの習慣がないために、どんどん流れてくる英語を処理していくという頭の回路ができていないからです。

まずは簡単な英語からでいいので、英語を毎日聞くことを習慣にしましょう。リスニングのやり方は、こちらも参考にしてください。

正解リスニング学習法-初級者・中級者はこうリスニング力を伸ばせ!

次に、全体的に速すぎて自分のレベルに合っていないとは思わないけど部分的に速く聞こえるところがあるという場合は、英語の音の変化とイントネーション、リズム、抑揚(強弱)に慣れてくると解決します。上記で紹介した、音読・シャドーイング・オーバーラッピングをしっかり行ってください。

 

5.何回聞いてもそう聞こえないように思える単語があった

たとえば、さっきディクテーションをしていただいた音声ですが、何回聞いても、そう言ってるようには思えないんだよね~、って場所、あったでしょうか?

These are the short conversations we have at parties, while we wait in line at the store, at family events or work.

「while we waitの”while”って、どう聞いても”why”にしか聞こえない」とか、「at the storeの”the”が何回聞いても聞こえない」とか。

「”while”が”why”にしか聞こえない」とあなたが思った場合、実はあなたのリスニング力には何の問題もありません。私も正直、”while”には聞こえません。でも、ディクテーションをすれば、ちゃんとwhileを入れることができるんです。

なぜかというと、「”why we wait”とすると、ここでは意味が通じないから違う単語のはず。『待っている時』という感じだろうから、whyに発音が似た『〜時』って感じの単語・・・あ、whileだな!」と、文法知識を持ち出して推測で補っているからです。

「”at the store”が”at store”に聞こえる」というも同様で、at storeは文法的に間違いだから何か冠詞が入るはず、と推測して文脈などから総合的に判断してtheを入れる、というやり方をするんです。

このように、ただ聞こえた音だけを頼りに書き取るのではなく、文法知識を使いながら、文章の意味もちゃんと考えながら、ディクテーションをやるのが重要なんですね。だから、リスニング力だけでなく英語力が総合的に伸びるんです。

なので、あなたがこのように「ここに冠詞が入らないとおかしいよな」「ここは動詞のはずだよな」とかそもそもそういう判断ができる基礎力がないと感じる場合は、ディクテーションは後回しにして、中学生レベルの文法を先にやり直してください。

 


さて、ここまで聞き取れない原因5つを挙げましたが、原因が以上のどれか一つに当てはまるというよりは複数の原因が混ざっていることもあるし、原因を1つに絞ることが重要なのではありません。

たとえば、最初にやってもらったディクテーションで「while」が聞き取れなかったのだとしたら、「何回聞いてもそう言っているようには思えない」と判断する人もいれば「音がくっついているから聞き取れなかったんだ」と判断する人もいるでしょう。これらは、どちらも正解です。

なので、「原因はどれに当てはまるのかな~?こっちかな?いや、こっちか?」と悩むのではなく、「自分にはこういうトレーニングが特に必要なんだな」と、今後やるべき勉強法が分かることが大事なんだと理解してくださいね。

 

5.ディクテーションをやる時の4つの注意点

次に、ディクテーションをやる時におさえておかないといけない注意点をお伝えします。これで勉強の効果が変わってきますので、しっかり読んでくださいね!

 

1.音声は単語単位とか極端に短い単位では一時停止しない

音声を止めるとき、間違っても「単語をひとつひとつ」一時停止して・・・ということはしないでくださいね!「単語単位」でディクテーションをやっても、「リエゾン」などの音のつながりを聞き取る能力は絶対に向上しません。

音声を止めるタイミングは、理想的には文末です。文の切れ目がどこか分かりにくかったり、長すぎて記憶できない場合は、できるだけ「意味の切れ目」や「キリの良いところ」(=ポーズが入るところ)で止めるようにしてください。

 

2.あまりしつこく聞き直さない

何度聞いても聞き取れないところが出てくると思いますが、100回も聞くといった苦行みたいなことはしないでくださいね。目安は、だいたい5回くらいまでです。

10回も聞いたのに聞き取れないなら、100回聞いても絶対に聞き取れません。

そこはあなたの「弱点」です。聞き取れるまでしつこく何回も聞くより、さっさとその原因をつきとめて、弱点強化の方にエネルギーを注ぐ方がずっと重要です。

 

3.スペルやコンマの場所は気にしない

ディクテーションをしていると、知っている単語でちゃんと聞き取れたのにスペルを曖昧にしか覚えていないせいで間違うことがあります。でも、スペルを正しく書けるようになることに時間は使わないでください。

私たちがまだ中高生であれば、スペルを正しく手書きできることは大事ですが、実は一般的な大人の英語学習者が英語を「手書き」する必要性って、ほとんどないんです。私たちが英語を書くのって、ほとんどがメールやSNSだと思います。つまり、あいまいにしか覚えていない単語でも、適当にPCやスマホで打ち込んでみればスペルミスを指摘してくれます。だから、少々スペルが曖昧なのは大丈夫です!

「聞いて(読んで)その単語が認識できるなら、スペルミスは少々目をつぶる」でOK。

また、どこにコンマ(,)を置くかどうかというのも、自分の書き取った英語とお手本の英語で違うことがあると思います。

でも、人によってどこにコンマを置くべきかはそれぞれの感覚で違います。日本語だって、どこに「、」をつけるかという絶対的な正解はなく、好みの問題のところも大きいですよね。なので、コンマの場所はあまり気にしなくていいです。スクリプトの英語を見て、「ふ~ん、ここに置くのがいいんだ」と軽く確認するだけでOK。

なお、単語の列挙や関係代名詞の前のコンマなど、置く場所が決まっているコンマもありますが、これは、文法知識を使って文脈を考えながらディクテーションをすればちゃんと正しい場所にコンマを置くことができるはずです。(自信がない場合は文法の復習をしましょう!)

 

4.長時間やらない。ディクテーション素材の長さは1回1分以内で

ディクテーションは集中力を必要とするトレーニングな上に、「ながら勉強」は無理な勉強法なので、あまり気合を入れすぎないようにしてください。

1日だけめちゃくちゃ時間かけてエネルギーを費やしてディクテーションして、もう次からはハードルが高すぎて嫌になったら、元も子もありません。ある程度の期間(少なくとも3ヶ月くらい)は続けないと、効果も出ないのであまり気合を入れなくても継続できることが一番大事です。

となると、どのくらい時間をかけるのがいいのかというと、もちろん人によって取れる時間の長さも違うので一概には言えませんが、ちゃんと継続していくには、長くて1日30分が限界じゃないでしょうか。それ以上の長さになると、毎日続けることが難しいと思います。

そして、仮に1日30分時間を取ってディクテーションする場合、ディクテーション素材の音声はどのくらいの長さのものを選ぶといいかというと、30秒から1分くらいです。

ご参考までに、私が自分のレベルに合った素材でディクテーションすると、1分の音声を書き取って答え合わせをするのにちょうど30分くらいかかります。たった1分の短い音声でも、結構時間かかるんですよ〜。

なので、最初はトレーニング1回につき30秒くらいの音声から始めたらいいでしょう。

 

6.ディクテーションの素材の選び方と、おすすめ教材・サイト

ディクテーションの素材は、自分のレベルに合ったものを使ってください。

知らない単語がほとんど入っていなくて、でも、簡単すぎてすぐに全部書き取れるものでもない、ちょうど良いものを選んでくださいね。

あえてディクテーション用の教材を買う必要はなく、お手持ちの教材の一部などを使えば問題ありませんよ。私は、学習し終わったリスニング教材を使うことをおすすめしています。良い復習になりますしね。

ヒアリングマラソン中級コースを終えたクライアントさんには、それをディクテーション素材として使ってさらにリスニング力を伸ばしてください、とよく言っていますが、それですごく効果が出ています。

 

無料で使えるディクテーションサイト

手持ちの教材で適当なものが見つからない場合のために、無料で使えるとても便利なサイトをご紹介しておきますね。

・英語リスニング無料学習館

ディクテーションができる素材が、日常英会話、TOEICリスニング問題、TEDなどを題材に豊富にあります。音声が1文ずつに細かく分かれているので、ディクテーションしやすいです。

・リスニングプラザ

英語ニュースを題材にディクテーションができるサイトです。1つの音声がだいたい40秒から1分くらいなので、ディクテーション1回分にちょうどよい長さです。

・VOA Learning English

英語ニュースのサイトです。(英語オンリー)英語圏に住む、非英語ネイティブのためのニュースなので普通の英語ニュースより簡単な語彙でゆっくり話されています。

コンテンツは、動画と音声がありますが、ディクテーションには音声のみの方を使ってください。

 

ディクテーションに使えるスマホアプリ

(注意)2018年4月現在の情報です。アプリ内の全てのコンテンツを利用するためには有料版へのアップグレードが必要な場合がありますので、ご注意ください。

また、英語を打ち込んでいくディクテーションアプリの場合、キーの小さなスマホでは、アルファベットのタイプがやりにくくて残念ながら勉強の効率が下がります。(スマホの英語キーボードでのタイプが得意な方は問題ないです)

なので、アプリはスキマ時間の活用など、あくまでもサブ的な使い方をするのがおすすめです。

 

ディクトレ(上の「英語リスニング無料学習館」のアプリです)

ディクトレ -ディクテーションを取り入れた英語リスニング学習アプリ-
ディクトレ -ディクテーションを取り入れた英語リスニング学習アプリ-
開発元:Taiki Saito
無料
posted withアプリーチ

 
TEDICT

TEDICT - TEDで英語を習おう, LITE

TEDICT – TEDで英語を習おう, LITE
開発元:CoCO SWING
無料
posted withアプリーチ

 

7.さいごに。ディクテーションをやる本当の意義

ここまで、ディクテーションの効果ややり方を語ってきましたが、実は、私が考える「ディクテーションをやる本当の意義」は別にあります。

それは・・・「くっそ~~!どうしてもここが聞き取れない!あともうちょっとなのに!!」「なんで〜〜〜?こんな簡単な英語だったの?」という「悔しさ」です。

ほんの短い文章をうんうんとうなりながら完成させ、どうしても聞き取れなかった部分は、めちゃくちゃ悔しい思いをしながら答えを見る。

その過程が、すんごく効くのです。

これが、単に「普通に英語を聞いて、聞き取れなかったところをスクリプトで確認」だけだと、「へー。ここは “What a” なのね~」で終わりです。

でも、ディクテーションをやると、「くっそー! なんで “What a” なんて簡単な英語が聞き取れないんだ!!What a なのに、なんで【ワラ】って聞こえるの~!ムカつく!」

となるわけです。(笑)

さて、この後どっちがこの「音の変化」をきちんと身につけられるでしょうか?明らかですよね。

というわけで、「だいたいは分かるけど、細かいところはダメ」を克服したい、文法や構文の復習をしつつ、英語の聞き取りに重要な「推測力」を高めたい、そんな場合は、ぜひディクテーションをおすすめします!

私がNHKラジオ英語講座でほぼ無料でTOEIC900点台(リスニング満点)にした勉強法

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NHKのラジオ英語講座って、講師陣は一流で内容は文句なく素晴らしいのですが、あまり効果が引き出せなかったり、無料であるために(テキストを買っても数百円ですしね)軽視してしまう人が多いようです。

毎年4月には「今年こそラジオ講座で英語をマスターするぞ!」と意気込んで本屋さんでテキストを買っては、だんだんと聞かなくなりテキストも買わなくなり・・・と挫折してしまう。あなたにも、一度はそんな経験があるのではないでしょうか?

そんなわけで今日は、私が無料で誰でも聞けるNHKラジオ講座をフル活用してTOEICリスニング満点に持っていった勉強法を公開しようと思います。

今はラジオ講座は毎日聞いているわけではないのですが、英語のやり直しを始めてから5年間くらいは、毎日猛烈にラジオ講座を聞いていました。TOEICが推定500点くらいの時から、900点台までです。私が毎日どのようにラジオ講座を使っていたのか、どの講座ををどのくらいのレベルの時に使っていたのか、詳しくご紹介します。

 

無料でNHKラジオ英語講座を効果的に使い倒す方法

普通、「ラジオ講座で勉強しています」と言うと、少なくともテキスト買って、できればCDも買って、机できちんと聞きながらテキストに書き込んで知らない単語を覚えて・・・というイメージだと思います。

でも、私の場合は、少し違います。テキストを買って書き込みながら勉強していた時期もありますが、残念ながら長続きしませんでした。また、机で勉強するにしても時間も取れないし飽きるしで1日30分程度が限度でした。それではたいしてレベルが上がった実感を得られなかったので、そのやり方は諦めました。

そこで私は、ラジオ講座をテキストをあえて買わないで講座を聞くことにしました。CDも一度も買ったことはありません。

その代わり、一度聞いて終わりではなく、録音した番組を何度も何度も繰り返し聞いて、聞き倒しました。「ながら聞き」方式で、通勤やお風呂の時間などを使って毎日3時間は聞きました。

(参考:ながら聞きについて)
英語の勉強する時間がない人集合!確実に毎日1時間の学習時間が確保できる方法

なぜテキストを使わないでラジオ講座で勉強ができたかと言うと、自分の英語レベルに「ぴったり」の講座ではなく、下のレベルをわざと選んで聞いていたからです。つまり、テキストがなくても理解できる講座です。また、ラジオ講座は詳しい解説があるので、たとえ聞き取れない部分があっても、解説を聞けば分かります。

(※解説を聞いても分からないレベルの講座は、テキストなしで聞いてもダメです!「テキスト買わない方式」はあくまでも、解説を聞けば確実に分かる講座限定。)

以下に、具体的にどのくらいのレベルの時にどの講座を聞いていたのか、書いてみます。

 

やり直し英語をはじめて1年目(英検2級、TOEIC500-600点程度)

英語のやり直しを始めた時には、私の当時の英語力(英検2級程度)だと一般的には『ラジオ英会話』を使うくらいのレベルだったと思います。

NHKラジオ講座の対象レベルの参考ページ:
2018年度 NHK英語講座レベル一覧(NHK出版のページ)

実際、ラジオ英会話のテキストを買って「マジ聞き(※机について”勉強モード”で一生懸命聞くやり方)」していた時もありましたが、上で書いた理由ですぐに挫折してしまいました。

そこで私はどうしたかというと、基礎英語1~3を聞くことから始めました。それぞれの講座が15分なので、平日に毎日45分間、通勤中に聞きました。

普通の社会人は、基礎英語1なんて見向きもしません。Is this …? とか、I can… という中学1年生レベルなので、普通に中学高校で英語を学んだ人にとっては「簡単すぎる!バカにするな」って感じだからです。でも、私は本当に中学1年生レベルからスタートしましたこれが、今思えば最高の決断でした。

さすがに、中学生英語の文法知識はそれなりにありました。だから、テキストがなくても、丁寧な日本語の解説を聞けば十分理解できました。テキストを持っていないということは、耳から聞こえる音だけが頼りなので、緊張感を保ててちょうど良かったのです。

なお、私の場合、中学レベルの文法は一応知っているけど、基礎英語は解説なしでは理解できない部分が多々あり、英語はほとんど話せないという状態でした。

で・・・、私は「ながら聞き」が大好きなので、ラジオを聞くときは、必ず違う動作とセットにすることにしました。そうすれば、ラジオを毎日聴き続けることを習慣にできるからです。身支度をしながら、通学時間などに聞いていました。

そうやって、有無をいわさず「この動作をしてるときは、ラジオを聞くんだ!」と決めてしまえば、継続するのは全然苦ではないわけです。むしろ、やらないと気持ち悪いくらい。(笑)

こうしてラジオを毎日聞くという習慣を5年間続けることができました。

「中学生英語?さすがにそれは大丈夫」そう思っている方も、ぜひもう一度聴いてみてください。特に基礎英語3(中学3年生レベル)は結構難しくて、テキストなしで理解しようと思うと、なかなか大変ですよ。

 

やり直し英語をはじめて3年目(TOEIC800点程度)

やり直しを始めて3年でTOEICが200点ちょっとアップということで、まあ「毎日聞いていた」というわりには伸びが少ないんですが、当時はラジオを聞く以外にほぼ英語の勉強をしなかったことを考えると、(英語の不要な大学院生でした)悪くないと思います。

むしろ、ラジオを聴いただけでTOEICが200点以上アップするのなら、それはそれですごいことなのかもしれません。

この頃は、基礎英語から一歩ステップアップして、「ラジオ英会話」を聴き始めました。(当時はエンジョイ・シンプル・イングリッシュとかはありませんでした)

毎度のことながら、自分の文法知識から言えば、すんなり理解できるレベルです。解説を聞けば英語も全部分かるので、テキストはやっぱり買っていません。リスニングの方法は、基礎英語の方法と全く同じ。

「これを聞き逃したらもう確認するチャンスはない!」と思って一言ももらさないよう、音の一つ一つを一生懸命聞きました。「これをちゃんと理解するには、一語一句聞き取るしかないんだ!」と思うと集中してリスニングすることができました。

基礎英語を数年間みっちりやって耳を鍛えていたから、ラジオ英会話でもそこまで手こずることはありませんでした。

実際、「ラジオ英会話」が「基礎英語3」と比べて極端に難しいなんてことはなくて、きちんと段階を追って勉強していけば、スムーズにレベル移行できるようになっています。

結局は、英語を毎日聞くという習慣を続けて、耳を慣らすことさえできればあとはどんどん英語力がアップしていった、というのが私の実感です。

で、ここからがさらに私が工夫したところなのですが、この頃から、リスニング教材としては完全に物足りなくなっていた基礎英語1~3を使って
シャドーイングをはじめました。

もちろん、テキストとCDは買いません。テキストがないので、何も見ないでひたすらシャドーイング。

参考:
TOEICリスニングセクションが2年で満点に!シャドーイングのやり方

慣れてきたら、スキットの部分だけでなくスキットの英語の応用文や、外国人ゲストの雑談のような部分までとにかく聞こえる英語は全部シャドーイングしていきました。

また、シャドーイングだけでなく、応用文演習もやりました。

「では、○○と言いたい場合は、何と言ったらいいでしょう?」とかテキストにある基本文をもとにして、応用文を作らせるところがありますよね。リスナーに応用文を作らせる間、しばらくポーズがあって、正解が流れる部分のことです。これも、必ず声を出して答えるようにしました。

普通はリスナーがテキストを見ながら答えることを想定して作られている問題だと思います。だから、テキストなしでやろうと思うと結構難しいですが、自分のレベルよりかなり下の講座を選んでいるので、無理なくできるわけです。何も見ないで自分の頭の中の記憶だけで答えるので、いい練習になります。

また、極めつけは、ロールプレイ。スキットの解説が一通り終わった後、「では、リスナーのみなさんはJohnのパートをやってみてくださいね」とロールプレイをさせられる部分がありますよね。これもテキストなしでやりました。

もちろんスキットを全部覚えられるはずはないので、いろんなところが自己流になったりします。でも、「あそこではJohnはこんなことを言ってたんだった」と思い出して、それを何とか自分で英語にすることによって、瞬間英作文的なトレーニングにもなります。

番組の最後にまたスキットが流れるのでそれを全部シャドーイングしながら、「あ~、そうそう、こういう英語だった」と最後におさらい。こんな感じで、リスニングの訓練としては物足りなくなった基礎英語をシャドーイングをはじめ、いろんな「口を動かす訓練」に使いました。

ところで、厳密には基礎英語3(中3レベル)くらいがリスニングにちょうど良くなった時点で基礎英語1(中1レベル)はリスニングにはすでに物足りなかったので、基礎英語3は主にリスニング、基礎英語1はシャドーイングといったふうに段階的に移行していっていました。

また、基礎英語3をリスニング教材として聞いていたときも、たとえば一回目にスキットが流れるときはリスニングで精一杯でも番組中で何度も繰り返し聞いていると、だんだん英語がはっきり聞こえてきてシャドーイングもところどころ出来ることもありました。

シャドーイングは慣れるまでが少し大変です。でも、慣れたらどんどん難しい教材でもイケるようになるので、「これはシャドーイングできそう」という部分は積極的に声を出すようにしていました。

 

やり直し英語をはじめて5年目(TOEIC980点)

英語の勉強のやり直しを始めて5年でTOEICは980点になりましたが、5年間みっちり勉強して900点超えではなく、何度もブランクがあっての5年間なので、継続して勉強が出来る方はもっと早くいけると思います。

この頃、杉田敏先生の全然やさしくないことで有名な(笑)「やさしいビジネス英語」を聞き始めました。(現在は実践ビジネス英語という講座になっています)

「やさビジ」のレベルに達して、初めてテキストを買いました。さすがに「やさビジ」は、テキストなしではきつかった・・・

この講座は、英検1級対策としても良いという話を聞いていましたが、(実際、英検1級ではやさビジで勉強した熟語が出まくりでした!)噂どおり、かなりレベルの高いボキャブラリーも出てくるので、これはさすがに「マジ聞き」し、テキストに書き込んだりする「勉強」をしました。(つまり、やさビジ以外は全部ながら聞き)

でも、それは最初の頃だけです。あとは、テキストなしでも聞き取れて理解できるようになったので、数ヶ月もしたら買わなくなりました。

で、もうパターンがお分かりかと思いますが、この頃はリスニング教材としては物足りなくなっていた「ラジオ英会話」などをシャドーイング教材にしました。「ラジオ英会話」などの本来の講座の目的である会話演習も、この段階できっちりやりました。

基礎英語でリスニングをしていた頃は録音はしませんでしたが、このレベルの講座は一回聞いただけでは不安な部分もあったので、録音して何度も聞くようにしました。

 

同じ人でも「聞ける英語」と「話せる英語」のレベルは全然違う!

さて、主なラジオ英語講座をざっくりレベル分けすると、だいたい以下のようになると思います。(※講座の名前は年によって変わります)

初級 ・・・基礎英語1、基礎英語2、基礎英語3
中級 ・・・エンジョイ・シンプル・イングリッシュ、ラジオ英会話
中上級・・・高校生からはじめる「現代英語」、入門ビジネス英語、遠山顕の英会話楽習
上級 ・・・実践ビジネス英語

ここで、多くの人が忘れがちで、でもとても重要なことをお話しします。それは、「一人の人間でも、耳と口ではレベルが全然違う」つまり、同じ人でも、「聞こえる」英語と「口に出せる」英語は全く違うということです。

そして、英語学習者の全員、「聞いて理解できる」英語のレベルの方が、「話せる」英語よりはるかに上です。

考えてみれば当たり前なんですが、自分でいざ英語を話そうと思うと、自分が理解できるレベルの英語の数分の1のことも言えませんよね。そこで、この原理にのっとって、ラジオ講座をうまく利用しましょうというわけです。

私の場合は、まず、初級レベルの英語の「リスニング」すらおぼつかなかったので、まずは基礎英語を「聞く」ことから始めました。半年後くらいには、基礎英語1・2くらいはまあ普通に聞こえるようにはなりました。でも、同じ内容を「口に出そう」と思うと、全然できないわけです。

そこで、シャドーイングの出番です。耳で聞くだけなら何てことのない英語でも、いざ口に出そうとするとイントネーションが変になったり、舌がもつれそうになったり・・・そこで

「初級レベル」の講座でシャドーイングをしながら、「中級レベル」の講座でリスニング。

で、しばらくしたら中級レベルのリスニングが出来るようになりました。でも、そのレベルの英語をいざ口に出そうと思っても、できないので練習が必要です。

すると、次はこうなるわけです。

「中級レベル」の講座でシャドーイングをしながら、「上級レベル」の講座でリスニング。

つまり、同じ講座を、時期をずらして2回利用することができるんです。1回目はリスニング、2回目はシャドーイング。このように、段階的に別のレベルの講座を使ってトレーニングができます。なんか、すごいエコって感じがするのは、私だけでしょうか(笑)

 

ラジオ講座って、無料で好きなだけどのレベルでも聞けるのが良いところです。

だから、「今の私は『ラジオ英会話』のレベルだわ」と言ってラジオ英会話だけしか利用しないとしたら、それはとてももったいないことです。むしろ、リスニング能力とスピーキング能力の両方が『ラジオ英会話』のレベルに収まっていない方が、普通なんです。

特に、過去の私のように英会話が苦手な人は、聞くことのできる英語と話すことのできる英語には、大きな差があるはずです。

だから、せっかく無料で聞けるラジオ講座、複数の講座を「はしご」をしてみるのが、私のオススメ勉強法です。

 

⇒ 英語のシャワーに気をつけて!そのリスニング勉強法は効果ナシです

あなたはこんな間違ったリスニングの勉強をしていませんか?
「聞き流すだけで聞こえるようになる」なんてことは絶対にありません。
あなたが正しいやり方効率的に英語を学びたいなら、こちらも読んでみてくださいね。

独学でも通訳になれる?私が8年続けた英会話上達トレーニング法

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通訳って独学でもなれるんですか?
通訳になるためには、どんなトレーニングが必要ですか?

という質問をよく受けます。

 

私自身、通訳の仕事をする前は、通訳の知り合いもいないし、どういうトレーニングをしたら通訳になれるのかなんてことも全く知らないまま、いろんな幸運があってたまたま採用されることができました。通訳学校には通ってないので、一応独学で通訳になれたことになります。

でも、英会話があまり得意ではなかった私は、特に日本語から英語への通訳でめちゃくちゃ苦労しました。あまりに仕事ができず、家に帰って何度泣いたかわかりません・・・

このページでは、通訳の仕事をはじめる前の私が「こういう通訳トレーニング法があるよ」と聞いておけば全然違ったのにな〜と思うことをまとめました!いつか通訳をやってみたいと思う人の参考になれば幸いです。

 

実は通訳もみんなやってる瞬間英作文(上級編)

瞬間英作文は、日本語を見て瞬間的に英語に変換していくというトレーニング法です。実は、このトレーニングは通訳者もみんなやっている練習法です。基本的なやり方については、こちらをご覧ください。

瞬間英作文のやり方とおすすめ教材。私はコレで独学で通訳になりました

 

上の記事では、瞬間英作文をまだやったことがない人や、英語の読み書きはそこそこできるけどほとんど話せないという人のために、瞬間英作文用に作られた教材を使う方法を紹介しています。

瞬間英作文用に作られた教材とは、言い換えると「英語にしやすい日本語」です。たとえば、こんな感じ。

1.私はその知らせを聞いて、とても嬉しかった。
2.朝早く起きることは健康にいい。
3.彼はなぜ昨日学校に来なかったのですか?

これらはどれも、主語がはっきりしています。文章も短いし、どういう文型を使えばいいのか、どの文法を使えばいいのか、分かりやすいです。スムーズに英語が出てくるかはともかく、典型的な「英作文用」の文章ですね。

 

でも、ご存知のように、世の中の日本語はこんな分かりやすい文章ばかりではありません。日本語では主語を言わないことが多いので、まず「主語は何だろう?」と困ります。

また、英作文用の文章と違って、「この文章はこの文法項目を使うんですよ〜」という分かりやすい感じではないので、自分でどういう構文を使って表現するかをとっさに判断しないといけません。

 

たとえば、さっきネットで見つけたこんな文。

不祥事によって会社がなくなる。なくならないまでも、業績不振でリストラの対象となってしまう。定年まで安泰だと思っていた人生が、突然崖っぷちに追い込まれることが簡単に起こる世の中になってしまった。

 

最初の文はいいとして、「なくならないまでも、業績不振でリストラの対象となってしまう。」この文章に主語はありません。

こういう日本語、読むだけならサラッとスルーできるんですが、通訳や翻訳をしようと思うと主語が何か判断しないといけないんですよね。

この場合、「なくならない(までも)」の主語は?「会社」ですね。「リストラの対象となってしまう」の主語は、「労働者(workers)」あるいは「私たち(we)」「不特定の人(you)」などです。これらを自分で瞬間的に補って英語にしないといけないわけですね。

 

それに、ビジネス文書には「まだ続くんかい!」という長々とした文がよく出てきます。書かれた文ならともかく、話し言葉はさらにひどいです。主語と述語が支離滅裂な人もいれば、話だけ無駄に長くて結論が分からない人もいます。

そういう日本語を英語にさらっと直せるスキルを身につけることが、通訳として仕事をするにはすごく大事なんです。

 

じゃあどうやってそういうスキルを身につけるかというと、特に使うべき教材などはなく、逆に、何でも教材になり得ます。

新聞記事。
会社の資料。
パンフレット。

自分の目的に応じて、好きな題材でトレーニングをしてみてください。私の通訳時代の先輩は、毎朝新聞を読みながらそれを片っ端から通訳している(瞬間英作文している)と言っていました。

私も、会社案内のパンフレットを家に持って帰って毎日瞬間英作文するのに使っていました。

 

通訳レベルの瞬間英作文の練習では、一語一句厳密に訳すのではなく、情報をイメージ化して訳すのが通訳には本当に大事です。

通訳の場合、発言された言葉はすぐに空中に消えてしまいます。一語一句メモを取れるはずもありません。聞いた内容のイメージ(映像)を思い浮かべて訳さないと無理です。

私はこれに気づくのにかなり時間がかかってしまって苦労したんですが、「イメージ化して訳す」これは覚えておいてくださいね。こちらのページが参考になると思います。

瞬間英作文で「英語脳」はできない?日本語が邪魔に感じるなら読んで

 

高校生用・大学入試用の英作文問題集で瞬間英作文

新聞や資料、上記のようなネットの文章は、最初は難しいかもしれません。大学入試用の英作文は適度に主語がわかりにくかったり文章が長かったりするので、通訳トレーニングとしての瞬間英作文のスタートにはいいと思います。

例えば、「大学入試 英作文」とネットで検索してひっぱってきた、こんな文章。

文明生活には科学者だけでなく、科学を応用できる人も必要だ。
科学知識を実際に用いて、日常の必要を満たすことが大切だからだ。

 

大学受験生なら、この文章をこねくり回して丁寧に英作文を作るはず。

でも、瞬間英作文の上級者は、こんな文章を見た瞬間に英語を作っていきます。もちろん書いてはいけません。その場で口に出します。

一語一句情報を漏らさず英語に反映していくのが受験の英作文ですが、瞬間英作文の場合、模範解答通りでなくてもいいです。たとえば、上記の「科学知識を実際に用いて」の「実際に」が抜ける程度の違いは、ここでは「実際に」がなくても意味はほぼ変わりませんから、訳出しなくても全く問題ないです。

 

高校生向けの英作文に特化した本って実はそんなにないのですが、安価でお勧めのものをご紹介しておきます。

英作文 高校上級用 (発展30日完成シリーズ 23) 英作文 高校上級用 (発展30日完成シリーズ 23) 自分で添削できる自修和文英訳演習 完成編 自分で添削できる自修和文英訳演習 完成編

 

仕事で使う資料や自作フレーズ集で瞬間英作文

私は、通訳として出席する会議の資料やスライドなどを使って、日本語を読んでそれを即座に英語に直すという訓練を毎日していました。

その資料を出席者が読み上げることもありますし、会議で使われる単語も資料に出てくるものが多いので、効果的な準備になりました。

逆に、会議資料を見て「この表現って英語でなんて言うんだろう?」という疑問が一つでも残っているようではダメです。少なくとも資料にあることは何でもスラスラ英語で言える状態にしておくために、資料を瞬間英作文するんです。

 

また、私は会議でよく使う表現を下のようにエクセルシートにまとめて瞬間英作文に使っていました。この記事のオリジナル執筆時点(2009年)で私が瞬間英作文していた表現はこれです。ちょっと見にくくて申し訳ありません。

自作の瞬間英作文

まあ、見ていただければ分かりますが、英語のレベルは全然高くありません。

せめてこういう基本表現は、何も考えなくても瞬間的に出るととても楽なので、通訳の仕事を始めたばかりの頃はよく会議で出席者が言っている言葉をこうやって集めて瞬間英作文をしていました。

中学・高校レベルの瞬間英作文が一般的な万人向けのものだったのに対し、このエクセルシートのような瞬間英作文は、私自身の目的に応じたオリジナルです。

 

あなたの仕事で具体的にどういう場面で英語を使うかというのがはっきりしている場合は、そのシーンでよく使う文章を作って瞬間英作文をしたらいいと思います。

それぞれが、自分の目的に合わせてオリジナル教材を作るということです。

 

語彙を覚えながら瞬間英作文

さて、瞬間英作文をガンガンやってスピーキング力を高めつつ、それだけではもったいないと感じる私の横着アイデアとして、「瞬間英作文と他のスキルアップを組み合わせる」ということを提案したいと思います。

 

例えば、あなたが語彙力アップに取り組んでいるとします。おそらく語彙用の参考書などを使っていると思いますが、それぞれの単語について、その語彙を含む例文が入っていますよね。

その例文の日本語だけを読んで、英語に瞬間英作文するのです。

たとえば、ボキャビルマラソン・パワーアップコースであれば、以下のようにそれぞれのページの左側に日本語、右側に対応する英語が書かれています。

 

ボキャビル_R_マラソン・パワーアップコース

 

見にくいですが、たとえばこんな文章があります。

アメリカとロシアが核兵器削減条約を批准したと聞いてほっとしたよ。
It’s good to hear that the U.S.-Russian nuclear arms reduction treaty was ratified.

 

この文章は、その日に習う単語を含む文章です。たとえば上記だとratify(批准する)です。

この英語部分を隠して、日本語を見ながら(難しいですが)なんとかかんとか瞬間英作文してみると、単語も覚えられる上、通訳トレーニングもできて一石二鳥です!

ここまで教材をしゃぶり尽くせば、「元は取ったど~!」という感じですよね。英語学習は、こんな感じで「単語だけ」「英会話だけ」という勉強のやり方をするのではなく、「単語を覚えながら英会話力も伸ばす」とやり方を工夫するといいです。労力は半分、効果は1.5倍になります。

 

ちなみに私は、このボキャビルマラソンをシャドーイングと同時通訳の練習にも使ってます。アルクもびっくりのしゃぶりっぷりだと思います。(笑)

ボキャビルマラソンパワーアップコース

 

日本文化を学びながら瞬間英作文

通訳ガイドを目指している人に私はいつも勧めているのですが、日本文化や歴史の説明が日英対訳で書いてある本で瞬間英作文をするのはものすごくいいトレーニングになります。

こういう本って、たださらーっと読んでも、その時は「ふーん、そうなのか」と分かったつもりになっていても、いざその知識を英語で話そうと思っても悲しいくらい言えないものです。これが、瞬間英作文をやっておくと大違いなんです。

 

やり方はいたって簡単で、英文が書いてある方を隠して、日本語を見て瞬間的に英語を口に出していきます。そして、一文ずつでも一段落ずつでもいいので模範の英文を見て、使われている単語やフレーズを確認します。

この時、間違っても「丸暗記」はしようとしないでください。丸暗記だと応用ができなくなってしまいますから。覚えていいのは単語、熟語までです。(覚えようという意図はなかったけど何度もくり返していたら覚えてしまった、という場合は大丈夫です)

 

暗記ではなく「その場で英語を組み立てて口に出す」というトレーニングを繰り返すことで、「自分の言葉で何でもその場で言える」という状態を作れます。そうすれば、お客様にどんな質問をされるか分からない!というプレッシャーを克服できます。

通訳ガイドを目指している人はこういう本を何冊かはすでに持っている人が多いと思いますが、それを使ってください。以下は私のお勧め本です。

(MP3音声 CD-ROM1枚つき)英語で語る 日本事情2020 (MP3音声 CD-ROM1枚つき)英語で語る 日本事情2020 ハンディ版 英語で紹介・案内する日本 ハンディ版 英語で紹介・案内する日本

 

通訳トレーニング法としての瞬間英作文まとめ

通訳の場合、会議の資料を開始数分前に渡され、ほとんど初見でその資料にそった会議の通訳などをしなければならないことも多いです。

だから、通訳であれば、瞬間英作文のスキルは必須。

「この人の言いたいことは何だろう?」と、発話の趣旨を瞬間的に捉えてそれを英語に変換していくという過程は、日本語を読むのであろうと聞くのであろうとそんなに変わりません。

通訳を目指す方は、やっておいて絶対に損はないトレーニングです。というか、必ずやるべきです。一緒に頑張りましょう!

 

また、私はこの通訳トレーニングの教材も使いました。私は通訳の仕事をやり始めた後にこの教材を使ったのですが、もっと早くやっておけばと後悔している教材です。

通訳トレーニング入門

英語を話すのが恥ずかしい?自信を持って話すために事前にやるべき5つのこと

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英語を話すのが怖い。恥ずかしい。

そう思っている日本人はとても多いと思います。私も思っていました。外国人を前に英語で話そうとすると、汗が出て声がうわずり、別に楽しくもないのに顔がにやけてくることも昔はよくありました。

もちろん、今はそんなことはありません。私の英語は全く完璧ではありませんが、もう英語を話すのが恥ずかしいとは思いません。

 

「そりゃ、レベルが高いから恥ずかしくないんでしょ」って思うかもしれませんが、たとえば私がこれからドイツ語を勉強して、間違いだらけの片言でドイツ人に話しかけたとしても、恥ずかしい、怖いという感情は持たない自信があります。

このページでは、英語を話すのが怖い、恥ずかしいという人がどうやって心理的な壁を克服したらいいのかをお話しします。読み終わる頃には、自信満々で英語が話せる未来が見えているはずです!

 

自信を持って英語を話せるためにやるべきこと

英語を話すのが怖い、恥ずかしい、気後れしてしまうという悩みは、勉強法だけではなかなか解決できません。勉強すれば羞恥心や恐怖が克服できるんだったら、きっと多くの日本人は英語を話すことなんてへっちゃらのはずです。(笑)

じゃあ原因は何なのかというと、メンタルの問題なんですね。英語を話すのが恥ずかしい、怖いという思いは何をすれば克服できるのでしょう?

 

あらゆる場面を想定した脳内シミュレーションをする

勉強する女性
たとえば、あなたがお仕事やボランティア活動で外国人とちょっとした相談をしないといけないとします。

そういう時、多くの人は、頭の中でなんとな~く言いたいことを考えただけで、いきなりその外国人の目の前に行ってしまうのです。

そして、ちゃんとした文章の英語が話せない・・・単語を並べるだけだったり、文法がめちゃくちゃになったりする・・・と落ち込むんですね。

 

で、もうちょっとマシな人だと、自分がその場面で言いたいことを英語で紙に書いて、それを丸覚えして、同僚に話しかけます。

でも、それで相手が「オッケー」って言って、そこで話が終わるならいいですが、そうはならないことも多いですよね。相手がさらに確認を取ってきたり、つっこんで質問をしてきたり、会話が発展する可能性があります。

すると、その時に何と言っていいかわからない・・・相手が何を聞きたいかも、分かったような分からないような・・・って落ち込みます。

 

じゃあどうしたらいいかというと、「事前の徹底的な脳内シミュレーション&脳内瞬間英作文」です。

この話を説明したら、その同僚にとって分かりにくい部分ってどこだろう?
どういう部分に疑問を持つだろう?
どういう部分に興味を持ってもっと突っ込んで質問してくるだろう?

 

その人の普段の仕事内容、経歴や性格を考えたら、予想がつくこともいろいろあるはずです。それに応じて「じゃあこういう話に発展するかもしれないな」と、さらに英語の準備ができるわけです。

いろんなことを脳内シミュレーションして、それに対してたくさん英語を頭の中で作っておくといいです。(最初は、頭の中でやりにくければ、言いたい英語を書き出してもいいです)

私は、こういう作業をするのに「瞬間英作文」という方法を使っているのですが、詳しくはこちらに書いています。

瞬間英作文のやり方とおすすめ教材。私はコレで独学で通訳になりました

 

私は、通訳時代に会議に出席する時は、もちろん会議資料を元に単語や表現をいろいろ調べたりして準備しますが、それ以上にやっていたことがあります。

それは、会議の出席者と議題をチェックして

「今日の議題はこれで、出席者がこの人たちだから、会議の内容はこんな流れなりそうだ。この人がこんな反対意見を言いそうだ。結論はこうなりそうだ」

と時間が許す限りいろんな可能性に考えをめぐらせて、脳内で瞬間英作文をしまくって、対応する英語を準備して行くということです。

 

たとえば、一つのプロジェクトに関して話をするときでも、出席者には技術面のことしか興味がない技術畑の人もいれば、経理部の人はコストが気になるし、倫理担当の人はそっちを重視するし、納期を重視する人もいるわけじゃないですか。

そうやっていろいろ考えていったら、いくらでも話は発展する可能性があります。それを考えながら、

「じゃあ、あの人がこういう意見を出したら、もしかしたらこういう話になるかも?」
「ってことは、前のあのプロジェクトの話がまた出るかもしれないな」

と想像し、分からない単語があったら調べてメモしながら、そのトピックに必要な英語をできるだけ意識化しておいて、実際にその話題が出たときに少しでもスムーズに英語が出るようにするんですね。

頭の中だけで考えていると、ぼんやりした思考で終わってしまい、実際の場面で英語が出てきません。声を出せる環境があれば、声を出してやるのが一番です。それが難しいなら、口を少し動かして英語を小声または無音で話すといいです。

 

まあ、そうやってシミュレーションしたって、予想が当たらないことはよくあります。というか、最初は外れることがほとんどです。経験を積むにつれて、予想が当たるようになります。

でも、予想が外れたらそのシミュレーションが無駄になるわけではありません。たくさん脳内で英語を作っていると、だんだん英語がさっと出てくるようになるし、その時に分からなくて調べておいた単語が思わぬ場面で役に立ったりします。

 

「前もって言いたいことを英語で言えるよう準備する」という方法では、最初は準備していないことは全くしゃべれなくて困ると思いますが、それは最初は仕方がありません。

準備したことが余裕を持ってしっかり話せるようになってはじめて、準備してないことでもしゃべれるようになるんです。

というわけで、お仕事やボランティア活動などで、外国人に英語で話しかけたいけどなかなか英会話に自信が持てないという場合、この脳内シミュレーションをたくさんやってみてください!

 

ネイティブらしさは捨てる決心をする

英会話

私は、かなり頻繁に「この文章はネイティブに自然に聞こえるでしょうか?」「ここはAとBのどちらがよりナチュラルでしょうか?」という質問を受けます。

外国人向けの案内文書を作っているなど、具体的な用途があっての質問だったら問題ないのですが、特にそういう目的もないのに「この英語は自然なんだろうか」と常に気にして英語を話せなくなっている人がとても多いです。

そんな人に私がいつも必ず言うのは、以下です。

「ネイティブだって、何を自然と思うかは人それぞれ違います。それに、ナチュラルかどうかは、人に教えてもらうものではありませんよ」

 

もちろん、決まった言い回しがあったりして、ネイティブらしいかそうでないかがはっきりしている場合もあります。そういう場合だと私も自信を持ってお答えできますし、話は簡単です。

でも、言語って数学のように答えが一つに決まっているわけではないんです。

たとえば、私の勤めていた職場では、翻訳のネイティブチェックをお願いすると、アメリカ人男性Aさんが書いた英語の文章をアメリカ人男性Bさんが書き換えるという状況、もしくはその反対の状況が普通にありました。

AさんもBさんも出身州が近く、同年代。どちらも優秀な人だし、文章力も高いです。片方が書いた文章が明らかにまずくてもう片方の文章の方が良い、というわけではなかったんです。

 

日本語でも、こういうことはよくありますよね。何を良い文章と思うか、人によって個人差があります。「この文章の方が自然だ」「こっちの方がいい」っていう感覚って、そのくらい不確かなものなのです。

その上、「ネイティブ」と一言で言っても、ネイティブがほぼ日本人しかいない日本語と英語では、全く状況が違います。英語を母国語とする人は、住む国もバラバラだし、同じ国でも学歴もいろいろ、年代でもいろいろなんです。

それを、「これはネイティブらしい言い方か?」と全てにおいて気にしていたら、泥沼です。

私も、かつてネイティブらしさを気にするあまりこの泥沼にはまっていた時期がありました。詳しくはこちらに書いています。

苦手な英会話で伸び悩んでいた私がブレイクスルーした魔法の言葉

 

今では、私は英語学習者さんに「この表現はナチュラルですか?」という質問をされても、

「こういう言い方をよくします」
「文法的に間違ってはいませんが、めったに聞かないです」
「これで通じなくはないですが、ネイティブは『何か足りない』って感じるはずです」

という、私自身の感覚からの答えがある程度できるようになりました。

でも、こうやって一応の「ネイティブ感覚」が身についたのは、ネイティブに逐一質問して「この表現はネイティブらしくないよ」「こういう言い方が自然だよ」と教えてもらったからではありません。

どうやってネイティブ感覚を身につけたかというと、「ネイティブの英語にたくさん触れてきたから」です。(正確に言えば、私がインプットしているのはアメリカ英語がほとんどなので、私の「ネイティブ感覚」は他の英語圏では必ずしも同じではないでしょうけど。)

 

「こういう言い方ってネイティブらしいの?」という疑問を、いちいち人にぶつけていてもらちがあきません。そうではなく、大量のインプットの積み重ねの結果

「何となく、ネイティブはよくこう言っている気がする」
「何となく、こういう言い方はネイティブはしない気がする」
「何となく、この場面にふさわしいのはこの表現な気がする」

ということが、「何となく」分かってくるのです。「感覚」ですから、「何となく」なのです。正解なんてないのです。

 

では、私たち英語学習者は「大量のインプットの結果、ネイティブ感覚が身につく」までどうすればいいのでしょうか?これは、私の英会話力のブレイクスルーのきっかけになった本当に本当に大切なことなので、絶対に覚えておいてください。

それは、「自然な英語で話したい」から「通じればOK」にハードルを下げることです。

ナチュラルかどうかは、あなたがまずは英語を不自由なく話せるようになった後で気にするべきことです。通じればOK。これを、今日から呪文のように唱えてください(笑)

そして、「ネイティブに笑われるんじゃないか」「自然な言い方ができないと恥ずかしい」という呪縛から、解き放たれてください。

 

「誰が」「いつ(どこで)」「どうする」さえしっかり伝えられれば、少々不自然な言い方でも、大丈夫です。ちゃんと通じますから。ちゃんと通じる英語を話すには、文法的に正しい英語を話せばOKです。

文法が破綻していると、語順がぐちゃぐちゃになったり、日本語のように主語がなくなってしまったりします。それだと、英語としては意味不明になります。でも、文法的に正しい英語なら、多少不自然であっても通じないことはありません。

「自分の英語で通じるかどうか判断できない」という場合は、文法の復習をもう一度やりましょう。と言っても、難しい文法は必要ありません。中学レベルと、高1レベルまでの基礎的な部分でいいです。あとは、その文法ルールに沿って単語を乗せていくだけです。

 

むしろ、「この英語、正しくないかも」「笑われたらどうしよう」といった羞恥心や焦りから早口や小声になってしまうと、通じるものも通じなくなります。それで、「ああ、どうしよう・・・」と自信をさらになくしてしまうのです。

落ち着いて、はっきり大きな声で話しましょう。

というわけで、まずは「通じればOK」。ネイティブらしい英語かどうかは、ペラペラになってから心配すれば十分です。

 

外国人に英語で話す場数を踏む

英会話

英語圏に行けば自然に英語ペラペラになるんじゃないか・・・という話、よく聞きますよね。でも、実際は「何年も英語圏に住んでるのに、全く満足いく会話ができない」という人がとても多いです。

海外に3年も5年も住んでいても、積極的に人と話さないで引きこもりがちだったり、日々の練習を怠っていたり、間違えることを恐れていたりする場合は、残念ながら全然しゃべれないままです。そういう人はたくさんいます。

 

たとえば、私の夫はもう日本に住んで10年以上です。日常生活に困らない程度の日本語はできますが、それ以上のレベルになかなかなれません。

今以上に複雑な日本語ができなくても困らないので、日々の練習を怠っているし、間違えてもいいから頑張って話そう!という相手もいないからです。(私には英語が通じますし・・・)

もっとひどいケースでは、私の職場にいたアメリカ人では、5年日本に住んでて「コニチワ~!」「ドモアリガト~!」しか言えないという人が何人もいました(笑)。もちろん彼らには英語ペラペラの秘書がいましたし、会議では私たち通訳もいましたが。

だから、日本に住んで長いのに日本語が話せないこと自体が良い悪いという話ではありません。夫にしろ、日本語が上達しないアメリカ人に同僚にしろ、その必要性がないということですから。

 

では、恥ずかしがらず自信を持って英語が話せる人というのはどういう人かというと、海外に住んでるとか外国人のパートナーがいるとかそんなの関係なく、

・たくさん話す
・たくさん間違える
・たくさん一人で妄想して練習する

人です。

外国人とたくさん話してたくさん間違えることによって、だんだんと外国人との会話に慣れてきます。最初は「こんな間違いをして恥ずかしい」と思っていたとしても、誰も気にしている様子がなくて、拍子抜けすると思います。

 

そのためには外国人に接する機会を増やす必要がありますが、もしもお住まいの地域で外国人に接するボランティア活動やサークル活動があれば、積極的に参加してみるといいと思います。

ボランティア活動については、お住まいの市区のホームページや会報誌に募集案内がよく出ています。

私は、塾講師をしていたときに近所のダイビングクラブに所属していましたが、ALTで来ていたアイルランド人の同い年の女の子と仲良くなりました。

ダイビングは命の危険もありうるスポーツなので、練習の時に通訳みたいな形で私は彼女にコーチの説明を伝えていました。一緒にダイビング合宿にも行きました。

そうやっていつも彼女と英語を話したことで、私の英語への心理的な壁はかなり低くなりました。

 

お住まいの地域でそういう機会を作るのが難しそうであれば、オンライン英会話を使わない手はないです。自宅にいながら毎日でも英語を話すことができますし、何より一人で勉強するのと比べて外国人の話し相手がいるという緊張感と張り合いがあります。

スカイプ英会話を上手に活用する方法については、こちらのページに書いたので、よかったらどうぞ。

英会話レッスンの効果を最大化する5つの方法

 

英語スピーカーはとっても寛大であると知る

輸出入のビジネスをしている人に聞いたことがあるのですが、海外の企業が日本で商品をネット販売する場合、完璧な日本語を使わないと商品が売れないんだそうです。

あなたも、ネットで買い物をしようとして、いかにも機械翻訳のおかしな日本語で書いてあるウェブサイトを見たとたん、「怪しい!詐欺なんじゃないの?」と購入する気が失せたという経験はないでしょうか?

でも、英語の場合は、多少怪しい感じでも買ってくれることが多いそうです。別の知人で、本人いわく「中学生レベル」の英語とGoogle翻訳を駆使して外国人に英語で商品を売りまくり、多くのお客さんに喜ばれている人もいます。

 

英語の「ノンネイティブスピーカー」の数は、日本語のそれとは比べ物にならないほど多いです。

アメリカなどでテレビを見ていると、一般人の街頭インタビューや素人さんが出ている番組でも結構ノンネイティブの人も多いです。

映画でも、たとえばフランス人の俳優さんが英語で演技しているハリウッド映画がたくさんあります。流暢ですが、ネイティブ英語ではありません。でも完全に受け入れられているし、むしろフランス語なまりの英語はセクシーだとさえ思われています。

『レオン』で有名なフランス人俳優ジャン・レノさんも、映画でもインタビューでもフランス語訛りの英語を堂々と使っているじゃないですか。

 

余談ですが、私は大学でフランス語を勉強していて、当時は英語よりフランス語の方がずっと使えたせいか、私の英語はフランス語なまりがあると周りには言われていました。

それを後で知った夫(知り合った頃にはそのなまりは消えていた)に、「なんでそのなまりをキープしなかったんだ!」と悔しそうに言われたことがあります。(笑)

 

私たちは、普通に生活していると「日本人以外の人の話す日本語」というのを聞く機会がほとんどありません。だから、ネイティブ日本語ではない間違いや不自然さがとても気になってしまいます。

一方、英語のネイティブスピーカーは、ノンネイティブの英語に日常的に触れているので、少々の間違いや不自然さは慣れっこです。

また、そもそも「ネイティブ英語」と一口に言っても、国や地域によってバラバラです。発音やイントネーションで、世界基準の「標準英語」はありません。国の代表であるアナウンサーも、国ごとに全然違うアクセントで話します。

だから、あなたの不自然な英語に文句をつける人は、少なくとも「外国人の話す不自然な日本語」を気にする日本人より圧倒的に少ないのは間違いありません。これって、私たち英語学習者にとってはすごくありがたいことだと思いませんか?

英語の少々の不自然さや間違いなんて、あなたが気にするほど周りは誰も気にしていません。自信を持って堂々としていれば良いわけです。

 

英語を「話してやってる」くらいの意識を持つ

英会話

まず、「日本は国際化しているから、英語くらい話せないようでは恥ずかしい」という認識は大きな間違いです。私たちは日本人です。極端な話、日本ではほとんどの場合、英語が使えなくても何の不自由もなく生きていけます。

あなたが英語が苦手なのだとしたら、それは単にこれまで英語を話す必要がなかっただけ。あなたが優秀じゃないからではありません。英語が話せないことは、恥ずかしいことでも何でもありません。

 

実際、外国語なんて、本当に必要だったら誰でも絶対に話せるようになります。江戸時代に漂流してアメリカの捕鯨船に助けられたジョン万次郎であれ、ロシアに流れ着いた大黒屋光太夫であれ、辞書も何もなかった時代に卓越した語学力を身につけました。

ジョン万次郎なんかは、家は貧しい漁師で学校にも行っていないので、アメリカ船に拾われた時(当時14歳)は日本語の読み書きすらできませんでした。そんな彼が英語がペラペラになったのは、異国の地で生きていき、そして祖国日本に帰るために必要だったからです。

 

ほとんどの人にとっては、「英語を話さなくても不自由なく生きていける」というのが現実なんですから、英語を話せないことで罪悪感を感じる必要は全くありませんし、卑屈になることもありません。日本人は英語に対して罪悪感と劣等感を持ちすぎです。

ぶっちゃけ、外国人に対しては「あなたが日本語を話せないから、私が英語で話してやってる」くらいの意識で日本人はちょうどいいと思います。日本で外国人と接する場合は、日本に来てるのに日本語を話せないのは、極論すればその人の責任です。

もちろん、だから傲慢な態度を取りましょうという意味ではありません。「あなたが日本語を話さないのであれば、私ができる範囲で英語で話しますよ!」と、たとえ片言であろうと堂々としていたらいいんです。

英語を流暢に話せないことを申し訳ないと思う必要は、全くありません。

 

私が、たとえば今は全く話せないドイツ語をちょっと勉強してドイツに旅行し、下手くそなドイツ語で話すとしても、「私はあなたの言語を頑張って話してますよ!」と堂々としていられます。ドイツ語が流暢に話せないことは、恥ずかしいことではないからです。

外国語が流暢に話せないために、差別されたり見下されることもあるかもしれません。でもそれは、ただ単にその人の人間性が終わっているからです(笑)。そんな人にどういう態度を取られようが、そんな人はこっちから願い下げですよ。言葉が十分に通じない相手にも、敬意を持って丁寧に接してくれる人はたくさんいます。

 

英語を話すのが恥ずかしい人へのまとめ

英語を話すのが恥ずかしい、怖いという人が事前にやるべきこと、知っておくべきことは、以下の5つです。

1.あらゆる場面を想定した脳内シミュレーションをする
2.ネイティブらしさは捨てる決心をする
3.外国人に英語で話す場数を踏む
4.英語スピーカーはとっても寛大であると知る
5.英語を「話してやってる」くらいの意識を持つ

 

以上、あなたが「事前にできる準備をして、あとは今の自分ができる範囲で英語を話せばいいんだ!」と気づいていただけたらうれしいです。

堂々と大きな声ではっきりと話せば、大丈夫です!


オーバーラッピングとシャドーイング、やるならどっち?効果の違いを解説

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音読やシャドーイングに加えて、声を出して英語を発音する学習法として「オーバーラッピング」というトレーニング法があります。

「オーバーラッピングとシャドーイングはどっちをやった方がいいですか?」「どっちの方が効果がありますか?」といったご質問をよくいただくので、このページではそれぞれの効果の違いやどちらがお勧めか、解説します!

 

オーバーラッピングとは?

オーバーラッピング(overlapping)は、英語の音声に自分の声をかぶせるようにして、英文を見ながら同時に発音する勉強法です。

オーバーラッピングに似たシャドーイングという勉強法がありますが、シャドーイングは影のようにくっついて発音していくトレーニングなので、自分の声が遅れます。一方、オーバーラッピングは全く同時になります。

 

「音読とシャドーイングの効果の違いとメリット・デメリット」という記事で、音読とシャドーイングの違いを説明しましたが、オーバーラッピングもシャドーイングと同じく自己流の発音に偏るという音読の欠点を補う勉強法です。

音読とシャドーイングの効果の違いとメリット・デメリット

 

オーバーラッピングとシャドーイングの効果に違いはある?

勉強する女性

オーバーラッピングもシャドーイングも、英語の発音、抑揚(イントネーション)、リズムをできるだけお手本の英語に忠実に再現することによって、発音やイントネーションの向上がはかれる勉強法です。

 

オーバーラッピングとシャドーイングの違いを端的に表すと、こうなります。

オーバーラッピング: 英文を見ながら、音声と同時に発音する
シャドーイング:   英文を見ないで、音声より遅れて発音する

※英文を見ながらシャドーイングをすることを勧める教材もありますが、私の考えではそれならオーバーラッピングの方がよほど効果が高いです。なので、この記事ではシャドーイングは英文を見ないという定義で検討します。

では、具体的に効果にはどんな違いがあるのか、以下に説明します。

 

オーバーラッピングの特徴

自分の発音とお手本の違いが顕著に分かる

音声の英語と自分の声をぴったり合わせるように発音するので、自分の発音やイントネーションがお手本とズレているところがシャドーイングよりはっきり分かります。なので、発音やイントネーションの向上につながります。

直接的なリスニング力アップ効果は低い

英語を見ながら発音するので、視覚情報がある分、英語を「聞き取って理解しよう」というモードにはなりません。リスニングには直接的な効果は薄いです。

ただし、英語の音を正しく発音できるようになれば英語がより聞き取れるようになるので、間接的にはリスニング力アップに効果がありますよ。

単語のスペルと実際の音とを一致させやすい

英文を目で見ながらやるので、「この単語はこういう発音をするんだ」と単語のスペルと実際の音が自分の中で一致します。

継続が難しい

オーバーラッピングに限った話ではありませんが、机について集中してやらないとできない勉強なので、どうしても三日坊主になりがちです。

 

シャドーイングの特徴

視覚情報がないので、リスニング力が鍛えられる

耳から入る音だけを頼りに英語を声に出さないといけないので、オーバーラッピングと比較してリスニング力がより鍛えられます。

不明な箇所がそのままになりがち

知らない単語や聞き取れなかった箇所があっても、その場では英文の確認ができません。不明な点があれば後でスクリプトを確認するのが必要です。

レベルを下げる必要がある

視覚情報が一切なく、リスニング力だけに頼っての発音練習になるので、知らない単語がほとんどなく自分にとって簡単な素材を使うことが必要です。オーバーラッピングより素材のレベルを下げる必要があります。

継続しやすい(ながらシャドーイングの場合)

シャドーイングを机でやるのであれば、継続のしにくさはオーバーラッピングと変わりません。ですが、私が勧めている「ながらシャドーイング」なら続きやすいです。

 

それでも私がオーバーラッピングよりシャドーイングを勧める理由

上記の比較を見ていただければ分かるように、オーバーラッピングとシャドーイングのどちらが学習効果が高いかという勝負では、オーバーラッピングに軍配が上がります。

正しいイントネーションやリズムを身につけるには、お手本とぴったり合わせるオーバーラッピングの方がより効果は高いです。また、シャドーイングよりハイレベルな素材を使えるのも、オーバーラッピングが勝るところです。

にもかかわらず、私はオーバーラッピングはほとんど実践していなくて、ほぼシャドーイングです。

 

それはなぜなのかというと、シャドーイングは「ながら勉強ができる」からに尽きます。家事をしながら、運転をしながら、散歩をしながら・・・など、耳は空いていて音は聞けるけどテキストは読めないというときにもシャドーイングはできるのです。オーバーラッピングは、そうはいきません。

こういう時間って結構多いもので、シャドーイングなら無理なく取り組めます。私自身は、社会人になってからほぼ車通勤ですが、運転中はシャドーイングの時間と決めています。

 

オーバーラッピングは机での時間を確保しないといけないので、「今日は残業で帰りが遅くなったから」「今日は見たいテレビがあるから」といった言い訳の犠牲になりがちですよね。もちろん、それはオーバーラッピングに限らず、机でやる必要のあるすべての勉強について言えることです。

その点シャドーイングはどうかというと、通勤時間のような「どちらにしても消費しないといけない時間」にシャドーイングを組み込むことはそれほど難しいことではないんです。

しかも、この習慣を継続していくと、シャドーイングをするのが当たり前になり、しない方が気持ち悪くなってきます。

 

オーバーラッピングは「ながら勉強」ができない

オーバーラッピングのためだけの時間を確保する必要がある

面倒なので続かなくなる

という明確な図式が存在する以上、私は、「シャドーイングこそがどの勉強法よりも素晴らしいから」ではなく、「効率」と「継続性」のためにシャドーイングを選んでいます。

シャドーイングを「ながら時間」に済ませる分、机でしかできない文法やリーディング、ディクテーション、ライティングなどに時間を費やすことができるからです。

どんなに素晴らしい勉強法でも、三日坊主で続けられないなら意味がありません。であれば、習慣にして続けられる勉強法を選択するのが賢いやり方だと思いますが、どうでしょう?

 

「ながらシャドーイングをしたいけど、私は運転しないんです」という人は、入浴時間をシャドーイング時間にするのはどうでしょう? お風呂に浸かりながら、防水スピーカーで音声を流して声を出してシャドーイングすることができます。お風呂なら、気兼ねなく声を出せますよね。

お風呂の時間も毎日必ず消費しなければいけない時間ですので、慣れたら当たり前に継続できるようになりますよ。

 

お持ちのスマホとbluetoothで無線接続できる防水スピーカーがあるので、ぜひ検討してみてください。私も防水スピーカーでいつもお風呂で英語を聞いています。詳しくはこの記事に欠いているので、どうぞ。

英語学習者に必須の3ツール(MP3プレーヤー、Bluetoothイヤホン、防水スピーカー)【2018年版】

 

もちろん、シャドーイングとオーバーラッピングのどちらかしかやってはダメという決まりはないので、余力がある方はどちらもやればいいですし、好みと使える時間によって選べば良いと思います。

私の言いたいのは、勉強の継続しやすさを考えると、シャドーイングがお勧め」ということです。

「勉強時間はたっぷりあるし、頑張って継続する覚悟はある。短期決戦で一気に発音を向上させたい」という場合は、オーバーラッピングを取り入れるといいと思います。

 

まとめ

「何か別のことをしながら英語時間が自動的に積み上がった」というのが、私の英語学習が多くの人より上手くいっている最大の秘密です。

私は、シャドーイングのためだけの勉強時間を1分も取っていません。すべて、運転しながら、家事をしながらなどの「ながら勉強」です。

だって、毎日忙しいんじゃもん。英語の勉強に、そんなに時間割けんのんじゃもん。あんただって、そうじゃろ? 英語の勉強しよーかのー思うても、机についた瞬間に眠とうなるじゃろ? 机につく時間すらないくらい忙しい日もあるじゃろ?

(広島弁って、こうやって文字にしてみたら、ものすごいお年寄りの話し方にしか聞こえん・・・)

 

家事をしながら、運転をしながら、散歩をしながら・・・など、耳は空いていて音は聞けるけど、テキストは読めないという時間なら、忙しい人でも見つけられるはず。いろいろ理想はあるけれど、英語学習は無理があると長続きしません。「ながら勉強」を上手に取り入れてください。

というわけで、オーバーラッピングとシャドーイングの効果や継続のしやすさの違いをご紹介しましたが、オーバーラッピングとシャドーイングのどちらを選ぶにしても、発音やイントネーションの改善には絶大な効果があります。あなたの目的と生活スタイルに合った方法で取り組んでみてくださいね!

 

私がずっと継続できているシャドーイングについて、詳しくはこちらに書いていますので参考にしてください。

シャドーイングを10年続けた私が効果的なやり方とコツを教えるよ!

ネイティブらしい英語表現の落とし穴!自然に使えるようになるには?

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ネイティブが使っているかっこいい英語表現、自分も使えたらいいなと憧れますよね。

「No way!(まさか!)」「Get it over with.(もう吹っ切りなさい)」なんて学校では習わないし、意味を知らずに英語だけ見ると「え、そんな意味なの?」というものばかりです。

 

だから、「今すぐ使える!かっこいいネイティブフレーズ表現」とか、「絶対使えるおしゃれな英語表現」とか、こういうフレーズを集めた本がめっちゃ売れています。あなたも1冊や2冊、持っているんではないでしょうか。

もちろん私も、英語を勉強しているからには、できるだけネイティブに近づきたいです。かっこいいフレーズが使いこなせたらいいなと思います。でも、ネイティブらしい英語表現には思わぬ落とし穴があるのです。

 

このページでは、どのようにネイティブらしい表現を身につけて正しく自然に使いこなせるようになるかをお話しします。

 

ネイティブ英会話フレーズをむやみに使うことの落とし穴

勉強する女性

いつか英語がネイティブのように話せる日を夢見て、あなたは英会話フレーズ本に取り組んでいるかもしれません。

また、英会話教室の先生から「英語ではこういう時はこう言うのが自然だよ」とネイティブ表現を学んでいるかもしれないし、日々の英語学習のなかで「自然なネイティブらしい言い方は?」と気にしていると思います。

そりゃ、下手な英語で恥をかきたくないし、不自然な表現で笑われたくないですよね。どうせなら、ネイティブらしい表現でバシッとかっこよく決めたいですもんね。

・・・でも、「かっこよくネイティブらしい表現で話したい!」と思って使ったのに、「かっこいい」とは全く違う印象を与えてしまう危険があるのです。どうしてそんなことになるのでしょうか?

 

もう何年も前ですが、明石家さんまさんのテレビ番組に、韓国人のユンソナさんが出演していました。当時はまだ日本のテレビに出始めたばかりの頃で、「ちゃんと番組の流れについて行けているのかな?」とこっちが心配になるほどたどたどしい日本語しか話せませんでした。

番組では、確か男女問題についてのトークが繰り広げられていました。どういう話の流れだったか覚えていないのですが、彼女が、こう言いました。

「だってさびしいだろ?」

会場は爆笑。私も、実際にテレビの前で爆笑しました。

ユンソナさんはその発言のおかげで「今週の踊るヒット賞」に選ばれていました。でも、なぜその発言が賞に選ばれるほど面白かったのでしょうか?

 

その答えは、彼女が、妙に日本語らしい日本語で、しかも男性の言葉遣いでそう言ったからです。

同じことを、たとえば日本人の芸人さんが言っても別に面白くも何ともありません。日本語がペラペラの外国人タレントさんが言っても、彼女のような笑いは取れないでしょう。

つまり、何が笑いを誘ったのかというと、それは、「ギャップ」です。

日本語がお世辞にも上手とは言えなかった彼女が、あまりにナチュラルな日本語をしゃべった。しかも、あのかわいらしい彼女が、男みたいな口調でしゃべった。だから、笑えるわけです。

 

もっと分かりやすい例で言えば、ボビー・オロゴンさん。最近は「YOUは何しに日本へ」のナレーションでもおなじみで、流暢な日本語を話します。でも、覚えている方もいると思いますが、日本でテレビに出始めた頃の彼は、日本語が全然分からないフリをしていました。

「日本語が全然しゃべれないくせに、たま~に発する日本語は、日本の若者言葉そのもの」というキャラで笑いを取るという芸風にしていたわけです。

 

ネイティブ表現が使えることと、英会話が上手なことは無関係

少女

「ネイティブらしい表現を使っても、ギャップが笑いを誘う」という、見方によっては結構ショッキングな私の意見を受けて、以前メルマガでこの問題について書いたときにいただいた読者さんの体験談をご紹介しますね。

 

以前は、知らないと意味が想像もつかないようなイディオムを『日本人は知らない・・・・』たぐいの本で必死で暗記していましたが、今は『あ~そんな意味なんだな~』程度に流してこだわることは止めています。

もしそのようなイディオムを使われたら、どんな意味か聞けばいいだけですし、そもそも私と会話をしていたら、相手が私のレベルに合わせて英語を使ってくれるように思います。

実体験として、『it rings the bell』をアメリカ人と会話しているときに使ったら、『君からそんな表現が出るとはびっくりしたよ』と言われたことがありました。

その時は喜んだ?覚えがありますが、よくよく考えると自分のレベルで使うとおかしく感じる表現であり、おっしゃる通り、相手には奇妙に聞こえただけだったんだと思います。

「ネイティブらしすぎるのも滑稽」。本当にその通りですね!私も少しでも自然な英語を話したいとフレーズの暗記をしていました。でもなかなかそういうフレーズを使える場面ってないんですよね。

ある時、英会話教室(会話力を上げるため通っています)で「あっ!ここで使える!」という場面が訪れたので、暗記したまま流暢に言ったらネイティブに???という顔をされました。通じなかったのかと不安になって「間違った言い方した?」って聞いたら「そういうフレーズが君から出ると思ってなかったから」って。

今回のメルマガを読んで、あの時の違和感はこれだったんだなと思いました。たどたどしくてもその人の言葉でしゃべっている方が好感が持てるし、言葉に感情が乗りますよね。イントネーションとか。

フレーズ集に手を出すのはもっとレベルが上がって、自分でそのフレーズを消化できる、自分の言葉にして発せられるようになるまで、お預けにします。

 

このほかにも、「私も実際に外国人にネイティブ表現を使って驚かれた(あるいは変な反応をされた)」という経験がある複数の方からメールをいただきました。

「君がそういう表現を使うと思わなかった」といった反応は、勉強熱心なあなたに素直に感心しているからだろうと思います。もちろん、それはそれで良いことですし、知っている表現なら使えばいいです。

でも、驚かれたり変な反応をされるということは、「ギャップ」が存在しているということなんですよね。「この人の英語力だと、このくらいの表現を使うのが妥当」という相手の期待を、いい意味であれ、悪い意味であれ、裏切っているわけです。

ネイティブらしい表現を使ったからと言って、その人の英会話レベルが優れているという評価には全くならないのです。

 

せっかく覚えたネイティブ英語フレーズ、使うと笑われる?

ignorance

ここで、あなたに質問です。

あなたが、「すっごく英語らしい英語」をネイティブ英会話表現集などで丸暗記してしゃべったとして、その英語は違和感なく相手に受け入れられるでしょうか?

もしかしたら、「素」のあなたの英語と、「ネイティブ表現丸暗記」のあなたの英語とのギャップが、相手に奇妙な感覚を与える結果になっていたりしないでしょうか?

 

もちろん、自然な英語表現を覚えようという努力を否定するわけではありません。

ただ、あなたがネイティブらしいフレーズを頑張って暗記した結果、こういう事態になるのなら、それでも暗記して使えるようになることを望みますか?ということです。

あなたの英語学習の目的を達成するために、果たしてそれは最適な労力と時間の使い方ですか?

 

私は、「ネイティブ表現を暗記して使えるようになる」という勉強法は、ほとんどの英語学習者にはとても優先順位が低く、他にやるべきことが山ほどあると思っています。

あなたが、「ギャップ」によってウケを狙いたいのなら、それでかまいません。私の夫も、そうやって変な日本語を覚えて人を笑わせるのが好きです。

日本人がメジャーリーグに挑戦すると、最初は言葉の壁もあって溶け込むのが難しいですよね。そんなに英語がすぐに上達するわけでもありませんし。じゃあ仲良くなるのにみんなどうしているのかというと、チームメイトから教えられた英語やスペイン語の卑猥な表現を使って笑いを取るんです(笑)。

 

でも、ギャップを笑いや驚きに変えたいのではないとしたら?おそらく、ほとんどの日本人は、そういう目的は持っていないはずです。むしろ、ネイティブらしいフレーズが使えたら「かっこいい」と思っているから、頑張って覚えようとしているはずです。

だったら、英会話が十分にできないうちから「ネイティブの表現」「自然な英語」にこだわる意味はありません。

ですから、片言の英語しか話せないなら、片言なりに、単語をつなげて堂々と話せば良いのです。無理して背伸びをして、ネイティブらしく話そうとなんてしなくて良いのです。

 

ユンソナさんやボビーさんの批判や否定をするつもりは全くありません。面白さやインパクトが重要な芸能人にとっては、ああいう日本語の話し方で正解なのだと思います。

でも、普通の英語学習者にはほぼ当てはまらないでしょう。

ネイティブ表現の丸覚えじゃなくたって、変な表現をして笑われたり、バカにされたりすることもあるかもしれません。だからこそ、あえてそれに加えて茨の道を進まなくても良いと私は思うわけです。

「ネイティブを真似て自然な英語を話せなければいけない!」「ネイティブ表現をたくさん覚えることこそが英会話上達の道!」そういう呪縛に囚われているなら、それは違うんだと知って安心してください。

 

ネイティブフレーズをたくさん覚えることは、英会話上達の近道では全くありません。

必要以上にネイティブ表現を使うことに注意を向けるより、まずは通じる英語をしっかり話せるようになりましょう。

 

ネイティブらしい英語フレーズを自然に使えるためにすべきこと

国際交流

今までの話を聞いて、「じゃあ、ネイティブらしいフレーズって勉強しなくていいんだ〜」そう思ったかもしれません。でも、実はそう簡単な話じゃないんです。

 

ネイティブらしい英会話表現を「理解」できることは役立つ

あなたの目的・レベルにもよりますが、日本人には意味が予想できないようなネイティブ表現を「理解できること」は大いに役に立ちます。

それは、あなたの会話相手のネイティブスピーカーが言うかもしれないし、映画やドラマの登場人物が言うかもしれないからです。だから、その表現が何を意味するのかというのは、自分が使うかどうかは別にして、知っておくに越したことはないのです。

 

たとえば、「Break a leg.」というネイティブ表現があります。直訳すると「足を骨折しなさい」っていう意味なんですが、なんとこれは、これから舞台に上がる人に対する、「頑張ってね」という励ましの言葉なんです。

骨折

普通の日本の英語教育を受けただけの人なら、きっと聞いたこともない表現だろうし、単語からは意味の推測が不可能です。映画やドラマの登場人物が「Break a leg.」と言ったのをあなたが聞き取れても、「舞台に上がる前なのに、なんて不吉なことを!」って思いますよね。

だから、こういったネイティブ表現の意味は、知らないよりは知っておいた方がいいのは間違いありません。

 

とは言え、一対一の会話であれば、相手があなたのレベルに合わせてくれることが多いです。

英語のネイティブではないあなたが舞台に上がる時、おそらくネイティブスピーカーは「Break a leg.」とは言わないはずです。シンプルに「Good luck.」と言ってくれるでしょう。仮に「Break a leg.」と言ったとしても、聞きなおせば「ああ、Good luckって言いたかったんだよ」と教えてくれるでしょう。

だから、ネイティブらしい英語表現を知らなくて日常生活でものすごく困るということは、それほどないはずです。

 

「ネイティブ表現をたくさん暗記すれば英語を話せるようになる」と思っているのであれば、それは大きな誤解です。意味を知っていなければ思いつきもしないようなネイティブフレーズをたくさん使えるようになる必要なんてないのです。

「聞いて(読んで)意味がわかれば十分」。そう、気楽に考えてください。

 

ネイティブ表現は、使うシチュエーションに注意

会議

 

ネイティブ会話表現集によっては、「これはやや乱暴な表現なので、使い方に注意」とか書いてある場合もあります。そういう注意書き、よく見ると思います。

でも、「乱暴な表現なので注意」って言われても「じゃあ、誰に対してどういう場面だったら使っていいの??」ってかえって困りませんか? 家族ならいいの? 親しい人ならいいの? それとも、良識ある大人なら、そもそも誰に対しても使わない方がいいの? と。

私だったら、「いつ使っていいか分からんし、もういいや!」ってその表現を身につけるのが億劫になります。あえてリスクを冒してその表現を使う理由がないからです。相手を無駄に嫌な気持ちにさせたくないですし。

 

とはいえ、丸暗記しても大丈夫というネイティブ表現本もあります。それは、特定のシチュエーションに特化したもの。たとえば、「ビジネス英会話表現集」とか「旅行英会話表現集」とかですね。

当たり前ですが、ビジネス英会話の本に、ビジネスにはふさわしくない乱暴な表現やカジュアルすぎる表現が入っていることはありません。

私も、そういう本を一冊買って職場に置いていました。たとえば、職場のパーティーで司会の通訳をしなければならないとき、たいていそういう本に「パーティーでの会話」みたいな項がありますから、そこを重点的にチェックします。

ビジネスのパーティーでよく使う自然な表現を調べて、暗記して通訳に臨むこともあります。パーティーの司会ですから、日本語の直訳ではなくその場にふさわしい英語が言える必要があると思うので。

 

なので、「ビジネスミーティング」や「レストランでの会話」など、ある程度話の内容が予測できる場面に備えてであれば、こういった本を使って英語表現を身につけるのは非常にいい使い方だと思います。

でも、それはあくまでも「その場しのぎ」であって、暗記で英会話ができるようにはなりません。というか、できるようにならなかったですからね・・・(経験者は語る)

 

英語のインプット能力とアウトプット能力の決して埋められない差

これから、大事なことを話します。

私たちの

・インプット力(読んで・聞いて理解する能力)
・アウトプット力(話す・書くことができる能力)

には、大きな差があります。

英語というのは、大量のインプットをして、そのほんの一部がアウトプットとして自分の中から出てくるものなんです。

 

【大量のインプット】が【少量のアウトプット】として出てくる。

これは重要です!赤線引いておいてください(笑)

 

私のイメージとしては、「10」のインプットをして、そのたった「1」がアウトプットとして出るという感じです。

インプットというのは、文字通り、自分の中に英語を入れることです。

・聞く(リスニング)
・読む(リーディング)
・文法を理解する
・単語を覚える

です。

アウトプットは、自分の中から英語を出すこと。

・話す(スピーキング)
・書く(ライティング)

です。

 

「10のインプットに対して1のアウトプット」というのは単なる私の感覚で、数字そのものは重要ではないんですが、「聞いて(読んで)理解できる」英語と「自分の中から出せる」英語には、大きな隔たりがあるんです。

「聞くだけならたいしたことない英語だなと思うのに、いざ自分が同じ内容をしゃべろうとしてもほんとに幼稚な英語しか出てこない・・・」「この単語、見たら意味は分かるのに、それを自分が使おうとしても使えない・・・」

あなたも、そういう経験は何度もあると思いますが、理解できるレベルの言葉と、実際に話したり書いたりできるレベルの言葉は、全然違いますよね?

そして、それは英語だけじゃなく、母国語である日本語でも同じじゃないですか?

 

新聞やニュースで使われる難しい言葉で、「理解はできても、自分が話したり書いたりするときには出てこない表現」って、たくさんあるはずです。もっと言えば、読んで分かる漢字でも、書けって言われたら書けないものはたくさんありますよね。

 

「インプットとアウトプットの差」とは、そういうことです。そして、この「インプットとアウトプットの差」は決して埋めることはできません。

つまり、英語でどんな高いレベルになっても、私たちの母国語である日本語であっても、「認識・理解できる(インプット)」レベルと「話せる・書ける(アウトプット)」レベルとには必ず差が存在し続けるものなのです。

よく、「単語を覚えたのはいいけど、自分が使えるにはまだまだです」「聞けば意味は分かるけど、いざそれを使おうと思っても出てきません」と悩んでいる人がいますが、それが当たり前です。誰だってそうだし、そういう自然の法則なんです。

ネイティブ表現をすべて「いざという時に使えるように訓練する」のは、ものすごい時間と労力がかかります。「聞けば意味がわかる」(インプット)と「自分の言葉として口から出る」(アウトプット)というのは、全く別の次元だからです。

 

ネイティブ表現を正しく使うには、実際に使われる現場を目撃せよ!

教室

 

「アウトプットできるようになるには労力が必要なのは分かったけど、だからってアウトプットから逃げていてはいつまでたっても話せるようにならないんじゃない?」「じゃあ、ネイティブ表現は使えるようにならなくていいってこと?」などなど、疑問や反論もあるかと思います。

ネイティブ表現を正しく自然に使えるようになる方法。ようやく本題です。前置きが長くなりすぎました(笑)

ネイティブ表現を正しく自然に使えるようになるには、自分の脳内に状況ごとその表現をインプットすることです。

 

 

たとえば、「Beats me.」あるいは「It beats me…」というネイティブフレーズがあります。直訳すると「私を殴る(殴って)」って感じですが、これは「さあね」「さっぱりわからない」という意味です。

この表現だったら、

・「Beats me.」と誰かが言っている映画やドラマの1シーン
・ネイティブの友人が「Beats me.」を使っている場面

などにまず出合う必要があります。それも、一度だけじゃなく複数回。

 

まず、「シチュエーションごと」その表現をインプットし、

・どんな場面で使われているのか
・使った人の感情
・話者の表情、ジェスチャー
・相手の反応
・互いの人間関係

などの「背景」を感じ取るのです。もちろん、イントネーションとアクセントも。(ちなみに、Beats meは「ミー」にアクセント)

そうやって、「Beats meは『分からない』という意味」と単なる日本語の定義ではなく、表現の背景、イメージまで一緒にインプットするのです。

そうすれば、自分がBeats meをどういう場面で、どんな相手になら言っていいのか、もし言うとしたらどんな表情とかしぐさなのか、そういうことが自然に分かるようになります。(ジェスチャーは、「さあね」と肩をすくめる感じ)

Beats meの背景までしっかり身に付いた上でその表現が使えるなら、その時はじめて「自然なネイティブ表現が使える」と言えると私は思います。相手にも、違和感なく受け入れられるようになります。

 

こういう時、ネイティブの会話や映画で自然に「Beats me.」に出合うチャンスを待っていてもなかなかそういう機会は訪れないかもしれません。そんな時は、 “beats me” で動画のGoogle検索をしてみたらいいです。

たとえば、私が調べてみるとこんな動画がBBCに上がっていました。


こんな感じで勉強することで、単なる知識としてではなく、実際に使われるシチュエーションをよりイメージできますよね。

あなたがこの表現を使わないとしても、聞いたときに意味が分かると助かります。動画を使って覚えると記憶にも残りやすいので、とてもお勧めです。

 

ちなみに私は、さっき上で書いた「Break a leg.」という表現について、知識としては「頑張ってね」という意味だと知っていましたが、一度も実際に使われている場面に遭遇したことがありませんでした。舞台に立つ前の人に使う表現だということは、頭から抜けていました。

 

それが、ある日偶然、私が好きでずっと見ていた海外ドラマ「Glee(グリー)」で発見したわけです。(一番最初のセリフです)

これ、Gleeの中ではすごく象徴的なシーンで、Glee史上トップ10に入る名場面です。その後の歌のシーンも素晴らしくて私は大好きなんですが、ぜひ歌も聞いて欲しいです。

完全に余談ですが、この二人は実生活でも恋人同士になります。ドラマでも二人がハッピーエンドで終わると誰もが信じて楽しみにしていたのですが、ドラマの途中で男性の俳優さんが麻薬中毒で突然亡くなってしまい(実生活で)、そのせいで脚本も急遽書き換えられることになりました。それもあって、これはファンにとっては余計に切ないシーンになっています・・・

 

Gleeは高校の合唱部を描いたドラマで、英語は早口でちょっと難しいですが、すごくお勧めです!私はhuluで見ています。

huluとNetflixの比較。英語字幕つきの動画を検索表示する方法

 

「Break a leg.」とレイチェル(女の子)が言うのを聞いて、私は「ああ、そうだった!舞台に上がる前の表現だった」と過去のインプットの内容を思い出したんですね。

そして、「発音はbreakよりlegの方にアクセントがあるんだ!」とか、「直訳したら『骨折しろ』って表現なのに、全然皮肉っぽくなく暖かい雰囲気で言うんだな」とか、いろんな背景まで受け取ることができました。

こうなると、「Break a leg」にアンテナが立っている状態なので、その後違うドラマとかで同じ表現が出てくるとすぐに気づきますし、より印象が強くなります。

 

また、「何でそういう表現になったんだろう?」って起源が気になったりもしますよね。そうしたら、またGoogleで “break a leg origin” って入力して検索してみると面白いです。(起源は諸説あるようです)

すると、もう忘れることはないし、そのうち使おうと思えばすらっと自然にアウトプットできるようになります。ただし、私はステージとかとは無縁なので、残念ながら「Break a leg」は使う機会はなさそうですが・・・

なので、ネイティブらしい表現をしっかり身につけて自然に使えるようになるには、その表現が実際に使われている現場を何度も目撃することが最も近道です。

 

ネイティブ表現を正しく自然に使えるようになるには?

留学

ネイティブらしい表現を紹介している本やサイトでは、「じゃあこの表現をすぐに使ってみましょう!」というものがほとんどだと思います。

もちろん、その表現が今の自分の気持ちにぴったりなのであれば使えばいいです。でも、上に挙げたビジネスシーンや海外旅行のシーンのフレーズ本などを除けば、無理して今すぐに使おうとする必要はないと思います。

 

私自身がネイティブ表現を身につけるときは、自分が実際にそのフレーズが使われている現場を見たり聞いたりしたことがないものは、まず使いません。

「Break a leg」のように何度か目に(耳に)して、「こういう場面でこういう雰囲気でこういう相手に対して使うんだな」という背景までしっかりインプットします。そして、自分がそれを使う場面が来れば、その時に自分の口から自然に出ます。

 

ネイティブ表現を覚えたあと、「あ、これよく知ってる!何回も聞いたことある!」くらいの状態にならないと、自然には使えないです。その中から、自分が使えそう、使ってみたいと思う表現であれば、具体的にそのシーンを思い浮かべて脳内リハーサルしましょう。

まず、複数回のインプットありきなのです。そして、使えそうならアウトプットに転換。これが、ネイティブ表現を身につける正しい方法です。

映画、ドラマなどが楽しめることの重要度が高い人は、英語教材だけでなく、実際に日常的に映画やドラマを見ることが大切です。私も、日本のドラマは一切見ておらず、娯楽として見るのは全部海外のドラマです。

海外ドラマで効果的にリスニング力と英会話力を伸ばす5ステップ学習法

 

ただし、ただ日本語字幕で1度見てそれっきりでは「やらないよりマシ」程度でほとんど意味がありません。ネイティブらしい表現を自分のものにしてナチュラルに使いこなすには、以下の過程が不可欠です。

・同じエピソードを英語字幕や字幕なしで何回も見る。
・気になったフレーズは、情景や俳優の身振り、表情などにも気をつけつつ何度も声に出してみる。
・自分がその表現を使えそうな場面を想像し、頭の中でシミュレーションしながら何度も口にしてみる。

 

まとめ

というわけで、今日はネイティブ英語の正しい身につけ方をお話ししましたが、

・・・正直、面倒くさくないですか?

私は、面倒くさいなと思ってます。(あー言ってしまった 汗)

 

ネイティブらしい表現を覚えるためにそんな労力を使うくらいだったら、もっとやるべきことはたくさんあります。だから、アウトプットを目的としたネイティブ表現の習得は、私は最小限にしてます。

英会話フレーズをたくさん暗記しても、話せるようにはなりません。正確に言えば、そのフレーズにどんぴしゃの状況に限って使うことができますが、応用がきかないため、ひとつひとつ覚えていても、キリがないですから。

 

応用がいくらでもきく「瞬間英作文」の方が、ずっと労力に見合った結果が出ると私は思います。ネイティブ表現を積極的に使おうとしてこなかった私でも、瞬間英作文でなんとかやってこられています。

というわけで、ネイティブ表現を自然に使えるようになる方法についてお伝えしました。お役に立ったら幸いです!

 

瞬間英作文については、こちらをどうぞ。

瞬間英作文のやり方とおすすめ教材。私はコレで独学で通訳になりました

英会話レッスンでビジネス英語力を磨くには?授業内容アイデア3選

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英会話レッスンをただの自己紹介や雑談の時間にするのではなく、スキルアップに活かせたらいいと思いませんか?

たとえば、英会話の先生に練習相手になってもらって、職場での英語会議や、今後外資系企業に転職することを見据えての英語面接のシミュレーションができれば、これほど心強いことはないですよね。

ビジネス英語も身につきますし、英語のビジネスシーンでの習慣やよく言う言い回しなども身につきます。

 

このページでは、自己紹介や雑談ばっかりのレッスンは飽きた!役に立つレッスンをしたい!と考える人のために、スカイプ英会話レッスンや英会話教室でビジネス英語力を上げるレッスンアイデアをお伝えします。参考にしてください!

 

ロールプレイング英会話

教室

練習なしでいきなり本番でうまくいくことはないのは、英会話だけでなくても何でも同じです。そこで、英会話レッスンでぜひ取り入れて欲しいのが、ロールプレイングです。

 

日本の普通の新人研修でも、電話応対のロールプレイングをやりますよね。私も、接客業のアルバイトの時だけでなく、通訳時代にもロールプレイングを上司とやったことがあります。

ロールプレイングと言うと、「なんか恥ずかしいし、寒い」とどうしても思ってしまいますが、恥ずかしさや照れを捨てないと英語は上手になりません。英会話の先生もノリノリでやってくれる人がほとんど(それが仕事)なので、遠慮せず先生に「今日は○○のロールプレイングがやりたいです!」とお願いしましょう。

 

とは言え、いきなり何の準備もなしにロールプレイングは難しく、すぐに沈黙してしまう可能性大なので、最初にある程度の台本を決めておいた方がいいです。

たとえば、電話応対のロールプレイングをしたいなら、ネットで「電話応対 英語」で検索するとたくさんの英語例文が見つかるので、それを参考にして大まかな台本を作ります。そして、自分の会社だったらどんな表現が必要になるのかを考えて、アレンジを加えるとさらにいいです。

 

電話応対と言っても、「相手が留守で、伝言を残したいとき」「商品についての問い合せのとき」「クレーム」など、いろんなシチュエーションが考えられますので、あなたの目的に合った短い台本を作ってみるといいです。

先生にもそれを見てもらって、修正するべき英語があったら直してもらいます。その後、最初は先生と台本通りに練習し、慣れたら先生に台本以外のせりふを混ぜてもらって、自分が瞬間的に予想外の事態に対応できるように鍛えてもらうといいですね。

 

他にも、あなたの目的が旅行で英語を使うことで、近々海外旅行の予定があるなら

* 入国審査
* レストランでの注文
* ホテルのチェックイン
* 切符を買う
* 買い物

こういった場面を想定したロールプレイングを先生としてみるのも、すごく役に立ちますよ。

 

英語ミーティングのシミュレーション(模擬英語会議)

会議

あなたの会社の英語で行われるミーティングで、あなたが資料を元に英語を説明する場面を想定して、実際に先生の前でやってみるという練習もものすごくお勧めです。

 

あなたの会社で実際に使われている会議資料に似せた資料を作って(数字を変えるなどして)、それを先生に見てもらいながらあなたが英語で説明する練習をするのです。

かなりの臨場感を持ってレッスンができます。今後そういった場面が実際にあった時にも、役立つはずです。(お勤めの会社の情報漏えいにならないように注意してくださいね。)

 

そして、先生にもいろいろ質問してもらいましょう。

「どうしてこの年は売上がこんなに落ちたのですか?」「このプロジェクトはいつ頃完了予定ですか?」などと英語で質問をしてもらい、それをちゃんと理解して、自分の言葉でその理由を(たどたどしくても)説明できるようになったら、すごく自信がつきますよ。

 

実は私自身も、通訳として採用されたばかりの頃に、通訳トレーニングの一環としてこうやって先輩に鍛えてもらいました。

具体的には、私が通訳として出席する予定の会議資料を使って、先輩が発表者の役を演じて日本語でその資料を説明し、私がそれを英語に訳していく、質疑応答で想定される質問やその回答を先輩が日本語で言い、それを私が英訳するという練習を何度もやりました。

そして、その場で私の英語を訂正してもらったり、用語や表現についてアドバイスをもらいました。

実際に、先輩の予想通りの質問が出ることもよくありました。そうやって「模擬会議」を先輩とたくさんやったことで、会議で英語で話す感覚も早くつかめたと思います。

 

この「模擬英語会議」は、同じ資料を使って複数の先生と一緒にやってみることをお勧めします。レッスンを重ねるごとにあなたの英語での説明もスムーズになりますし、表現も改良されていきます。

先生によって視点が違うので、いろんな角度からの質問ももらえます。何度も繰り返すうちに、「この資料についてなら、だいたいどんな質問が来ても大丈夫だな」と思えるようになるはずです。

こういった練習を重ねていけば、あなたが「ビジネスで英語を使ってバリバリ活躍する」状態がどんどん現実的になってきますよ。

 

外資系企業への転職を見据えて、模擬英語面接にチャレンジ

会議

英語を使って仕事をするなら現状では転職が必要な場合、たとえば外資系企業に転職することを想定して、先生と模擬英語面接をすることも非常にお勧めです。

 

まずはあなたの経歴や持っているスキルを英語で言えるようにして、それを先生の前で話してみましょう。すると、ほとんどの方は「それだと謙虚すぎるから、もっと大きくアピールした方がいい」と言われると思うので(笑)、先生と相談しながら表現を磨いていってください。

そして、先生に面接官を演じてもらって、質問してもらいましょう。「どんな職種を希望していますか?」といった想定内の質問だけでなく、「弊社があなたを雇うべき理由は?」「給与はどのくらいを希望しますか?」「あなたの信条は?」など、日本語でもタジタジするような質問が出てくると思います。

 

これも、何の準備もなくロールプレイングをしてもほぼ何も言えないので、「英語面接」などとGoogle検索して、英語の採用面接でよく聞かれる質問をピックアップし、それに対する自分の回答を考えて、それをあらかじめ英語にして臨みましょう。

そして、先生から聞かれてうまく答えられなかった質問についても、レッスンの後で考え直し、英語にしてみることをお勧めします。

 

なお、英語面接の内容は「暗記」をすると、思い出そうとしてしくじる確率が高くなります!不安だから丸暗記をしてしまいたくなるのですが、暗記したものを言っている不自然さは、すぐに面接官に見抜かれます。あなたの熱意や魅力も、相手には伝わりにくくなります。

なので、英語面接をいろんな先生と何度も練習し、暗記からではなく自分の言葉としていろんな質問に対応できるようになるように、練習を積みましょう。「瞬間英作文」をレッスン外に行うことをお勧めします。言いたいことが即座に自分の言葉で伝えられるようになりますよ。

瞬間英作文のやり方とおすすめ教材。私はコレで独学で通訳になりました

 

まとめ

以上、ビジネス英語力を高めるレッスンのアイデアについてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?

「毎回この準備をしてレッスンに臨むのは、正直大変だな・・・」と思ったかもしれませんが、そういう方にぜひ試してもらいたいのが、「スカイプ英会話レッスンで毎回違う先生を指名して、同じことをやる」という方法です。

たとえば、英語の模擬採用面接にしても、先生によって質問が変わるでしょうし、指摘やアドバイスも違うと思います。また、何度もいろんな先生を相手に面接をしていれば、だんだんと落ち着いて受け答えができるようになってくるはずです。

「スカイプ英会話は毎回同じ先生が取れない」という欠点を利用すれば、毎回のレッスン前に準備をすることなく、同じネタを使い回すことができます。

 

ぜひ、レッスンの時間を有効に使ってビジネスの場で使える英会話力を身につけてくださいね!

 

英会話レッスンの時に使えるフレーズや、先生に「今日こういった内容でレッスンをお願いしたいんですが」と提案する言い方については、この記事を参考にしてくださいね。

使えるオンライン英会話フレーズ20選

ビジネスレベルの英語力ってどの程度?習得にかかる時間は?

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よく、企業の採用条件で「ビジネスレベルの英語力」とかって書いてあったりしますよね。「ビジネス英会話を身につけたいです」っていうメールも、私はよくいただきます。

でも、よく考えてみたら、ビジネスレベルの英語力とか、ビジネス英会話とかって、具体的にどういうレベルか分かりにくいですよね?

このページでは、ビジネスレベルの英語って一体何を指すのか、考えてみたいと思います。

 

「ビジネスレベルの英語力」ってどのくらい?

「ビジネス英会話」「ビジネスレベルの英語」ってよく聞きますけど、TOEICみたいな数字で出る指標と違って、具体的にどういうレベルかというはっきりした定義はありません。

あえて言うとすれば、「ビジネスの場でコミュニケーションが取れ、業務上必要最低限のことが自力でできる」という感じになります。

 

「業務上必要最低限のことができる」というレベルを強引にTOEICの点数で表すとしたら、最低でもTOEIC800点以上が目安になると思います。

「1日に何時間勉強すれば英語が上達し、どのくらいのレベルになるか」という記事を書いた時に、TOEIC800点を「英語を使って仕事をしたい人の最低ライン」として挙げました。詳しくはこちらをどうぞ。

1日に何時間勉強すれば英語が上達しますか?に対する通訳翻訳者の答え

 

ただし、TOEIC800点程度では、英文メールのやりとりや簡単な会話に限られます。メールはゆっくり考えて書けば普通に書くことができ、相手からのメールも理解できるレベルです。

でも、英語で行われる会議に出席し、内容を理解し、意見を述べることができるには、TOEIC800点では足りません。(もちろん、個人差はあります。)

通訳として勤めてきた私の経験から言うと、日本人が英語会議に出席する場合、TOEIC800点レベルの出席者が意見を述べたり質問に答えたりするときに「通訳は不要」というケースはほぼありませんでした。

 

英語会議に出席して、その内容が分かり、自分の言いたいことが発言できるとなると、TOEIC900点を遥かに超えるレベルが必要です。

TOEIC900点を「遥かに超える」レベルとは、950点とか990点とかを意味するのではありません。「TOEICなんかで自分の英語力を測る時期は、とっくに過ぎた」というレベルです。

 

仕事が支障なく行えるビジネス英会話力とは?

じゃあ、

・英語会議の内容が理解でき
・発言もでき
・質疑応答も対応できる

という、「仕事で必要なことは英語でだいたい何でもできる」というレベルになるには、どのくらい習得に時間がかかるのでしょう?

 

英語が母国語の人が「ビジネス日本語会話力」を身につけるのに必要な学習時間がどのくらいか? という面白いデータがありますので、それを参考に考えてみましょう。

アメリカ国務省の外交官を養成する語学研修所(Foreign Service Institute’s School of Language Studies)によると、英語を母国語とするアメリカ人が、日本語で「Professional Working proficiency(業務に支障のない習熟度)」に達するのにかかる学習時間は、約2200時間とされています。

 

詳しくはこちらのページに書いてありますので、読んでみてください。

英会話の習得にかかる時間は?TOEIC900点はペラペラじゃない

 

英語が母国語のアメリカ人が「ビジネス日本語」を習得するのに必要な時間が2200時間とすれば、その逆の日本人がビジネス英語を習得するのにも2200時間かかると言っても、それほど的外れではないと思います。

 

ただし、2200時間というのは、この語学研修所の授業時間なので、それ以外の自習時間は含まれません。また、外交官になるようなエリートがきっちりしたカリキュラムに沿って勉強して2200時間なので、私たち普通の人が独学で手探りでやるとなると、もっと時間がかかると考えられます。

とは言え、外交官が仕事で支障のないレベルにまでならなくても、仕事に必要な最低限のことができるようになれば、とりあえずはいいですよね。それに必要な勉強時間は、大まかな目安ですが、だいたい3000時間くらいかなと思います。

1日に何時間勉強すれば英語が上達しますか?に対する通訳翻訳者の答えに書いたように、TOEIC900点程度の英語力を身につけるための勉強時間の目安が2000時間なので、3000時間はその1.5倍です。

 

3000時間の勉強時間というと、これから英語学習をスタートする平均的な人が毎日3時間勉強したとして、3年かかる計算です。平日に2時間しかできなければ、6年です。平日1時間なら、12年です。

結構大変だな〜と思うかもしれませんが、これは机に向かっての勉強時間ではありません。社会人で、毎日3時間も机で勉強できる人なんて、ほとんどいませんからね。

そうではなく、通勤時間などをうまく利用して「ながら聞き」を増やすことで、達成可能です。私もそのように英語の勉強時間を工夫して確保してきました。

 

ながら聞きで勉強時間を増やす方法については、こちらの記事も参考にしてくださいね。

英語の勉強する時間がない人集合!誰でも毎日1時間確保できる方法

 

レベルごとにまとめてみると、個人差は当然ありますが、

TOEIC800点程度(学習時間目安1000時間)
→ 英文メールの読み書きは大丈夫だけど、英語会議はちょっと厳しい

TOEIC900点程度(学習時間目安2000時間)
→ 少し込み入ったメールのやりとりや、一対一の会話ならだいたい大丈夫

ビジネスレベル(学習時間目安3000時間)
→ 準備がきちんとできていれば、英語会議もなんとか大丈夫

という感じになるかと思います。

 

英語ノンネイティブのビジネス英語レベル

ビジネス英語
「ビジネス英語」というと、すごく特別なイメージがあったり、普通の英語とは全然違うものなんじゃないかという勘違いをしている人がいます。

また、ネイティブらしい英語表現をたくさん身につけないとダメなんじゃないかと思っている人もいます。

 

でも、「ビジネス英語」というのは日常の英語とそれほど違うわけではなく、ビジネスシーンで決まった表現などが多少はあるものの、使う文法などは普通の英語と変わりません。

日本語でも、ビジネスで使う日本語と日常日本語がどう違うか考えたら、分かりますよね。「ご査収ください」など、普段の家族や友達に対する日本語では使わない表現がありますし、「相見積もり」など業界ごとの用語もあります。でも、それ以外は普通の日本語と一緒です。

 

「普通に仕事で通じる英語」が使えることが優先なのであれば、「ネイティブ表現」や「完璧な英語」にたくさんの時間を割くのはもったいないです。

「ネイティブのように話せて初めて一人前」という妙な思い込みを持った英語学習者が多いので、そういう方々に勇気を与えるために(?)ここで私の職場にいた「ノンネイティブ英語話者」の話をしてみたいと思います。

 

中国人、韓国人、フランス人の英語スピーカーの場合

私の職場には、中国人、韓国人、フランス人など、英語のネイティブではないけれども英語を使う人がいました。自分の国で生まれ育ち、母国語で教育を受け、英語は外国語として学び、その後日本に来た人たちです。

アメリカ留学を経て日本に来た人が多かったので、英語はみんな仕事に十分なレベルには話せました。私の職場には中国語や韓国語などの通訳はいなかったので、彼らにつくのは私たち英語の通訳です。

 

英語で文書を書け、会議では発言も質疑応答もできる彼らですが、アメリカ人の英語とはかなり違う英語を話していました。発音も独特で、みんなそれぞれ強い訛りがあります。

文法の間違いも常にあります。三人称のSを忘れていることなど、しょっちゅうです。ネイティブらしいフレーズも、ほとんど使いません。

 

でも、ちゃんと英語で仕事をしているし、言いたいことをスラスラと言って意見を伝えられるし、英語のプレゼンも質疑応答も当然できるし、英語のコミュニケーションに関しては全く問題ありません。

彼らの英語について苦情を言ったり、笑ったりするネイティブは、一人もいません。

彼らも「自分は英語ネイティブじゃないから・・・」なんて気後れは見せないし、実際にそんな卑屈な感情を全く持っていないようでした。

 

日本人のノンネイティブ英語スピーカーの場合

また、英語がペラペラの日本人男性も二人いました。

二人とも普通に日本生まれの日本育ち、日本の大学を卒業していますが、海外で長く働いた経験があったり、また日本でも常に英語が必要な環境で働いているので、英語は全く何の苦労もなく使えるようになった人たちです。

ですが、二人とも、発音はコテコテのジャパニーズイングリッシュです。彼らも、よくよく聞いていると小さな文法の間違いは多いです。

 

でも、英語ネイティブと対等に会話ができるし、ジョークも言い合えるし、難しい交渉も、即興の英語プレゼンも、何でもできます。もちろん、訛りをバカにされたり「あなたの英語は聞き取りにくい」なんて苦情が出たりしたことは一度もないです。

英語が分からない日本人がいる会議では日本語で発言して、私たち通訳を使いますが(仕方なく)、通訳の立場としてははっきり言って通訳するのが恥ずかしいレベルでした。

しかも、通訳の英語もバッチリ聞いてチェックしているので、「そうは言ってない!」と注意されたり、通訳の英語が気に入らないと「私が言いたかったのはこういうことなんですよ」と自分で英語でペラペラ言い直して通訳のメンツは丸潰れ、なんてこともよくありました。(苦笑)

 

彼らは「ビジネス英会話」の中でもかなりハイレベルな英語を使いこなす人たちでしたが、それでも私は、彼らが「これはネイティブらしいかっこいい表現だな〜」みたいな表現を使うのをほぼ聞いたことがありません。いわゆる敬語(丁寧な英語表現)も、あまり使いません。結構直接的な表現です。

いつも、分かりやすい「日本人らしい英語」で話していました。

 

訛りがあっても大丈夫。ネイティブを目指す必要は全くない

いかがでしょうか。「ビジネスレベルの英会話力を持っている人でも、文法は普通に間違うし、訛りもあるのか」って拍子抜けしたのではないでしょうか?

そうなんです。私たちはなぜか、そんな必要は一切ないのに、「ネイティブを目指す」ように英語教育業界に動かされてきたんです。「ビジネスレベルを目指すなら、できるだけネイティブに近づかないといけない」と。

だから、「ビジネス現場での訛りは恥ずかしいから、きれいな発音を身につけなければ」とか、「ネイティブがよく使うかっこいいフレーズを自分も使えるようにならなければ」とか、仕事に使えればよかったはずが、努力がおかしな方向に向いているんです。

もちろん、発音はきれいならそれに越したことはないですが、相手に大きなストレスなく理解してもらえる英語でさえあれば、訛りなんて気にしなくていいんです。

 

たとえば、日本で有名な非ネイティブのビジネスパーソンと言えば、日産自動車会長のカルロス・ゴーンさんです。

調べてみたところ、ご両親はレバノン人、ブラジルで生まれ育ち、高校から社会人までフランスだったようですが、彼の英語を聞いてみると、訛りはアラビア語、ポルトガル語、フランス語の影響が混じっているようです。一番強く出ているのはポルトガル語のようですが、フランス語訛りもところどころ聞こえます。

いずれにせよ、英語ネイティブではありません。主張がはっきりしていて、単語もシンプルでわかりやすい英語です。

 

こんな感じで、世界が注目する大企業の社長(当時)が、メディアで堂々と訛りのある英語を披露しているわけです。

日本語訛りの英語を恥ずかしがって話したがらない日本人は多いですが、訛りのある英語は「味がある」とネイティブに思われています。場合によってはセクシーでさえあるんですよ。詳しくはこちらの記事に書きました。

英語を話すのが恥ずかしい?自信を持って話すために事前にやるべき5つのこと

 

間違っている人が多いですが、英語とは、「ネイティブと話をするための道具」ではありません。

英語を話す全世界の人とコミュニケーションを取るための道具です。

これ、忘れてませんでしたか?

 

英語を母国語として話す人(ネイティブスピーカー)は、世界で5億人です。そして、英語を第2言語(外国語ではない)として使っている人口が4億人です。フィリピンなど、英語で高等教育が行われているようなところですね。

それに対し、英語を「外国語として」使う人は、私たち日本人や、同僚のフランス人、中国人を含め10億人以上います。

 

いかがでしょうか?英語は、「外国語として」使っている人が圧倒的に多いのです。

私の職場にいた非ネイティブの英語スピーカーだって、仕事は問題なくこなせる高い英語力がありますが、私たちが気の利いたネイティブ表現を知らないのと同じように、彼らもネイティブの使うこなれた言い回しの意味を知らないかもしれないのです。

 

ネイティブ表現を使うことの落とし穴について、こちらに書きました。

ネイティブらしい英語表現の落とし穴!自然に使えるようになるには?

 

上の記事で、「Beats me.(さっぱり分からない)」「Break a leg.(頑張ってね)」というネイティブ表現をご紹介しました。でも、こういう表現を、世界の英語スピーカーがみんな知っていると思ったら大間違いです。

というか、私の同僚の非ネイティブ英語スピーカーはみんな英語が流暢でしたが、ほぼ確信を持って「知らないだろう」と言えます。

 

繰り返しますが、英語とは英語を話す全世界の人とコミュニケーションを取るための道具です。ネイティブのためだけの言葉ではなく、多国籍の人が共通で使える「国際語」なのです。

だから、ネイティブらしいかどうかより「分かりやすいか」「誤解なく通じるかどうか」がずっと大切です。

 

 

ビジネス英語を身につけるためにやるべきこと

ビジネス英語と言っても、日常英語と何かが大きく違うわけではありません。基本的な英語の土台は同じです。

まずはその土台をしっかり固めて、その後、自分の仕事や活躍したい分野で必要となる専門用語や、丁寧なメール表現、会議でよく使う表現などを覚えていけばいいです。

 

私自身は駆け出し通訳時代、自分の会社の会議でよく使う表現をまとめて、それを覚えたりしていました。実際に私が2009年頃に使っていた自作ビジネス英会話表現集が、以下です。(見えにくくて申し訳ないです)

ビジネス英会話

上記は会議の表現集ですが、このエクセルファイルの別シートには、私の仕事で使う専門用語集なども入っています。

 

基本的な英語力が不足している状態でこういった表現集を使っても、丸暗記するしかないので負担が大きい割に応用がきかず、あまり好ましくありません。

なので、基本的な英語力をしっかり固めた上で、あなたの仕事に直結した用語や表現を覚えていけばいいです。また、「ビジネスシーンで使う英会話」みたいな本もたくさん出ていますので、そういった本を参考にして、ビジネス英会話表現がすらっと出てくるように訓練するのもいいでしょう。

 

まとめ

ビジネスレベルの英会話ができることと、ネイティブらしい英語が使えることは全く別です。訛りのなさやネイティブらしさの追求は、優先度はかなり低いです!

ネイティブらしい表現が使えなくとも、訛りがあっても、ビジネスマンとして英語をバリバリ使って活躍することは可能です。ビジネスで使える英語を身につけたいなら、基本的な英語の土台を身につけた上で、必要な用語や表現を覚えていきましょう。

 

以上、ビジネスレベルの英語力とはどのくらいのレベルなのか、習得にどれほどの時間がかかるのか、またビジネス英語を身につけるにはどうしたらいいのかという話をしました。参考になったら幸いです!

【シャドーイング教材】選び方の3つのポイントとおすすめ本

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シャドーイングとは、英語音声を流しながら、その後ろを影のようにくっついて発音していく学習法です。

私がこれまで一番長く継続して、大きな効果を感じている勉強法です。私はシャドーイングのおかげで英語らしい発音やリズム、イントネーションが自然に身につき、TOEICのリスニングセクションでも満点(495点)を取ることができました。

 

シャドーイングのやり方とその効果については、このページで詳しく書いていますので参考にしてください。

シャドーイングを10年続けた私が効果的なやり方とコツを教えるよ!

 

このページでは、まずシャドーイングを行うための教材で外せない3つの条件をご説明します。その後、具体的なおすすめシャドーイング教材をご紹介しますね。

 

シャドーイング教材を選ぶ上で外せない3つの条件

お茶

シャドーイングは、それ専用の高価な教材を買ったりする必要はなく、手持ちの教材でも十分に使えます。でも、教材の選び方を間違うと、ものすごく負荷が大きくなって挫折しやすくなったり、期待した効果を全く得られないことがあります。

なので、以下のポイントに従って教材を選んでくださいね。

 

英語学習者用に作られた音声であること

英語学習者用に作られた教材の音声を使ってください。つまり、教材ではないテレビドラマやニュースなどは、不向きです。

そして、これは絶対に守っていただきたいのですが、英語学習教材としてプロのアナウンサーなどが吹き込んだ音声を使ってください。あなたが上級者であれば別ですが、洋画や海外ドラマ、俳優のインタビューの音声などは負荷が高すぎます。

 

また、スピーカーがフリートークをしているものもダメです。フリートークだと、話者の言いよどみ、文法的な間違い、無意味な繰り返しなどがあり、真似をする素材として適しません(これも、かなりの上級者がよりネイティブに近づくために挑戦するのなら、アリです)。

きちんと練られた台本があり、それをスピーカーがスタジオで読んでいるものを選んでくださいね。

 

自分がマネしたいと思う発音の教材であること

シャドーイングのコツは「マネ」です。だから、訛りが強い英語や非ネイティブの話す英語は、そのような発音やアクセントを身につけたいのでなければ、シャドーイングに適していません。

現在日本で売られている英語教材のほとんどはアメリカ英語ですよね。イギリス英語の発音を身につけたいという方は、イギリス英語の教材を選んでシャドーイングしてください。

 

以前、「イギリス英語を聞きながらアメリカ英語でシャドーイングして良いですか?」というご質問をいただいたことがありますが、それはダメです。(オーストラリア英語であれ、インド英語であれ、ダメです。)

シャドーイングの重要なコツは、お手本をそっくり真似ることです。「Not」がイギリス英語で「ノット」と聞こえるのにそれをあえて「ナット」(アメリカ英語)と発音するというのは、頭の中にこびりついた自分流の発音にこだわっているのと何ら変わりません。

 

お手本をそっくり真似るというのは、自分のこだわりを捨てることでもあります。自分に長年しみこんだ悪い癖やジャパニーズイングリッシュな発音を取り除くために、正しい発音をそっくりそのままコピーすることに意義があります。

だから、アメリカ英語を身につけたいならアメリカ英語の教材を使いましょう。

 

「簡単すぎかな?」くらいのレベルであること

特に最初は、「簡単すぎかな?」と思うくらいの教材を使ってシャドーイングをやってみましょう。ほとんどの学習者にとって、中学生レベルの教材でも、シャドーイングには十分な難易度のはずです。

「何を使ったらいいかさっぱり分からない!」という場合は、会話形式のものがお勧めです。あ、会話形式というのは、中学生の教科書のMikeとJaneの会話、みたいなやつです。決して、シナリオなしに好きにダベってる「会話」じゃないですよ。

会話文だと、一文が短い場合が多く、また文章の構造も単純だからです。

 

私はシャドーイングは基礎英語1(中1レベル)でデビューしました。私は車の中でラジオの基礎英語1を聞きながらシャドーイングをはじめましたが、英語はもちろん本当に簡単で、

Do you like baseball?
He can speak Japanese very well.

とか、そんなレベルです。でもシャドーイングを始めた頃の私は、この程度の英語もスラスラとは言えませんでした。orz

だから、これからシャドーイングを始めるという方は、ぜひ、ぜひ、中1レベルの英語からスタートすることを強く勧めます。英語は、「急がば回れ」ですよ。

 

シャドーイングは、慣れるまではちょっとしんどい訓練法です。続けることが一番大切なので、「ちょっと物足りないかな?」程度のものを継続してみてください。

慣れてきてから、レベルをだんだん上げていけばいいのです。シャドーイングは、気楽にやりましょう。

 

おすすめのシャドーイング教材

テキスト

 

シャドーイング用の教材を必ず買う必要はなく、会話文、単語の例文、エッセイ(長文)形式の文章など、教材」として出回っているものならだいたいシャドーイングに適しています。なので、お手持ちのもので始めて大丈夫ですよ。

初心者の方が最初に取り組むには、会話文を私はお勧めしています。なので、簡単な会話形式の英会話用CDなどがお手元にあれば、それがちょうどいいと思います。

ちょうど良いものがないという方のために、おすすめのシャドーイング教材をご紹介します。

 

シャドーイング初心者

新ゼロからスタートシャドーイング 入門編 新ゼロからスタートシャドーイング 入門編

単語、短文、会話、長文、生のニュース英語、と段階的にシャドーイング素材がレベルアップするので、シャドーイングを全くやったことがない人はこの本から始めるといいかもしれません。

 

NHKラジオ 基礎英語1 CD付き 2017年8月号 [雑誌] (NHKテキスト) NHKラジオ 基礎英語1 CD付き 2017年8月号 [雑誌] (NHKテキスト)

厳選された使えるフレーズや重要な単語がたくさん入っているので、何度も覚えるほど繰り返しシャドーイングをするという方法はとても有効です。私は基礎英語でシャドーイングを始めました。

ただし、音声ストリーミングや録音音声を使うと、日本語の解説等も何度も聞くことになり、純粋なシャドーイングの時間が減ってしまいます。CDを購入してスキット音声のみをリピートする方が効率が良いです。

 

ぜったい音読シリーズ

英会話・ぜったい・音読 【入門編】—英語の基礎回路を作る本 英会話・ぜったい・音読 【入門編】—英語の基礎回路を作る本

中学1、2年生用の英語の教科書レベルの英文が収録されています。音読用で使用してももちろんいいのですが、シャドーイング素材としても使えます。

 

英会話・ぜったい・音読 【標準編】—頭の中に英語回路を作る本 英会話・ぜったい・音読 【標準編】—頭の中に英語回路を作る本

ぜったい音読の中級編です。(中学3年レベル)

単語や文法のレベルが自分にとって簡単なものをシャドーイング素材として使うことを私はお勧めするので、中学レベルだとバカにしないで試してみてください。

 

英会話・ぜったい・音読 【挑戦編】—英語の上級回路を作る本 英会話・ぜったい・音読 【挑戦編】—英語の上級回路を作る本

ぜったい音読の上級編。(高校1年生レベル)

私は、NHK基礎英語とかで一通りシャドーイングをやり終えた後はひたすらこの「ぜったい音読」シリーズでシャドーイングをしていました。

 

単語(ボキャビルマラソン)

ボキャビルマラソンパワーアップコース

これはボキャブラリー用の通信教材で、シャドーイング用の素材ではありません。でも私はこの教材をシャドーイングしまくりました。

別にボキャビルマラソンである必要はないのですが、単語やイディオムなど、あなたが暗記目的で使っているCD付き教材をシャドーイングに使うことで、より記憶に強く残しながら発音やイントネーションも身につくという、すごくお得な使い方ができます。

 

詳しくは、このページも読んでみてください。

ボキャビルマラソンの副産物(2)シャドーイングで複数スキルアップ

 

シャドーイング教材の使い方についてのよくある質問

勉強

 

ここからは、シャドーイング教材の取り組み方についてよく受ける質問にお答えします。

一つのシャドーイング教材を完璧になるまでやる?

まず多いのは、以下の質問です。

シャドーイングは、一つの教材を完璧に出来るようになってから次の教材に進むのでしょうか。出来るようになるまで1ヶ月でも半年でも、一つの教材をやった方がいいのでしょうか。

 

答え:完璧を目指すのはやめましょう!

「完璧に出来るまで」ってどういう状態でしょう? 絶対に一度も詰まらずにスラスラ言えるまで? 発音がお手本と全く同じ(=ネイティブの発音)になるまで?

・・・完璧って、どこまで行っても到達できない、つかみどころのないものですよね。

 

私は、「8割から9割くらいを目指しましょう」という言い方をよくしています。だいたいイントネーションや発音を似せて言えるようになったし、ほぼ詰まらずに言えるなー、という感じで良しとすればいいと私は考えています。

巷のシャドーイング教材は、完璧に言えるようになるまで何度も繰り返しましょう、という指示があるものが多いようです。でも、完璧になるまで同じ教材をひたすらシャドーイングを繰り返すって、想像するとちょっとしんどくないですか?

もちろん、精度を上げることは重要です。発音が適当でもどうでもいいと言っているわけではありません。でも、完璧になるまで次はダメだとプレッシャーを自分にかけ、つまらなくなって三日坊主になってしまったら、元も子もありません。

 

私は、英語のトレーニングでは完璧は目指さないようにしています。発音やイントネーションのコピーは真剣にやりつつも、心理状態は「まあいいか」と適当なくらいがちょうどいいと思います。完璧を目指さず気楽にやる代わりに、シャドーイングというトレーニングそのものを長く続けることが大事です。

「一つの教材を完璧にシャドーイングすること」は、シャドーイングの目的ではありません。目的は、「英語力を上げること」です。当たり前ですが(笑)。でも、ここを見失うと、教材の使い方に対する考えが変な方向に向かってしまいます。

 

同じシャドーイング教材をどれくらいの期間続けたらいい?

シャドーイングでは、ひとつの教材をどれくらいの期間続けたらいいですか?

 

答え:教材をどれくらいの期間やるかは、全く重要な問題ではありません。

シャドーイングで一番大切なのは、自分のレベルに合った、シャドーイングに適した教材を使って、トレーニング方を継続することです。

だから、たとえ教材のレベルが合っていても、やっていてつまらないと感じたら違う教材に変えてOKです。

 

私の場合、シャドーイングは基本的に「ながら勉強」です。完璧にやろうと思うと、ながら勉強ではなく机で集中して取り組まないといけないので、挫折しやすいのです。

英語力を上げるという目的のため、私が楽しめる教材で完璧を目指さずながら勉強で気楽にやってるからこそ、10年以上続いてます。

 

シャドーイングを繰り返していると、内容を覚えてしまう

私は、車で子供に英語のDVDを流しているのですが、それをシャドーイングしています。シャドーイングを繰り返していると、会話を覚えてしまいます。所々、覚えているためにお手本と同時になってしまう事も。

そのくらいになったら、素材は変えた方がいいのでしょうか?それほど集中しなくても、次に何を言うか、分かってしまいます。それでは効果はないのでしょうか?

 

答え:その子供用のDVDからあなたが何を得たいか次第です。

あなたの仕事や趣味、自己成長に役立つヒントなど(ボキャブラリー、表現など)がたくさん含まれているDVDなのであれば、そこから得られるものがある限りは同じものを使っていいです。

何度も同じものを聞いて、そっくり真似できるほどシャドーイングをやり込むのもいいのではないでしょうか。

でも、そうでなければ、違う素材に変えたらいいと思います。

 

シャドーイングで「覚えているので、英語と同時に言ってしまう」という事態は、あまり好ましいとは言えません。英語と同時に言ってしまうというのは、英語を聞いていないということであり、真似をしていないということです。

ついつい自分が先回りしてしまうのは、英語を耳で聞くより頭の中で考えて発声することにばかり意識が向いているからです。英語を聞いてないので、自己流、日本人なまりの 発音やイントネーションになりやすいです。 心当たりはないでしょうか?

「英語をとことん真似しよう」という取り組み方をしていれば、英語と同時に言ってしまうことにはなりません。

私は、シャドーイングを10年以上やっていますが、お手本より先に言ってしまった!同時に言ってしまった!という経験は記憶にないです。

もちろん、何度もシャドーイングすれば覚えてしまうこともありますが、私はシャドーイングの時には、発音の一つ一つに注意しお手本そっくりに真似することに意識を向けているからです。

 

繰り返しますが、あなたがその素材の「内容」が好きで自分の体に浸透させたいのなら、多少先回りしようが暗記してしまおうが、目的が達成されるならいいと思います。

でも、リスニング力の向上や発音矯正を主な目的としているのだったら、自分が声を出すことばかりに意識が囚われないようなもっと簡単なものに取り組むか、今やっているDVDでも良いので、今一度、「お手本をそっくりコピーする」ことに集中するようにしてみてください。

 

私のシャドーイングのやり方は「毎日適当に、バラバラ」

私は毎日、英会話、ボキャブラリー、イディオム、オーディオブックなどを車で流して気分でいろいろシャドーイングしています。

素材を日によって変えるのは、シャドーイングをやり始めた当初からそうでした。最初は、主にNHKラジオ講座(基礎英語)をシャドーイングに利用していました。講座の内容が毎日変わるので、毎日違うものをシャドーイングしていたことになります。

私は基礎英語を録音して何度も聞いていましたが、1回15分の番組をひたすらリピートという繰り返し方ではなく、先週分を今週も聞く、先月分を今月も聞く、といった繰り返し方で取り組んでいました。

なので、シャドーイングも「同じもの」を何度もやっているのですが、同じものを「連続して」やってはいません。

 

シャドーイングに限りませんが、私は「一つのものを完了してから次へ」という考えが全然ないので、前にやったものに戻ることもよくありますよ。

なお、「毎日やることがバラバラ」とは言いましたが、もちろん、難しすぎて全然ちゃんとできてないのに毎日コロコロ変えるのは、そりゃダメです。シャドーイングする素材の単語や文章の意味、文章構造(文法)については、10割近く理解できるものでやってください。

シャドーイングは、スクリプトが手元にある素材を使ってやる方がいいですが、スクリプトを見なくても全ての単語が分かって意味や文法も完全に理解できるなら、なくてもいいです。

私は、シャドーイングを始めた当時に取り組んでいた基礎英語1,2(中1、中2レベル)は音声を聞いて解説を聞けば単語も文法も分かる状態だったので、書籍は使っていません。

 

期間や回数は、その教材をシャドーイングする目的で決める

本

「毎日バラバラでもいいし、期間も決める必要がない」とは言ったものの、それでも何らかの考え方の基準があったらいいですよね。どんな姿勢で教材に取り組めばいいか、お教えします。

私の考える、シャドーイングをする目的は主に以下の3つです。

1.口の周りの英語筋肉の強化と発音向上
(音声をお手本に発音やイントネーションを忠実に真似する)

2.リスニング力の強化およびアクティブ・リスニング
(理解してない状態で聞き流すことを防止し、意識的に英語と内容をキャッチする)

3.単語やイディオム、フレーズなどの習得
(ただ音声を聞き流すより、口に出すことで刺激が増え記憶に残りやすくなる)

それぞれの目的について、どの程度シャドーイングをすればいいかという考え方を書いていきます。

 

口の周りの英語筋肉の強化と発音向上

どういう素材をどのくらいの期間やろうが関係なく、口の周りの英語筋肉は鍛えられるので、気にしなくて大丈夫です。(もちろん、素材があなたのレベルに合っていればという条件はあります。)

上で言ったことの繰り返しになりますが、発音を矯正しようと思うなら、必ず「英語をそっくり真似る」ということを忘れないようにしてくださいね。暗記しているせいで音声と同時に声を出してしまうようだと、それはお手本を聞いてないということなので。

 

なお、音声と同時に声を出す「オーバーラッピング」というトレーニングもあります。シャドーイングとの違いは以下のページで説明しています。

オーバーラッピングとシャドーイング、やるならどっち?効果の違いを解説

 

単語やイディオム、フレーズ、内容の習得

私は、上でも言ったようにボキャビルマラソンでシャドーイングをしまくったのですが、このボキャビルマラソンをシャドーイングに使う私の目的は、言うまでもなく、単語を一つでも多く覚えるためです。

私は他にもCDつきの英熟語本もシャドーイングしましたが、これも目的はイディオムを覚えるためなので、結構しつこく繰り返しました。

なので、「どのくらいの期間やればいいか」は、理想的には「全部覚えるまで」なんですね。そういう意図があって使っている素材なら、何度も暗記するほどシャドーイングをしても良いですよ。

あとは、「会議でよく使う英会話フレーズ」や「旅行英会話フレーズ」などのCDも、あなたが会議の英語表現を覚えたいとか近々旅行の予定があるといった場合は、シャドーイングするといいですね。フレーズを覚えながら口の筋肉も鍛えられ、一石二鳥です。

 

単語やイディオムの暗記ということ以外にも、たとえば「このTEDのスピーチは素晴らしい!自分もこういう考えを持つ人間になりたい!こういうスマートな言い回しができるようになりたい!」と思えば、「内容」を自分の体に染み込ませるためにもシャドーイングは使えます。

(ただし、TEDのスピーチがシャドーイングに使えるのはかなりの上級者に限られますが)

私も、英語のオーディオブックを自己啓発のために使っていますが、「こういうポジティブな考え方を自分に取り入れたい」と思うような本だと、何度も聞いてシャドーイングをして、体に染み込ませています。

本を一度読んだだけでは、その時は「これはいいこと聞いた!」と思ってもすぐに忘れてしまいます。そんな時にシャドーイングは記憶を維持するのにとても役に立ちます。

 

リスニング力の強化およびアクティブ・リスニング

「リスニング力の強化」という面で言うと、何度も聞いて覚えてしまった素材は、英語を聞き取る力で理解しているのではなく記憶で理解しているので、リスニング力の向上にはあまり貢献しません。

じゃあどうするかというと、おすすめは、はじめて聞く、あるいは記憶するほど聞いていない簡単な素材をシャドーイングすることです。内容を理解しながら、また次の展開を考えながら聞き、それを即座に口に出さないといけないわけなので、リスニング力もつきます。

 

とはいえ、特にシャドーイングをやり始めたばかりの人は、音声の後について口を動かすだけで精一杯のはずです。意味を聞き取って理解するということに、あまりエネルギーを割くことができません。

なので、覚えるくらい聞いてしまったものを繰り返しシャドーイングするというやり方で、最初は全く問題ありません。しっかり英語の発音を真似ることを意識することで、音の変化やイントネーションを改善することができ、それがリスニング力の向上につながります。

 

私の場合、もう英語特有の音の変化やイントネーションはシャドーイングの継続によって体に染み付いているので、同じ素材をひたすら継続しても、リスニング力向上にはつながりません。

私が昨日車で運転しながらシャドーイングをしたときは、オーディオブックの内容が耳をすり抜けてしまわないようにシャドーイングをしました。運転中のながら聞きだと、ついぼーっと違うことを考えてしまって英語が頭に入らないことがよくあるので、それを防止するためです。

このように、「アクティブ・リスニング」とは、受動的に聞き流してしまうのではなく、こちらから積極的に意味を取りに行くという聞き方です。

ちなみに、このオーディオブックはとりあえず内容は理解したのと、すごく良い本というわけでもなかったので、この本を毎日聴き続けて繰り返しシャドーイングする予定はありません。

そんな感じで、一度きりしかシャドーイングしない素材も、私の場合はたくさんあります。

 

シャドーイングの教材についてのまとめ

以上、シャドーイングのおすすめ教材と取り組み方をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?

まずは

1.英語学習者用に作られた音声であること
2.自分がマネしたいと思う発音の教材であること
3.「簡単すぎかな?」くらいのレベルであること

という教材を選んで、やってみてください。

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